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映像で学ぶときに気をつけたいこと

 「学ぶ」は「真似ぶ」でありまして、スポーツが上手くなりたい時に上手い人のやり方を真似るというのは手取り早く、効果的なことです。
 とは言え誰もが有名なコーチに教われる訳ではないですし、一流選手がたまたま同じ町内にいたなんて幸運もなかなかありません。(いても一緒に練習できるわけじゃないし・・・)

 でも大丈夫。

 インターネットのおかげで、上手い選手の映像は数秒で手に入れることができるようになりました。小さい頃は雑誌の写真を眺めたり、テレビでたまたま映ってたり、それはもう、、、なんて苦労話はさておき、競技会の映像もトレーニングの映像も山のようにありますし、ことによれば選手自ら解説してくれたりもしています。

 上手い選手の映像を見てイメージを作ったり動きを真似るのは、競技の成長段階が10あるとしたら3とか4くらいは上げてくれるくらい効果的です。晩御飯のたびにビデオを流しているなんて選手もいて、そうした取り組みは確かに効果のあることです。僕もよく観ています。

この時に気をつけたいことが3つあります。

① 自分と近い条件の選手を見ること
② 映像の中の選手の心までは見えていない
③ 映像の視点は撮影者の視点である

① 自分と近い条件の選手を見ること

 自分のパフォーマンスに活かすためという前提ですが、いくらその競技のトップの選手だからと言って体格や戦略が大きく異なる選手はあまり参考になりません。身長160cmの選手には160cmに合った戦い方があり、2mの選手の戦い方よりも身長の低い選手がどう戦っているかを見る方が効果的です。競技によっては体格がそのまま戦略に直結する場合もあります。舞の海と小錦の戦い方が違うように、ブレイブブロッサムズとオールブラックスの戦い方が違うように、条件が戦い方を決めていきます。

② 映像の中の選手の心までは見えていない

 フォームが重要となる競技では特にとかく映像に凝りたくなるものです。
 「あの選手はこういう脚の動き」
 「この選手は腕の振りはこんな感じ」
すぐ真似してみたくなります。でももしかしたらその選手自身は
 「この動きは上手くできてないな」
と思っているかもしれません。
本当はもっと良い動きができるけど、たまたま調子の悪い時の映像かもしれません。
 また、その選手が意図した通りの動作になっていないことも考えられます。例えば映像の中でトップ選手が膝の前方に足を置いていても、心の中では「足を置く位置は膝の真下にしよう」と思っているかもしれません。その映像だけを観て「膝の前方に置くのが良い動作なのか!」と意識してやってしまったら、膝の前方よりさらに前方に置くことになります。

③ 映像の視点は撮影者の視点である

 誰か撮影する人がいるから映像が残っているわけですが、映像の画角は撮影者の好みです。自分が知るべき、あるいは動作の大事なポイントが画角に入っていないことも考えられます。ネット上の映像ではそれを見逃しているかもしれません。もし大会が近くで開かれていたりしたら「放映があるからいいや」などと思わずにぜひ自分の目で観に行ってください。そしてあわよくば、選手自身に動作の意味や理由を確認してみましょう。
 動作トレーニングには動作とセットで「なぜそうするのか?」が車の両輪のように大事です。


 映像を見て行うトレーニングは効果的ですが、限界もあることを意識しておきましょう。それでもイメージ作りは大きな成長につながるので、恵まれたこの時代、映像をフル活用して競技力アップにつなげていきましょう!




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インラインスケート日本代表の戸取です。(スピード競技/2007〜現在)。東京ドームのローラースケート施設で働きながら世界中のレースを回っています。国内外で見つけたこと、身に付けたこと、トレーニング方法などを書いていきます。

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