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自転車をこぎ続ける

今日のおすすめの一冊は、今北純一(いまきた)氏の『自分力を高める』(岩波ジュニア新書)です。その中から題名と同じ「自分力を高める」としてブログを書きました。

本書の中に「自転車をこぎ続ける」という興味深い文章がありました。

私は、成長というものには二通りの道筋があると思っています。 一つは、日々の勉強や仕事を続ける中で、徐々に能力が上がっていくことです。連続的にレベルが上がっていくゆるやかな曲線のイメージで、乗り物にたとえれば、自転車で長い距離を走るようなものです。 

自転車といえば、アインシュタインが興味深い言葉を残しています。 「人生とは自転車に乗るようなものだ。倒れずにバランスをとろうと思ったら、こぎ続けなければならない」 

実際にアインシュタインは、よく自転車をこいでいたそうです。そしてある夜、走っている自転車と止まっている自転車の発している光が同じスピードだということに気付いて、相対性理論を思いついた、というエピソードもあります。 

このエピソードが本当かどうかはわかりませんが、とてもいい話だと思いますし、私の人生観にもぴったりです。 私は自分の人生において、とにかく自転車をこぎ続けていきたい。暗闇の中を走るような心細さを感じても、しっかりとペダルを踏み込み、ヘッドライトの明かりを照らして、新しい発見を続けていきたいという成長願望を持っています。 

もう一つの成長の道筋は、何か本質的な変化が起こることによって、一気に能力のステージが上がってしまうもので、比喩的に「量子的跳躍 (quantum leap = クオンタム・リープ)」 と呼ばれます。

量子的跳躍というのは物理現象の一つで、量子が一瞬にしてその状態を変えることです。これを人生という過程にあてはめれば「非連続的な躍進」ということになるでしょう。

たとえば、はじめて泳げるようになった時のことを思い出してください。最初からすいすい泳げた人は、それほど多くはいないと思います。手足をばたつかせて沈みそうになり、水を飲んだりアップアップしながら、なかなか泳げるようにならない。

「自分はカナヅチなのかな」と自信をなくしはじめたある日、ふと気が付くと、ごく自然に体が浮いて苦もなく泳いでいた、という経験を持っているのは、私一人ではないでしょう。

◆田中真澄氏はこんなエピソードを紹介している。

「あるとき、豊臣秀吉は曽呂利新左エ門の功績をたたえ、何でもほしいものをやろうと言った。すると、新左エ門は、今日は1銭(米1粒という話もある)、翌日には倍の2銭、その翌日には更に倍の4銭と、毎日倍のお金を100日間もらうことを希望した。

それくらいならたいしたことはないと秀吉は簡単に承諾したが、数日後にもう一度計算してみると、100日後には大変な金額になることがわかり、頭を下げて褒美を変えてもらったという」

1銭を今の1円として計算すると、1ヶ月後にはなんと10億円を超える。これを成長曲線(成功曲線)という。最初のうちはまったく変化のない一本の線だが、あるときから爆発的に右肩上がりに急上昇する。努力もこれと同じで、ある日突然、成果があらわれる

倦まずたゆまず、日々休まず、コツコツと努力することは、あるとき、とんでもない飛躍的な変化をもたらす。量子的飛躍(クオンタム・リープ)だ。

 「人生とは自転車に乗るようなものだ。倒れずにバランスをとろうと思ったら、こぎ続けなければならない」という言葉を胸に刻みたい。

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