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気ばたらきのできる人

今日のおすすめの一冊は、池波正太郎氏の『おもしろくて、ありがたい』(PHP文庫)です。ブログの題名も「おもしろくて、ありがたい」と題して書きました。

本書の中に「気ばたらきのできる人」という心に響く一文がありました。

お茶を飲んだり昼飯を一人で食べたりするときに、店の人が自分の言動や態度をどう見るか、隣り合わせた人が自分をどう見るか、必ず何らかの反応が相手に表れるから、それを絶えず感じ取る、その訓練が勘をよくするし、気ばたらきをよくするんだよ。 

結局、気ばたらきというのは「相手の立場に立って自分を見つめること」です。 《新 私の歳月/講談社文庫》 

今の男は気がまわらなすぎるんだよ。 あまりにも現代の男は気がまわらなくなっている。 第一、男が気をまわすのは恥みたいなことになってきている、今の世の中では。 

これは実に食いもののことでも…そうだろう。 逆なんだよ。 男のくせに台所へ入るなどいやしいなんて、かえっていやしいんだよ。 食いもののことなんて男は口にすべきじゃないなんて、裏返しなんだ。 そういう奴に限って、むろん例外はあるけれど、男として大したものじゃないことが多いんだよ。 《男の系譜/新潮文庫》 

松下幸之助氏は、こう語る。 「かゆいところに手が届く。それが接客の基本であり、すべての立場に立って満足してもらうように考えるのでなければ、人をお呼びする資格はない」 

そして、お客様を招待するときには、事前に庭の下見や、座布団の配置、自分のお迎えする立ち位置、お土産の吟味や、料理の内容など、細部にわたりチェックしたそうだ。 気ばたらきをよくする方法は、「相手の立場に立って自分を見つめること」。 

もし、一国の宰相なら、些細な言動や行動で、マスコミから叩かれる。 だから、どんなときも、自分の行動は周りからしっかりと見られていると覚悟し、公人になったつもりで行動する。 そうすれば、日ごろの所作に、気の緩みがなくなる。 

食堂やお店で、お金を払っているから自分は客、とばかり傍若無人に振る舞う人には、相手の立場に立って自分を見つめる能力が欠如している。 気ばたらきのできる人でありたい。

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