「セックスをするのが好きだ。なぜなら、セックスをすると気持ちがいいからだ」 #遠野遙 #破局
ああ、最高だ。最高だ。
遠野遙さんの芥川賞受賞作の『破局』
本記事の題名で面食らってしまった紳士淑女のみなさん、こんばんは。
ビール飲んで酔ってなどいません。いませんが、『破局』のすごさについて、いや、遠野遙さんのすごさについて語らせてください今夜は。
まだ読んでない方も多いと思いますので、私が先陣を切って紹介させていただきます。
ちなみに、文学的な観点からの批評は私の分野ではないので、それは他者におまかせして、
私が「やべえええ遠野さんすげええええ」と思った文章を羅列したいと思います。
おもに下(シモ)のほうに偏っています。
そのため、気分を害される方が多数いらっしゃると思いますので、「私は紳士淑女である」と思われる方は、後ずさってくださいね。
「芥川賞なんて、小難しいブンガクで面白くないんでしょ?」と思っている方にこそ、ぜひですね、本記事を参考にしていただきましてですね、本を手にとってほしいと、私は切に願うわけであります。
いきますよ?
***
まず、この題名の文章。
私はもともと、セックスをするのが好きだ。なぜなら、セックスをすると気持ちがいいからだ。
身も蓋もない。こんな身も蓋もない言い方はふつうはできない。ふつうはできないことをするのは才能であり、天才の証である。
ほんと、セックスは気持ちがいいのである。身も蓋もない。ちなみに私は対面座位が好きである。数ある体位のなかで密着度が最高だと思いませんか?
この後に出てくる、付き合っている彼女に対する苦言が、これ。
ひとつだけやめて欲しいのは、セックスの最中、私の性器とおしゃべりをすることだ。
性器となに話すんですか?
気になった方は、ぜひ、本書を手にとっていただきたい。あんなことや、こんなことを、お話されます。
ちなみに、性器とおしゃべりするときは「敬語」だそうです。
どんどんいきます。
次、陰毛です。
陰毛はなぜ縮れているのだろう。縮れているせいで、すぐに陰毛とわかってしまうから、何かの拍子で人に見られたとき、恥ずかしい思いをしなくてはいけない。本の間に、まるで栞のように挟まっているときもあって、気を抜くことができない。
わかりみる。。。
私も高校生のとき授業中にひらいた教科書に陰毛が挟まっていて、誰にも気付かれないように、こっそり処分したよ。。
これ、なかなか人に相談できないけど、遠野さんになら相談できそう。。
彼女が家に来たときも、カーペットの上の陰毛を指でつまんで、こっそり捨ててくれました。。愛の深みを感じるよね。。
次は、男子なら誰もが一度は試したことのある、あれである。
自慰には常に左手を使う。利き手ではない手を用いることによって他人に性器を触られている錯覚に陥り、射精に至るまでの時間を短縮することができるのだ。
短縮できるかどうかはわからないけれど、みんなとりあえずは一回はやってみるよね。
こういう、カッコつけてたら絶対に書かない内容を、さらっと書いてしまうから、逆にカッコいいのだ。遠野さんは。
この後、「射精したあとも、少量の精液が出ているので、下着をすぐに履くと汚れる」と続く。ああ、カッコいい。。身も蓋もない。。
さて、そろそろお腹いっぱいだと思いますので、最後に。
就職活動の際、書かなきゃいけないエントリーシートに対して。この一文に、大きく同意して締めたいと思います。
今日、エントリーシートってやつを初めて書こうとした。一時間くらい粘って、名前とか生年月日とか、そういうことしか書けなかった。誰にだって欠点はあるはずなのに、そういうところには一切触れず、長所ばかり並べ立てないといけないんだよ。そういうの、気持ち悪くないか?
まったくもって同感です。
私も新卒で就職活動したとき、みんながいっせいに黒いスーツ着て会社を回るのが、もう途中からおかしいと気が付きまして、止めました。
止めてなにをしていたかというと、インターネットで知り合った女の子と片っ端からデートばっかりしてました。壮大なる現実逃避。
大学の卒業式も、みんながスーツや羽織袴のなかを、私はルンペンみたいなヨレヨレのコートで、頭はパーマかけてて、ほんとうにルンペンみたいな外見で出席して、「やべ、明日から無職だわ」って焦って、TV関係のうさんくさいアルバイトに就くのですが、それはまた後日譚。
あ、ちなみに、遠野遙さんご本人は、俳優さんみたいに雰囲気があります。昨日のニュースで、お父さんが某バンドの某ボーカルだと知りまして、ああだからか、と思ったわけです。
対談を掲載した『文藝』も軒並み完売らしく、本屋を何軒か回りましたけど、どこにも置いてなかったです。
身体もイケメンで、文体もイケメンで、内容もイケメン。もう私は虜なので、これからもずっと遠野さんの作品を読み続けます。
ちなみにnoteのアカウントもお持ちでして、記事は1つだけですが、下記にリンクを貼らせていただきます。
※遠野遙さんに叱られたら本記事は秒で下書きに戻させていただきます。
※こういう記事はnoteではよろしくないというのはわかってて、でもリビドーでしょうがないので大目に見てあげてください。。
※真面目な話、遠野さんの作品の魅力は、「こう書いたらなんて言われるかな?」とカッコつけた部分がないところです。物事に対して、純粋に、主人公が感じたままを描写している。既存の表現を借用するのではなく、ちゃんと主人公の言葉にしている。他にも色々と魅力はあるのですが、この文体なら延々と読めるなと思いました。
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