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心を込めた「どうぞ、ごゆっくり」を ウィズ・コロナ時代に選ばれるお店へ:~新型コロナに付き合うために~

先日、2つほど先の駅のイタリア料理店に行った

前は何度か通ったけど、店に入るのは初めて。
新型コロナ対策、どうなんだろう。
ちょっと不安だったが、不幸にもそれが的中してしまった。

店員は誰もマスクをしていない。
そして、私たちよりも少し遅れて入ってきた数人のお客が、大声で騒ぎだした。
さらに、その話の輪に入っていく店主夫婦。
早々に、退散した。たぶん、もう1度行くことはないだろう。

外出を控え、外食を絞り込んでいる、飲食店を選ぶ目も厳しくなっている中で、新型コロナ対策が、お店を選ぶ、あるいは、選ばない理由として大きくなっている。
では、選ばれるお店とはどういうものだろうか。
以前、noteで投稿したが、改めて、考えた。
 https://note.com/hiroro1961/n/ne4e114abd890

1.店側の考えがしっかりしている
 一つは、店側の考え方がしっかりしていることだろう。例えば、行政や業界が作ったマニュアルに従うことは当然ではあるが、それを超える店側のしっかりとした考え方が必要だ。さらに、それを明確に示してくれることが重要である。主体的に取り組んでいる姿やお客様を守りたいという熱い思いが、安心を生む原動力となり、通い続けることができる。
 例えば、こんな感じだろうか。

◆予約のみに限定:“ただ今、〇組限定で予約のお客様のみを承っています”→「経営が苦しくなるけど、今は客数を減らして、時間を調整して、密を避けてくれているんだ。また、お店の考えに賛同しない、初めての人は少なそう」という安心感

◆設備で勝負:“約2分30秒で客席全体の空気が入れ替わります(焼肉ライク)”→「なるほど、焼き肉店は密閉されていなんだな。密接の基準の15分よりもかなり短いな」という納得感
    https://yakiniku-like.com/2020/08/13/torikumi/

◆蜜を長時間避ける工夫:“おひとり様歓迎。30分、ちょい飲みコースをご用意してお待ちしています”→「短い滞在時間のコースもあるんだ。30分でさっと帰れば、ウイルスに曝されるリスクはそれほど多くなさそう。もともと、黙って日本酒を楽しむ一人客が多い店だったな。ちょっと、一息つこうかな」

2.考えがうまく伝わっている
 明確な信念さえあれば、良いというものでもない。それをしっかり伝わらなかったら、残念な結果となる。
 外食の機会が減る中で店を選ぶ時に、ありがたいと思えるのは、以下のような情報提供 の仕方だ。

◆具体的に:先の焼き肉屋の例もそうだが、数字や方策、手順などが具体的に示されていること。『従業員とお客さんの接触を減らします』だけではなく、『注文はタッチパネルで、支払いはスマホでお席にて』など、具体的なイメージができる説明があれば、安心して行ける。

◆さりげなく、でも分かりやすく:『店内では消毒を徹底しています』だけでなく、 “3番テーブル消毒とクロスの張替え完了”と元気な声で店長に報告→客ごとのテーブルの消毒を徹底が、店長への報告だけではなく、お客さんに、伝わる。かつ、活気あるお店の1シーンとして、コロナで沈んだ気持ちに、元気を与えてくれる。グルメサイトに書き込んで、他のお客さんに役立つ情報をUPしようという気になる。


お店に来る前に対策が分かる:WEBサイト、SNSなどでオーナーや店長の考え方をしっかり伝えるページがある。また、予約を受ける際の考え方(組数を絞る、時間を分散する、オフピークには食後のデザートを付けるなどサービスアップ等)、テーブルの配置や間隔の確認するために店の配置図等、基本的な防護策等が、事前にわかるような発信がされている。予約をする前に、これらのことが分かるお店は、信頼ができる。

3.家ではできない体験を提供する
 オーナーや店長がお客様の日常とお店での過ごし方をイメージし、日々の暮らしの中で、仕事の中で、このコロナの時代に、どんなことを我慢し、どんなことを求めてお店に来るのか、それにあったコロナの対策を講じる。高級店では、雰囲気を壊さずに、大衆店では元気が出るような方法を行う。それには、お客さんが店に来る時だけでなく、お店に来ない時間にも心を配ることが重要だ。
 例えば、医療従事者の方が雰囲気のある1日1組限定のフレンチレストランを予約してお店に来たとしよう。日々の激務に追われ、ようやく取れた休みなのに、入り口でフェイスマスクの店員に業務用の消毒スプレーをかけてこられたら、仕事を思い出すかもしれない。例えば、消毒液に入った白磁のボウルで手を洗ってもらい、清潔な今治タオルで手を拭いてもらう、そんな対応ができれば、日常とは違う空間で、感染防止とくつろいだ時間を過ごすことができる。
 
4.小さな工夫が伝わる
 以前は、お店の人のマスクは、あまり歓迎されていなかったが、今では感染防止に必須だ。本当は素敵な笑顔でお客さんを迎えたいのだが、その笑顔はほとんど隠れてしまう。例えば、千葉県のホテルでは、マスクで見えない素敵な笑顔を写真にして胸章に張っているという。
 https://chiba.keizai.biz/headline/652/

 あるいは、お客さんとの接触をできるだけ絞る中で、限られた接客のタイミングの中で、最大限のホスピタリティを示す工夫。はっきり、短く、気持ちを込めて言う「どうぞ、ごゆっくり」。今までは、何気なく言っていた言葉を、もう一度、お客さんの気持ちになって、心を込めて言うようにする。そんなお店側の努力が、夫や子供の巣篭りで疲れた“お母さん”の心を癒してくれるはずだ。
 こんな小さいけど、一生懸命は努力を続けているお店には、誰もが足を運びたいと思うはずだ。


アフターコロナの時代、なんとなく、飲みに行く、食べに行く、そんな機会は減っていくだろう。少なくともしばらくは、戻らない。リモートワークが増えていく中で、会社帰りに流れで、という機会も減る。
だからこそ、そのお店に行く、明確な理由が必要となる。味、雰囲気、家では味わえない体験。そして、明確で賛同できるコロナ対策と気配り。
急いで、たくさん稼いで、効率的に生きていく私たちに、コロナが与えてくれた、考える意味と時間と機会。新しい飲食業に変われるか、時代の淘汰の波にさらわれるか。お店とお客さんでしっかり作っていくコミュニティ、それが新しい飲食店かもしれない。

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