受験国語 故事成語2
中国の昔から伝わった話(故事)が、日本にも定着しました。受験では、選択式で意味と結びつける、長文の空欄を埋める形式などが出ます。また、故事成語が分からないと、長文を読み進めるのに不利となる場合もあります。
1玉石混淆(交) ぎょくせきこんこう
良いものと悪いものが、混じり合う事。
玉は貴重な美しい宝石の事。石はその辺に落ちている石ころのこと。それらが区別がつかないくらい混じり合っていること。
2 白眼 はくがん
白目がちに見ること。
黒目(瞳ひとみ)より、白目が多くなる感情であることに注意。もともとは、見かけだけ立派で信用できない人を見下し、冷たい感情で見る意味だった。しかし、八白眼(8割が白目)のように、うらみ・憎しみなどの心情表現にもなる。
3 九牛の一毛 きゅうぎゅうのいちもう
多数の中の小さい事
九頭の牛に何本毛が生えていますか。その中の一本ですから、相当どうでもよい小さなことですね。
4 臥薪嘗胆 がしんしょうたん
復讐(ふくしゅう)を忘れずに努力を続けること。
臥は寝る事。薪は木のまきのこと。嘗はなめること。胆は動物の内臓の事。中国の武将が「負けた恨みを晴らすまでは、毎晩薪の上に寝て苦い内臓をなめ、恨みを忘れないようにした」という話からきている。
5呉越同舟 ごえつどうしゅう
敵と味方が協力すること。
呉と越は、敵同士の国だったが、同じ舟に乗った。そこで戦ったら船が沈んでしまう。協力せざるを得ない。そんな状態。
6 四面楚歌 しめんそか
四方がすべて敵。絶体絶命。
楚と漢が戦った時、楚の項羽(こうう)が、垓下(がいか)という場所にたてこもりました。
漢の高祖(こうそ)は、これ以上死傷者をださないように、計略を考えつきます。立てこもっている楚の四方を囲んで、楚の歌を大声で歌ったのです。これは、20年も戦争で故郷に帰れないでいた兵士や項羽にとって、大変な精神的ダメージでした。楚の兵士たちは、里心から次々に脱落し、項羽も「これまで」と思い、自害しました。
7 切磋琢磨 せっさたくま
切は切ること。磋は象牙をみがくこと、琢は宝石をみがくこと、磨は石をみがくこと。互いに向上すること。自分一人で切磋琢磨することにも使う。
8 蛍雪の功 けいせつのこう
夏は蛍(ホタル)の光で勉強し、冬は雪が月の光で明るくなるのを利用して、苦労して勉強し、成功をおさめること。
9 雲泥の差 うんでいのさ
雲は高いところにあり美しい。泥(どろ)は足の下にあってきたない。違いが大きいことを言う。
10 牛耳を執る ぎゅうじをとる
大きくなかなか思うようにならない牛も、耳をつかむと進む方向を決められる。このように中心人物となり組織を思うがままに支配することを言う。
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