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組織につぶされるとき、ものごとはふたつの側面から眺めよう。そうすれば平和は訪れる。

ひろ健作です。

あなたは組織の分厚い壁を感じたことはないだろうか。

組織の方針に疑問を持ち、NOと言う。ところが上の方針に盾突く気かと諭され、自分の意見を押しとどめる。

白日の下にさらされれば明らかにおかしい。なのになぜ、問題とならないのか。

自分だけが異を唱え、組織でひとり浮いてしまう。みんなから白い目で見られ、自分の居場所がなくなっていく。

ぜったいにおかしい。間違っている。あなたは正義の拳をふりかざす。

しかしそれが元で組織を追いやられかねない事態となってしまう。

いまのロシア・ウクライナ問題も、眞子さまの結婚問題も、森友学園問題も、カルロス・ゴーンの報酬隠し問題も、日大アメフト問題もすべて本質は一緒だ。

ロシア、皇室、財務省(国)・NHK、グローバル企業日産、日大という巨大組織に盾突くものは、必ずバッシングの対象となり、攻撃を受ける。

ロシアのウクライナ侵攻を例に挙げよう。市民を巻き込む侵攻は被害を甚大にし、ぜったいに許されることではない。たしかにそれは正しい。どう間違って見ようともロシア側に非があるのは明らかだ。

圧倒的戦力を糧に、小国ウクライナを相手に大国ロシアが攻撃をし続ける。「ぜったいに戦いを止めない。我々は負けを認めない。死ぬまで祖国を守る」という世界から絶賛される英雄、ゼレンスキー大統領。

コメディアン出身というユニークな経歴を持つ彼は、ドラマで演じるままに、本当に大統領の座まで上り詰めた。

戦場から逃げることをせず、現地からダイレクトにリポートする様は世界の支持を集めることに成功した。

だが。

正義が必ずしも正しいとは限らない。バットマンで言えば、ジョーカーにはジョーカーなりの正義があるからだ。

1990年以降ロシアは、ソ連邦解体に伴い、西側NATO諸国の仲間入りとなって行く東欧諸国を尻目に、危機感を募らせていた。

欧米と約束していた「これ以上NATO入りを容認し、ロシアを脅威にさらさないこと」を反故にされ、怒りの火は水面下でくすぶっていた。

それがロシア周辺にまで及び、核配備され、矛先が自国へと向けられるようになってきたことに警戒を強めた。

そんなときだった。ウクライナ内でロシア派と欧米派が衝突した。欧米を後ろ盾とするゼレンスキーは禁じ手とされるNATO入りすることを表明した。これがプーチンの堪忍袋の緒に火を付けた。

それだけは絶対に許されない。日ごろ、冷静沈着さを標榜するプーチンが内心怒りに燃えたことは想像に難くない。

さらにゼレンスキーはウクライナ内で停戦合意していたミンスク合意を破棄、武装派がドローンを使って親ロシア地域を攻撃するのを容認した。

自国のことは自国が統治する。主権は在民にある。他国の干渉は許さないというのが彼の論理だ。

しかしその一方で、西側諸国を後ろ盾とした脅威をもたらし、無意識のうちにプーチンを挑発してしまっていることに彼は気づいていない。

もちろんウクライナ内でいまの惨状は明らかにロシアが悪い。引き金を引いたのはロシアだ。

しかしロシアは一部の地域を除いてほかの国には引いてはいない。そう考えると、ウクライナという国の特殊性が観えてくる。

じつはここにきてゼレンスキーがイスラエルにて和平のテーブルに着こうとしはじめたのにも理由がある。

彼は、欧米の後ろ盾をもらったにもかかわらず、肝心なところで助けてくれない欧米(特に米国)に、気づきはじめたのだ。

ロシアだけが敵だと思っていたが、欧米が全面的に味方とは言えなかった。

これまで一年をかけ、妻と夫婦関係の本「離婚回避のトリセツ~夫婦円満の秘けつ」を執筆してきた。そこでわかったことは、どちらか一方が全面的に悪いということはないということ。

攻撃をされた際、悪いのは攻撃をしかけたほうだとふつうは考える。しかし自分が置かれた立場を考えず、不用意な発言をし、相手の一番気にしている部分を無意識のうちに踏んだために、責められたケースが少なくない。

夫婦間のもめごとは、ある意味戦争に似ている。組織や大国につぶされるときというのは、何か、気づかないうちに相手の地雷を踏んでしまっている。

もしそうであるなら、戦争を止めさせることもむずかしくはない。相手が何に怒っているのか、何を脅威だと感じているのかに想いを馳せることができれば、たとえ小国であっても大国を動かすことができる。欧米諸国を使って経済制裁をし、逆にますます攻撃を強めてしまわなくてもよくなる。

戦争というのは大義をまっとうすることであり、相手の大義名分を理解し、おもんばかれば、和平も、離婚回避も、戦争回避も、不可能ではない。

いまのままでは西側諸国連合の打倒プーチンの論理に引きずられて、世界戦争になり兼ねない勢いがあるだけに、敵国にも一分の理があると認めて、賢く立ち回りたい。

一番の犠牲となるのは、市民であり、最前線で戦う兵士たちなのだから。

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