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アメリカ大統領選挙の話

今日のおすすめの一冊は、野澤幸司氏の『10分あったら、どう考える?』(大和出版)です。この中から「要するにどういうこと?」という題でブログを書きました。
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今、アメリカでは大統領選のまっただ中です。そんな中、川上徹也氏のこんな話を思い出しました。

不利な立場に立たされた時こそ、「一言力(ひとことりょく)」が モノをいいます。 1984年のアメリカ大統領選挙は、2期目を目指す共和党のロナ ルド・レーガン大統領に民主党のウォルター・モンデール候補が挑 む戦いでした。 当時、レーガンは既に73歳。 対するモンデールは56歳。 マスコミ報道や世論調査でもレーガンの高齢を問題にしました。
キューバ危機の時、故ケネディ大統領が何日も徹夜で問題解決にあ たったことを例にあげ「 既に最高齢大統領のあなたにその体力はあるのか?」と質問したの です。 レーガンにとっては一番触れられたくない弱点で、嫌な質問です。 しかし彼はすました表情のまま、短い言葉でその立場を逆転しまし た。 それは以下のようなものです。
「わかってほしいのは、私がこの選挙で年齢問題を争点に取り上げ るつもりはないということです。 したがって対立候補(モンデール)の若さや経験不足を争点にして 取り上げようとは考えていません」
この抜群の切り返しに会場は爆笑につつまれます。 質問にたった司会者も、対立候補のモンデールさえもが思わず笑っ てしまったくらいです。 その結果、レーガンの年齢問題は不問にされ、選挙ではレーガンが 圧勝しました。 のちにレーガンは「私はこの14語のセリフによって大統領当選を 確実にした」と回想しています。 これは一言力の中でも「短答力」と言える能力です。(一言力 /幻冬舎新書)より

「一言(ひとこと)力」は、「要するに〇〇」という要約力と同じです。「寸鉄(すんてつ)人を刺す」などと言いますが、短い言葉で、相手の急所や、要点をつくということです。安岡正篤師は、それを「挨拶」と言っています。

挨拶(あいさつ)とはどういう意味かと申しますと、挨も拶も、 直接の意味はぴったりとぶつかる、すれ合うということで、 従って物を言うのに、相手の痛いところ、痒(かゆ) いところへぴったりと当たる、これが挨拶であります

挨拶は、「一挨一拶(いちあいいっさつ)」という禅語からきているそうです。挨は「押し開く、近づく」という意味で、拶は「迫る」ということです。本来は、師が弟子の成長度合いを知り、その人物の修養の深さをはかるという、真剣勝負のぶつかり合いをさします。つまり、その時の応対によってその人物をはかるということです。それを「応対辞令」といいますが、たった一言で、その人物の深浅がはかられてしまうわけです。

挨拶も、一言力も、要約力も、編集力も、要するに、短い言葉で相手に迫ることです。たったひと言で、大統領選もひっくり返してしまう力がある… 相手に伝わる「短い言葉」を磨きたいと思います。

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