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生き残る職業

今日のおすすめの一冊は、マーティン・フォード氏の『AIはすべてを変える』(日本経済新聞出版)です。その中から「AIは第二の電気になる」という題でブログを書きました。

本書の中に「生き残る職業」という興味深い一文がありました。

この数年間、私は世界中の大陸をほぼ残らず訪れて、人工知能やロボット工学が雇用市場にど んな影響を及ぼす可能性があるかをテーマに、何十回となくスピーチをしてきた。そしてどの国にいるかを問わず、聴衆から最も多く寄せられる質問がいつもほぼ同じなのに気づいた。

「どの仕事がいちばん安全なのでしょうか?」「子どもたちにどの分野の勉強をするように言えばいいのでしょうか?」。

答えとしてはだいたいこうなるだろう…「基本的にルーティンで、予測可能なタイプの仕事は避けたほうがいい」。 こうした仕事はあきらかに、AIによる自動化が短期的に最も大きな影響を及ぼす分野だ。 

より具体的に言うなら、自動化の短期的・中期的な影響を特に受けにくい仕事は、大まかに三つの分野に分けられると思う。

まず一つめに、本当の意味で創造的なタイプの仕事は、相対的に安全といえるだろう。既存の枠にとらわれない思考をしたり、予期せぬ問題を解決するために革新的な戦略を考え出したり、純粋に新しいものを構築したりしている人は、人工知能をツールとして活用するのに適した位置にいる。

つまり、人工知能はあなたに取って代わるよりも、まずまちがいなくあなたを補完してくれるだろうということだ。 

創造的な機械を作ろうとする重要な研究はいまも進んでいて、AIが創造的な仕事に入り込ん でくることもまちがいなく避けられないだろう。スマートアルゴリズムはすでに、オリジナルな アート作品を描き、科学的仮説を立て、クラシック音楽を作曲し、革新的な電子設計を生み出すことができる。

安全といえそうな二つめの分野は、他の人たちを相手に意味のある複雑な人間関係をつくるこ とが重視される仕事だ。例を挙げるなら、看護師が患者とのあいだに築く共感と思いやりのある関係がそうだし、ビジネスパーソンやコンサルタントも高度なアドバイスを顧客に提供することでそんな関係を築くかもしれない。

三つめの安全な分野は、予測不能な環境下で、高い機動性、器用さ、問題解決スキルが求められる職業だ。看護師や老人介護士もこのカテゴリーに入るだろうし、配管工や電気技師、 機械工といった高スキルの職もそうなる。

このタイプの仕事を自動化できるロボットを作り、手頃な価格で売り出せるのはかなり先のことだろう。

しかし何より重要なファクターは、どの職業を選ぶかではなく、そのなかで自分がどんな立ち位置をとるかということではないか。創造的なスキルが求められる分野に専念する人たち、幅広い職業ネットワークを活用して組織に付加価値を与えられる人たちがトップに上ってくるだろう。

こうした状況にあなた個人が適応するには、自分が心から楽しめる職業、つまり情熱を持って取り組める職業を選ぶことがベストだろう。そうすることで、あなたがその分野で飛び抜けた存在になるチャンスが増えるからだ。

結局のところ、「基本的にルーティンで、予測可能なタイプの仕事は避けたほうがいい」とはいうものの、その中でも生き残る人はいる。弁護士であっても法廷で強くクライアントとコミュニケーション能力に長けた人は生き残るし、そうではない通り一遍の弁護士業務しかできない法廷で弱い弁護士はAIにとって変わられる。

つまり、その職業全部がなくなるわけではなく、点と点をつなげることのできない、スキルのない、コミュニケーション能力の低い人たちがAIにとって変わられるということだ。

もちろんまったくなくなってしまう職業もあるが、大方は自分の能力を磨き、その分野で頭角を現している人は生き残るということ。いつの時代も、生き残る人は、自分を磨き、自分を高める人だ。

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