見出し画像

持ち物を減らす

今日のおすすめの一冊は、加藤俊徳氏の『日本人が最強の脳をもっている』(幻冬舎)です。その中から「和の習慣で脳を鍛える」という題でブログを書きました。

本書の中に「持ち物を減らす」という心に響く一節がありました。

この数年、「片づけ」がブームになっています。片づけることで部屋がキレイになるだけでなく、「自分にとって何が必要か」ということがはっきりわかり、人生にもよい影響を 与える、というものです。 脳科学の視点からいうと、人生によい影響が与えられるのは、「片づけ」というプロセスを通じて自分の脳をよい方向に変えることができるからなのです。 

いわゆる日本家屋が主流だったころの日本人の一般家庭は、余計なものを手に入れるだけの経済的な余裕がなかったこともありますが、じつにスッキリと片づいていました。畳の上に布団を敷いて寝る、というのは狭いスペースを有効活用できる「知恵」ですし、朝布団をしまうという行為が一日の始まりに対する、脳の切り替えにもなっていました。 

こうした暮らし方は脳を成長させるスタイルでもあります。また、「持ち物を減らす」 という行為には「いるのか、いらないのか」「捨てる、取っておく」を判断する必要があり、大変な「決断力」が求められます。 

老親の家の片づけが社会問題になりつつありますが、老親の家が「片づいていない」のは脳の老化の影響も考えられます。「捨てる、取っておく」の決断が速やかにできず、「なんとなく」取っておいたものがたちまち増えてしまう、という結果である可能性もあるからです。 

若い人でも「片づけが苦手」という方は、この決断力、つまり理解系、思考系、わかったことを即実行に移すための運動系の脳番地の連係が苦手だ、と考えられます。 ものが多くて困っているという人は、「捨てる」「保留」「取っておく」の3分類から始めるとよいでしょう。「捨てる」と判断したものを処分して、少しスッキリしてくれば、 継続する意欲もわいてきます。

江戸時代は火事が多かったため、「いざというときに、持って逃げることができる」だけのものしか所有しなかったのだといいます。「レンタル業」が普及していて、たまに必要になるものは借りるのが一般的でした。 

現代では大型家電も少なくないので、「持って逃げることができる」だけのもので生活するのは難しいですが、そういう考え方があったことを意識しながら片づけをするとさら に、決断力を磨くことができるでしょう。 

スッキリと片づけることができると、思考が大変クリアになります。私のオフィスはかなりものが少なくスッキリとしているのですが、それは思考をクリアにするために意識的にそうしているのです。

引っ越しの多い人は、荷物が少ないといいます。浮世絵師の葛飾北斎は生涯で93回引っ越したといいます。一日では3回引っ越した日もあったとか。90歳まで生きましたが、75歳のときは56回の引っ越しを達成していたそうです。

心をすっきりさせるため、持ち物を減らすことはとても大事だと思います。

今日のブログはこちらから☞人の心に灯をともす


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?