【書評?】リトル・バイ・リトル
リトル・バイ・リトル 島本理生著 講談社文庫
はじめに
これはあくまで書評?であり、書評の体を成していないかもしれません。個人の読書感想文として読んでいただければ嬉しいです。
あらすじ
高校を卒業してからアルバイトの日々を送るふみ。ある日、母の勤め先の整骨院で周と出会う。周との日々はこれまでを少しずつ変化させていく。家族を軸に様々な人との触れ合いのなかで、わずかずつ輪郭を帯びていく青春を描く。
感想
どんな言葉にも言ってしまうと魂が宿るんだよ。言霊って言うのは嘘じゃない。
ふみが習字を習っている、柳さんの言葉がぐっときた。柳さんは奥さんを亡くして、その奥さんと約束をしていた。その約束と言うのが、自分より先に逝かないでということ。結果、約束通り奥さんの方が先に逝ってしまって、そして、出た言葉がこれ。
この約束、私もしたいなと思うんだけれど、私は15歳年上の旦那にそんな約束させられなくて、言えなかったな。でも、本当は言いたかった。その気持ちを思い出しながらこの部分を読んでいた。
終始物語は淡々としていて、すごく盛り上がるわけではないけれど、なんだか青春っていいなとか、こんな男の子っていいなって思う作品だったなと思う。
ラストがとても好きなので、読んでみてほしいなと思う。
終わりに
島本理生さんの作品はそんなに読んでいないけれど、どの作品を読んでもしっくりくるから、私には合っている作家さんなのだろうなと思う。この作品を二十歳で書いたというからすごいなの一言。それより一回りほど年齢を重ねても私には絶対に書けない作品だなと思った。当たり前か。
文庫版の解説もよいので、一読の価値ありと思います。
読んだことがないという方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
この記事が参加している募集
よろしければサポートお願いします。頂いたサポートは治療費や創作活動に使用させていただきます。