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意識すること

今日のおすすめの一冊は、小林弘幸氏の『意識しない力』(文響社)です。その中から「余計なことにとらわれないためには」という題でブログを書きました。

本書の中に「意識すること」についての興味深い文章がありました。

すべてのアスリートに共通するトレーニングの目標、を知っていますか? じつはその目標は、“こういうふうに体を動かそう”といちいち意識しなくても、 自然にいつも通り、体が動くようになること。これを究極の目標として、日々トレー ニングをしているのです。
一流のアスリートにとっては、ほんの少しの「乱れ」や「迷い」が命取り。心身にちょっとでも乱れや迷いが出たら、とたんにいつも通りのパフォーマンスができなくなってしまいます。 だから、いつもアスリートたちは乱れや迷いを生む要因をできるかぎり潰して、ど んなときもいつも通りに体を動かして、いつも通りのパフォーマンスをすることがで きるようにと努力しているわけです。
そして、乱れや迷いを生む最大の要因が、「意識をすること」なのです。たとえば、大事な場面でサッカーのPKを蹴る場合、“外してしまったらどうしよう” “失敗した らチームのみんなに顔向けできないな”といったことを意識してしまったら、とたんに体が動かなくなってPKを外す可能性が高まってしまいますよね。
また、スコア的に負けている状況で “うわ、あと5分しかないぞ” と時間のことを 意識し始めてしまったら、とたんに焦りが生じて、つまらないミスやラフプレーが出やすくなってしまうかもしれません。 このように、アスリートにとって「意識をすること」は、自分のパフォーマンスを下げる大きな要因のひとつ。
だから、アスリートたちはみな、どんな状況に置かれても乱れたり迷ったりしないように準備をして、「意識しなくとも自然に体が動いて、よりよいパフォーマンスができるような状況」を目指しているのです。 そして、そういう境地に到達できるようになるために、来る日も来る日も厳しい練習を重ねて心と体を鍛えているわけですね。
言い換えれば、意識をしなくとも、勝手に体が動いてくれるような状態にまで到達できてこそ一流のアスリートだということ。私たちがしょっちゅうテレビで目にするようなトップアスリートたちは、そんな高い次元での、自己との戦いを繰り広げているのです。

人は、意識すると、途端にパフォーマンスが悪くなります。たとえば、人前で話をするとき、「会場にたくさんの人がいるな」と意識したら頭が真っ白になって、何を話しているのか分からなくなってしまった、というような場合です。また、ゴルフのコンペの1組目となり、「大勢の人がみているな」と意識した途端、空振りしたりチョロしたりしてしまったりします。体がぎこちなくなってしまうんですね。

小林氏は「人を乱れさせる最大の原因は『他人』と『周囲』だ」と言います。まわりを必要以上に意識したときに、パフォーマンスが低下するということです。その対処法としては、まわりへの意識を遮断(しゃだん)すること。つまり、「見ざる、言わざる、聞かざる」の姿勢が大事だと言います。

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