受験国語 古文2 小野篁廣才事(宇治拾遺物語)
宇治拾遺物語→説話集→鎌倉時代前期
(今昔物語→説話集→平安時代=上とかぶる内容もある→芥川龍之介の鼻など)説話集は、短編が多く内容がおもしろい上に、教訓もあり、受験に取り上げられることが多い。
😀歴史的かなづかいが、現代のかなづかいに直せるか。
はひふへほ→わいうえお
😀会話部分に「 」をつけられるか。
😀主語が分かるか。(主語の省略が多い。敬語で誰が話しているか分かる)
😀言葉の意味が分かるか。
🧡題→小野篁廣才事
小野篁(おののたかむら)廣(広)才事(こうさいじ/こうさいのこと)→小野篁という人が広く才能がある話。
今は昔、小野篁という人、おは(わ)しけり。さがの帝の(みかど/嵯峨天皇の)御時(おんとき/時代)に、内裏(だいり/宮中)にふだ(札)を立てりけるに、無悪善とか(書)きたり。帝たかむらに、「よ(読)め」と、おほ(お)せられたりければ(おっしゃったので)(中略)「さが(性と嵯峨)なくてよからんと申(もうし)て候(そうろう)ぞ、されば君をのろいまいらせて候なり」と申(し)ければ、(中略/帝が怒る) 御門(みかど)「さてなにもかきたらんものはよみてんや」とおほ(お)せられ、(中略) かた暇名(かな)のねもじを十二か(書)かせ給(たまい)て、「よ(読)め」とおほ(お)せられければ、「ねこの子のこねこ、ししの子のこじし」とよみたりければ、ことなくてやみにけり。
😀おは(わ)しけり
いらっしゃいました。「おはす」→尊敬語。けり→過去継続助動詞
😀無悪善
平安の頃から流行りだした「落書/らくしょ」。言いにくい政治批判などをほのめかせて書いた。
😀おほ(お)せられたり
おっしゃった。おほ(お)せ→言うの尊敬語。たり→完了助動詞
😀「さが(性/嵯峨)なくてよからんと申(もうし)て候ぞ、
二通りの意味がある。
性(さが)→人間の性(質)をここでは悪としている。漢文読みすると「悪い性質は無いのが善い」となる。
さが=嵯峨天皇とすると「嵯峨天皇は無い方が善い」となる。
候(そうろう)ぞ→謙譲語→と申しておりますぞ
嵯峨天皇の代は、干ばつ・不作が続き、後継ぎ争いもあり、批判的な者もいた。
😀されば君をのろひまいらせて候なり」
「そうですから(天皇でいらっしゃる)あなた様を、呪い申しあげております」
😀御門(みかど)→天皇陛下をお名前でお呼びするのは失礼なので、御所(ごしょ/皇居)前の門を呼び名とした。
😀「さてなにもかきたらんものはよみてんや」とおほ(お)せられ、(中略) かた暇名(かな)のねもじを十二か(書)かせ給(たまい)て、「よ(読)め」とおほ(お)せられければ、「ねこの子のこねこ、ししの子のこじし」とよみたりければ、ことなくてやみにけり。
「そうならば何でも書いてあるものは、読めるのだろうな」とおっしゃって、カタカナの「子」の字を12字お書きになって「読め」とおっしゃったので「ねこの子のこねこ、ししの子のこじし/猫の子の子猫、獅子の子の子獅子」と読んだので、大事にならずに終わった。
「子」→十二支で「ね」と読む・子弟の「し」と読む・「こ」とも読む
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