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天才ジェフ・ベゾスの母親の教育

今日のおすすめの一冊は、アンジェラ・ダックワース氏の『やり抜く力』(ダイヤモンド社)です。その中から『「やり抜く力」を身につける』という題でブログを書きました。

今日のブログの流れとは少し違うのですが、本書の中にAmazon創業者、ジェフ・ベゾスの幼少期の興味深い記事があったので転載します。

ジェフが子どものころからさまざまなことに興味を示したのは、並外れて好奇心旺盛な母、ジャッキーとおおいに関係がある。私はジャッキーの話を聞くことができた。ジェフが生まれたのは、ジャッキーが17歳の誕生日を迎えた2週間後のことだった。「だから、こうするべきだという先入観がなかったんです」
ジャッキーは幼いジェフと、そのあとに生まれた次男と長女に、すっかり夢中になったことをいまでもよく覚えている。「とにかく子どもたちのことにものすごく興味がありました。いったいこの子たちはどんなふうに成長するんだろう、将来どんなことをするんだろう、と思って。それぞれの子がどんなことに興味を持っているのか知りたくて、よく注意して見ていました…一人ひとり、みんな好きなことを思いきりやれるようにしてあげるのが、私の責任だと思っていました」
たとえばジェフは3歳のとき、「ぼくも大きなベッドで寝たい」と何度も頼んできた。ジャッキーは、「大きくなったらね。でも、まだだめよ」と答えた。次の日、ジェフの部屋に入ると、なんとジェフはドライバーを持って幼児用のサークルベッドを分解していた。それを見てもジャッキーは怒らなかった。それどころか一緒に床に座って手伝ってやったのだ。
その晩、ジェフは望みどおり「大きなベッド」に寝たのだった。中学生になると、ジェフは奇想天外な装置を次々に発明した。たとえば、自分の部屋のドアにアラームを取り付けて、弟や妹が部屋に入ろうとした瞬間に、とんでもない音が鳴り響くようにした。ジャッキーが笑いながら言った。「ホームセンターには何度もかよったわ。部品が足りなくて、一日に4回も買い足しに行ったこともあるくらい」
「あるときは、ジェフがキッチンの食器棚の取っ手を、糸で全部つないじゃったんです。だからひとつの扉を開けると、全部の扉がいっせいに開いちゃうの」そんなとき、自分だったらどんな反応を示しただろう、と私は想像した。びっくり仰天して怒ったりせずに、ジャッキーのように振る舞う自分の姿を想像してみた。なるほど、彼女は気づいたのだ。ジェフは大きな才能を開花させつつある。この子はいずれ、たぐいまれなる問題解決能力を身につけて、世界で活躍するかもしれない。そう思って、おおらかな気持ちでジェフの興味を育んだのだ。
「家族が私につけたあだ名は、“カオス号の船長”ですよ。子どもたちがやりたいって言うことは、どんなことでも認めたから」たとえば、ジャッキーはこんなエピソードを話してくれた。あるとき、ジェフは「インフィニティ・キューブ」をつくることにした。透明な立方体(キューブ)の中に合わせ鏡を設置して、モーターで稼働させ、両面の鏡に無数の鏡像を映し出す仕掛けだ。やがて、ジャッキーが家の前で友人と立ち話をしているところへ、ジェフがやってきた。
「ジェフが私たちにインフィニティ・キューブの仕組みを詳しく説明してくれたんです。私はうなずいて、たまに質問しながら聴いていました。ジェフが戻っていくと、友人に訊かれました。『ねぇ、いまの話、全部わかったの?』って。だから言ったんですよ。『全部わからなくてもいいのよ。大事なのは話を聴いてやることなの』」
高校生になると、ジェフは自宅のガレージを研究室代わりに、発明と実験をくり返した。ある日のこと、ジェフの高校から電話がかかってきた。ジェフが午後の授業を欠席したというのだ。ジャッキーは帰宅したジェフにたずねた。「午後はどこに行っていたの?」すると、思いがけない返事が返ってきた。
「飛行機の翼に働く摩擦と抗力を、実験の機体を使って実験したいと思っていたんだ。そうしたら、地元の大学の教授が実験をやらせてくれるっていういから」「そうなの」ジャッキーは答えた。「わかったわ。じゃあ、授業時間以外に実験をさせてもらえるかどうか、頼んでみましょう」
やがて、ジェフは大学でコンピューターサイエンスと電気工学を専攻し、卒業後はウォールストリートの金融機関に就職し、プログラミングの技術を生かして、投資資金の運用管理を担当した。数年後、ジェフはインターネット書店を設立し、世界最長の大河にちなんだ社名を冠した…アマゾン・ドット・コムだ。

楽しい子育て孫育て」(学研プラス)という小林正観さんの本があります。その中に天才の母親たちの共通項という文章があります。例えば、日本でいうと手塚治虫、野口英雄、吉田松陰、海外ならエジソン、アンデルセン等々の母親の子育ての実例が出ていますが、どの母親も、子どもが学校で否定されたとしても、子供の才能を信じ、そのままでいいのだと肯定し、子どもの夢や、やりたいことの芽を摘まず、伸びたい方向に伸ばしていく、というタイプだったそうです。

まさに、ジェフ・ベゾスの母親も同じなんだなぁ、と感動しました。

今日のブログの詳細はこちら☞人の心に灯をともす

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