意思力の仕組みを暴く!
ノーベル賞も受賞された、ダニエル・カーネマン氏の著書
ファスト&スロー あなたの意志はどのように決まるか? 上巻
第1部 2つのシステム 第1章 登場するキャラクター
の要約になります。
巷に、集中力を高める方法を書いた本が出回ってますが、それらとはまた違った視点で、人がどういった時に集中しそれがどのように行われるのかも、この章では書いてくれています。
A 二つの思考モード
人には、システム1、システム2という二つの思考モードがある。
システム1 自動的に高速に働き、努力はまったく不要か、必要であってもわずかである。自分の方からコントロールしている自覚なし。
例として
「大きな看板に書かれた言葉を読む」「空いた道路で車を運転する」
「2×2の計算」等が挙げられる。
システム2 複雑な計算など頭を使わなければできない困難な知的労働に注意を割りあてる。代理・選択・集中などの主観的経験と関連付けられることが多い。
例として
「歩くスピードをいつもより早いペースに保つ」「複雑な論旨の妥当性を確認する」「17×24の計算」等が挙げられる。
システム2の仕事の1つは衝動を抑えること、つまりセルフコントロールを任務にしている。
B 2つのシステムの相互作用
・通常時
システム1とシステム2は目覚めているときは常にオンになっている。
システム1は自動的に働き、システム2は努力を低レベルに抑えた快適モードで作動している。
システム1は印象・直感・意思・感触を絶えず生み出しては、システム2に供給をする。
システム2がゴーサインを出せば、印象や直感は確信に変わり、衝動は意志的な行動に変わる。
・通常と違う時
システム1が困難な状況や普段と違う状況等、注意力を要する場面に直面すると、システム2が応援に出される。
例えば、「怒っている時に礼儀正しく振る舞おうとしたり」、「夜の運転中に、危なそうなことに警告を発する」といったことが挙げられる。
このようにシステム1とシステム2で役割を分担している。
しかし、システム1には2つの欠陥がある。
1つは、本来の質問を易しい質問に置き換えて答えようとする癖、バイアス(ある特定の状況で決まっておきる系統的エラー)があるということ。
2つ目は、スイッチオフできないこと。(例えとして、自分の国に言葉が画面に出てきたら、読まずにはいられない)
一番下に、システム1とシステム2の働きがどんなものかを見るためのテストを用意しておきました。
C システム1の間違いを正せるのか
人は、見た目の錯視(例えば、有名なミュラー・リヤー錯視がある。一番下に図を載せておきました)や、認知の錯視をしてしまう。
これらの錯覚は、残念ながら克服することは難しい。
なぜなら、システム1は自動運転していてスイッチを切ることができないため、直感的思考のエラーを防ぐのは難しいからだ。
システム2もエラーの兆候を察知できないことも多々あるので、バイアスを錯視を常に回避できるとは限らない。
対処法は、妥協することしかない。
できることは、失敗しやすい状況を見分ける方法を学習し、懸かっているものが大きいときには、重大な失敗を防ぐ努力をするぐらいである。
今回は以上になります!
詳しく知りたい部分や間違っている所があれば、コメントください。
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システム1とシステム2の相互作用を見るためののテスト
左 太い
左 細い
右 細い
右 太い
右 太い
左 細い
左 細い
右 太い
①単語を左→右の順で上からたどりながら、それぞれの単語が太字か細字かを声に出して読んでいく。
②次に、同じ順序でそれぞれの単語が真ん中より左か右かを声に出して読んでいく
書かれている文字と違う言葉を発しないといけない時は、少し答えに詰まってしまうか考えてしまう時がある。
ミュラー・リヤー錯視
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横棒の長さは同じなのに、左の方が長く見えてしまうという、有名なやつです。
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