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人生を通じて学び続けられるスキル

今日のおすすめの一冊は、エスター・ウォジスキー氏の『TRICK ゴッドマザーによる世界一の教育法』(文藝春秋)です。その中から「これからの社会を幸せに生き抜く教育法」という題でブログに書きました。

本書の中に「人生を通じて学び続けられるスキル」という文章がありました。アメリカも日本と同じなんだと、妙に納得しました。

学校もみずからの役目を果たせていない。小学校から大学まで、20世紀型の教育が今も繰り返 され、もはや存在しない世界に合わせて指示待ちする学生を作りだしている。 講義形式の授業では、教師がすべてを知っているという前提のもとに、生徒は黙って先生の話を聞き、ノートを取り、テストを受ければいいとされている。
世界のどこでも、いまだにこの形式の授業が圧倒的に多い。 でも、今のテクノロジーを使えば、情報は自分で即座に手に入れられる。携帯電話という図書館がポケットの中にあるからだ。 生徒は学校で必修科目の情報を詰めこまれるが、興味や体験を通した本物の学びを得ていない。
学校のカリキュラムは統一テストや評価でいい点を取ることを目標に組まれていて、現実社会で必要なスキルや生徒自身が情熱を見つけられるようなプロジェクトを通した学びの機会はない。 テストや試験では、情熱や積極性は育まれない。だが、情熱と積極性こそ実りある教育と幸せな人生の土台になるということは、研究でも証明されている。
しかも、時代遅れの今の教育システムは、何にでも従う従順な生徒しか生みださない。学校では、イノベーションをおこすことも、自分の頭で考えることも教えてくれない。 だから学校を出たら、もう勉強しなくていいと喜ぶ若者も多い。本来なら、学校を卒業してからも、人生を通して自分で学び続けられるスキルを身につけるべきなのに。
今の教育と子育てのあり方を見ていると、子どもたちが落ちこんで不安を抱え、人生につきものの困難な出来事を乗り越える備えができないのは、無理もないと思ってしまう。 アメリカ国立精神衛生研究所によると、3歳から8歳のアメリカの若者のうち3・9パーセン トが不安障害に苦しんでいるという。2016年に起きた心の病を調査してみると、およそ200万人のティーンエイジャーが少なくとも一度は深刻なうつ状態を経験していることがわかった。
今よりいいやり方があることは確かだ。今の子育てはとんでもなく複雑なものになっている。子育ては恐れと不信に満ち、直感では解決できない難しい挑戦になってしまった。
親は子どもの幸福のためにすべてを犠牲にする奴隷のような存在になり、絶えずストレスを抱えている。この熾烈な競争社会で子どもたちが生き延びられないのではないかと、親は不安になる。子どもたちが幼稚園に入れないと動揺し、ほかの子どもたちがアルファベットを読めるのに自分の子どもが読めないと心配で大騒ぎする。
子どもたちの世界に馬鹿馬鹿しい過剰な競争を持ち込んでいるのは、親たちだ。

筆者のエスター・ウォジスキーさんは、だからこそ教育に、『TRICK(トリック)=信頼、尊重、自立、協力、そして優しさ』の考え方が必要なのだといいます。それは、親も子どもも自立する方法です。

いずれ、子どもは親から巣立っていきます。いつまでも親の庇護のもとで暮らすことはできません。その時にもっとも必要なのが「自立」であり「自律」です。自ら解決策を考え、行動でき、生き抜いていくということです。

そして、レジリエンスという「復元力」や「耐性」がますます必要となるコロナ禍の今、「TRICK(トリック)」を学びたいと思うのです。

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