【書評?】推し、燃ゆ
推し、燃ゆ 宇佐見りん 河出書房新社
はじめに
これはあくまで書評?であり書評になっていないかもしれません。ですので、ここに書いてあることは個人の読書感想文であり、それ以上でもそれ以下でもないことを頭の片隅にでも置いておいていただければ幸いです。
あらすじ
推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。
学校生活も家族生活も上手くいかない日々を送る高校生のあかり。彼女にとっての唯一の生きがいは推しである上野真幸を置きかけ、彼を【解釈】することだった。そんなある日推しがファンを殴って炎上したとのニュースが飛び込んでくる――。
感想
月並みで、手垢塗れの感想しか出てこない自分が恥ずかしいのだけれど、これは推しが居る人には響く小説なんじゃないかなと思うわけですよ。私にも推しはいますけど、響きました。
何より、推しを推すとき、あたしというすべてを懸けてのめり込むとき、一方的ではあるけれど、あたしはいつになく満ち足りている。(62p)
押しが居る人、推しが居ない人で読んだら感想が変わるんじゃないかなと思うんですよね。もし自分の推しが炎上したらとかかんがえるだけでぞっとします。
短いストーリーのなかに、現代を切り取ったかのような圧倒的な一作でした。
本文中に出てきた
〈病めるときも健やかなるときも推しを推す〉とかぐっと来ました。私はそれほどまでに推しを推せているだろうかと。
この主人公は、本文中には明言されていませんが、恐らく発達障害だと思われます。そういう描写が所々に出てくるので、その主人公の生きづらさだったりを救ってくれたのが、この推しだったんだろうと思うと、この後主人公はどうなって行くのか気になるところです。
終わりに
短くて、さらっと読めてしまう作品ですし、ぐさぐさ刺さる言葉もでてきますし。、私としてはお勧めです。まあ、芥川賞受賞作品ですし、一読の価値ありだと思います。よかったら読んでみてはいかがでしょうか。
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