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介護・看護職にとって死活的な腰痛予防について

いままで働いてきて、多くの介護職が腰痛に苦しんているのを目にしてきた。ひどい場合は、腰痛で入院して手術を受けたというはなしも聞いた。この問題は、介護現場にとって、あるいは病棟の看護師にとっても、誰ひとりとして他人事ではないだろう。

その原因は、とにかく仕事で“かがむ”動作が多いことが大きいだろう。ベッドサイドでは、おむつを交換するのに“かがむ”必要があるし、車椅子⇔ベッド間の移乗の際にも、介助のために“かがむ”必要がある。こういった動作の数々が、積み重なっていくとしだいに腰に大きな負担になるからだろう。
 それじゃあ、このいわば職業病ともいえる症状に対して、施設や病院はなにか対策を取っているのかというと、たいていはまったく何もしていないようである。職員の健康管理に対して配慮が足りないし、それはそれで問題だと思っている。

一方で、この腰痛は個人の努力で予防することは可能だと思っている。それは、定期的に“ブリッジ”運動をすることである。たぶん、子供の頃に体育の授業で誰もが一度はやらされた覚えがあるだろう。
 囚人アスリートで自重運動の専門家であるポール・ウェイドは、著書の「プリズナートレーニング」において、ブリッジの重要性、それがいかに腰痛の予防にとって有効であるかを力説していた。ゆがんだ脊柱の配列を矯正し、脊柱起立筋の筋力と柔軟性を高めるのだという。

やり方はかんたんだが、筋力の弱い人、身体の硬い人が急にやろうとするとかえって腰背部を痛める危険もある。はじめのうちはとくに、無理のない範囲でやること。とくに、すでに腰背部を痛めてしまっている人は、整形外科医と相談の上でやったほうがいいでしょう。
❶まず、仰向けの状態で寝転がり、両膝を立て、両手で床面につける。
❷その状態から、両手と両足で床面を押して、身体を持ち上げ、背中がアーチを描くようなポーズをとる。
❸アーチ状のまま数秒間静止して呼吸をととのえ、それからゆっくり背中を床に下ろしていく。この動作を、数回繰り返す。

ブリッジをやると、胸郭が拡張されて呼吸もしやすくなることが分かる。仕事終わりや寝る前とかに、日々の習慣として、ぜひ取り入れてみるのがいいと思っています。


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