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雑巾がけに熱中する老害/学問のインプット期間

佐藤ひろおです。会社を休んで、三国志を大学院で習っています。
最初だけ、少しトーンを変えて、記事を書いてみます(笑)

雑巾がけに熱中するひとがいる。汗をかくことを美徳とする。めまぐるしいこと、忙しいこと、つらいことに酔っている。
そういうひとは、目的と手段を取り違えている。
視野がいちだんと狭くなり、本来めざすべきであった方向を見失う。しかし当人は、迷走に気づけない。気づこうともしない。手を止めることが不安だからである。
仲間たちも汗だくだから、安心をする。自分よりも手のひらの皮が厚くなった先輩を見て、「もっとがんばらねば」とカツを入れる。時間と労力を費やして疲れ果て、ふと冷静になったときに、全然ちがうところに来てしまったことに気づいて愕然とする。

いやー、自分の文体じゃないと、しんどいので、戻しますけど、

ぼくが、必死に漢文を習ったり、論文を読めない、知らない、理解できない、とnoteで騒いでいることに対して、お目にかかった方から、ご指摘をいただいたんですよ。

「而」は、シコウシテ、シカシ、シカモ、シカレドモ、どれで読むのが適切なんだ??あ、今回は読まないのが最適ですか。あー、なるほど、そう読めるわけですね。そうか。いやー、まちがえた。先生と違う「読み」をしてしまった。なんて無能なんだ自分。…てな具合なので。

いまはインプット期間であり、バカだ無能だ知識不足だと、みずからを叱り飛ばしながら、劣等感のなかで足掻いている。
これが視野狭窄で、プロセスに酔っているように見えるようです。

ですよね。割り切って、分かっててやってます。

いつまでも、先生に付きっきりで、教わることができる「季節」が続かないことは分かっていますから、できるだけ先生の思考をトレースし、インストールしたいんですよ。
学生=青春は、すぐに終わりますからね。
これはかつて、会社に入ったと同時に青春が終わった、ほかの誰でもない、このぼくが言うんだから、ぼくにとって、まちがいないですね。

じっさい、学問をせずにアラフォーになってしまったので、若くて優秀なひとたちに混じって、遅れを自覚して然るべきだと思うんですけど。
……ほら、ここが、いけないんだと(笑)

滅私奉公。雑巾がけ。「量はいずれ、質に転じる」というスローガン。お前のケチな意見なんか聞いてない、というパワハラ。
時代に逆行しているかも知れませんが、すべての分野には、「入門」した直後には、そういう時期が必要だと思っているんです。そんな汗臭いプロセスを経なくても、独自に、捕らわれずに、いいと思うようにやってみればいいじゃないか、という意見があるのも、よーく分かるんですけど、ぼくは、そうは思えないんですよね。

たとえば、「子供の落書き」
これは、写実的で、学校で習うルールを踏まえていない絵を「けなす」言葉です。そうではなく、囚われのない自由の発露である、という意味の褒め言葉、という解釈もありましょう。
ですが、ぼくにとっては、どこまでいっても、「子供の落書き」はマイナスの言葉です。デッサンを1000枚描いてから、出直してきなさい、って思ってしまいます。自分が、絵の先生でも何でもないのに。
現代芸術についてコメントを求められ、これを「下手」というのが「品がない」「理解がない」「素養がない」のだと、後天的な知識として理解しているので、「ノーコメントでお願いします」と答えるのです。

ぼくは、囚われまくってます。それを楽しんじゃってます。

雑巾がけをして、手のひらから出血をくり返してから、はじめて独創性を獲得できる(かも知れない)。
そういう「基礎訓練」「反復練習」なくして、なにか意味があるものを書こうとしたら……、中途半端な剽窃か、そうでなくても、その学問の分野への冒涜みたいなものしか、出てこないと思うんです。

年齢のせいか?環境のせいか?
でも、まじ必要だと思っちゃうんですよね、雑巾がけ。

社会人1年目のとき、営業マンをやったんですけど(11ヶ月でリタイアした)、ガムテープで手と受話器をしばりつけ、連続で200件の電話をかけました。飛び込み営業を終日やり、スーツのズボンは裂けたし(デブが原因ではない)、革靴が何個もぶっ壊れたし、カバン豆が手にできました。上司の手も、営業カバンでゴツゴツでした。
経理職としては、数千件のデータを、1件ずつ目でチェックしたり、仕訳などの数十時間の耐久データ入力をしました。それが、今日の自分を形作っていると思います。

あれ??ぼく、老害??

少なくとも、自分がどこを雑巾で磨いているのか、把握するぐらいの高い視点だけは、意識しようと思いますが、とりあえず、埋没します。あー、ダメなのかなあ、これ。老害なのかなあ……。

追記:いま、ホテルに泊まって、ノートパソコンしか使えず、大量の蔵書をタイムリーに参照できません。通常の作業を中断して、言われたことを振り返り、このnoteを書いたりしているので、雑巾がけをお休みしているに等しい。でも、「あー早く家に帰って、雑巾がけの続きがしたい」って思っちゃってます。
とらわれておる。悟るのじゃ……。

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