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不機嫌だから人が離れていく

今日のおすすめの一冊は、若宮正子氏の『独学のススメ』(中公新書ラクレ)です。その中から「毎日バッターボックスに立つこと」という題でブログを書きました。

本書の中に「不機嫌だから人が離れていく」という心に響く言葉がありました。

インターネットを始めるとき、そもそもの登録や設定の時点でつまずいてしまうというシニアは多いと思います。私も、25年前、最初にパソコンをセットアップしてネットにつなぐまで、3か月ほどかかってしまいました。まわりに聞けるひとがいればもっとスムーズだったのでしょうけれど、そのときはコンピューターに詳しいお友達もいなかったのです。

本当は、家族やお友達、同僚など、身近にいるITに詳しいひとに聞くのが、一番なんですけれど、「ひとに聞くなんてみっともない」と思っている方は、けっこう多いようです。わからないことを素直にひとに聞けない。それは、「不機嫌老人」の兆候かもしれません。

不機嫌老人というのは、銀行や病院、駅のホームなどで「なんでこんなに待たさ れるんだ!」「なんでこんなに電車が遅れるんだ!」と受付のひとや駅員さんに文句をいっているようなご老人です。「保育園の園児の声がうるさい」と苦情をいうご老人なども該当します。

不機嫌老人がかわいそうなのは、その行動が迷惑であることを、誰にも教えてもらえないこと。隣に誰かがいて、「今の時期は風邪が流行っているから、病院にくるひとが多いんだね」「なんで遅れてるんだろう。どこかで事故があったのかな」などと話してくれれば、むやみにひとにつっかかることもないでしょう。

孤立するから、不機嫌になっていく。そして不機嫌だからひとが離れていく。この悪循環をどこかで断ち切る必要があります。まずは、「ひとにはいろいろな事情がある」ということを理解することでしょう。

相手の立場に立って考えることができれば、病院や駅で待たされても怒らずにすみます。 あとは、ひとの話をよく聞くこと。

講演をすると、質疑応答のコーナーで、質問といいながら講演にまったく関係ない話をし始め、最終的に一席ぶつ方がたまにいらっしゃるんです。ああ、自分の話をしたくてたまらないんだなと思います。 たぶん、まわりに話すひとがいないのでしょうね。

一人暮らしなどで実際相手がいないのかもしれませんが、配偶者がいたとしても、話を聞いてもらえないと思います。だって、一方的に話すひとの相手をするのって、疲れますよね。会話はキャッチボールだから楽しいんです。ボールを受けてばかりではつまらない。 相手の立場になって考え、ひとの話をよく聞く。この2つを守るだけで、何歳からで も友達はできますよ。

偉そうで高圧的な人の特徴は、不機嫌であることだ。謙虚でニコニコしていて高圧的な人はいない。高圧的な人は、人に教えてもらったり、聞くことができない。教えを乞うことができないからだ。

特に、ITやSNS、あるいは最新の電子機器の使い方などについては、若い人に教えてもらうことになる。どんなに偉い人であろうと、そこで謙虚に聞くことができなければ、どんどんITから遠ざかることになる。

不機嫌だと人が離れていき、ITからも遠ざかることになる。

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