現代版ええじゃないか
今日のおすすめの一冊は、神田昌典氏の『未来実現マーケティング 人生と社会の変革を加速する35の技術』(PHPビジネス新書)です。ブログも同名の「未来実現マーケティング」として書きました。
本書の中に「現代版ええじゃないか」という心に響く一節がありました。
私は、現在のSDGsムーブメントは、第4次産業革命の開幕を告げるファンファーレだと思っている。第4次産業革命とは…AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などにより、人が機械を操作しなくても、機械自らの判断により生産活動を行うようになる技術革新のことだ。
これが本格化すると、タクシーやトラックが自動運転になったり、会社での事務作業が無人でできるようになったりするので、仕事の生産性は劇的に向上し、「働きたい人だけ働く世界」になっていく。このように社会が大変革するタイミングでは、旧価値観をリセットするために、歴史的な出来事が、必然的に起こる。それが何かといえば......、破壊か、解放かだ。
「破壊」とは、いうまでもなく、戦争だ。昔ながらの国家元首は、社会の急速な変化に対応できず、分裂しかねない国民を統率するために、対外的に敵を想定し挑発し、場合によっ ては、紛争を仕掛けようとする。
しかし今の時代、本当に事を起こそうとすると、その前にドローンで暗殺されてしまうリスクが大きいため、私はお勧めしない。 それよりも賢いのは、「解放」だ。これは、エンターテイメントにより、時代をリセットする、比較的、新しい方法だ。
典型的な例として、日本が近代化するタイミングで起こった「ええじゃないか」がある。 「ええじゃないか」とは、江戸末期、突如、起こった世直し運動。 「今年は世直り、ええじゃないか!」 「おかげでええじゃないか!」 「なんでもええじゃないか!」と囃し立てながら、男は女装し女は男装した民衆が、全国津々浦々で踊り歩いたのだ。
この狂乱は、幕末のある日、突如始まり、3日3晩、地域によっては7日間ほど続いた。そして、王政復古の大号令が発せられ、政治体制がリセットされたとたんに突然、 鎮まった。
この「ええじゃないか」を、現代グローバル社会に甦らせたものがSDGsではないかと、私はこっそり、考えている。 SDGsに「ええじゃないか」を重ねてみると、こんな小唄拍子が聞こえてくる。
「貧困なくて、ええじゃないか!」 「飢餓ゼロで、ええじゃないか!」 「温暖化なしで、ええじゃないか!」 つまり、国籍・年齢・職業や立場を忘れ、夢中になっているうちに、第4次産業革命へと突入する流れをつくっているのが、SDGsである。
SDGsを、薄っぺらな流行だとか、先進国主導の策略だと批判する声もある。だが、たとえ流行や策略だとしても、流血や混乱を最小限にしながら、世界各国が第4次産業革命に向けて準備する、賢いプランであると思う。
今後、あと4,5年後から新入社員として入ってくる新人たちは、起業家精神(アントレプレナーシップ)を持ち、SDGsを身につけ、さらにデジタルネイティブであるという、今までの昭和オジサンとはまったく違う洗練された連中です。
すなわち、今から上司である先輩たちも、アントレプレナーシップや、SDGsや、社会起業家、デジタル等々の勉強をしていかなければ、話がまったく噛み合わなくなるということです。
いくつになっても、新しいことを常に勉強し、挑戦し続ける人でありたいと思います。
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