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やってみなはれ

今日のおすすめの一冊は、ジョン・C・マクスウェル氏の『一勝九敗の成功法則』(齋藤孝訳/知的生き方文庫)です。その中から「失敗しながら量をこなす」という題でブログを書きました。
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普通に考えるなら、「多くの挑戦をしている人は、多くの失敗をしている」というのが事実です。しかし、意外に、成功したことや挑戦したことは表に出てきますが、失敗の事例はあまり外には出てきません。つまり、挑戦と失敗はセットであるにもかかわらず、そのことを忘れてしまっています。

サントリーの創業者、鳥井信治郎氏は、「やってみなはれ。やらなわからしまへんで」という有名な言葉を残しました。そして、こう言っています。

そのころ、英国以外でウィスキーをつくる計画は荒唐無稽(こうとうむけい)だと思われていた。仕込みから商品化まで何年もかかるうえにきちんとした製品になる保証はまったくない。この企(くわだ)ては、多くの人から見て、ばかげたものだった。社員は懸命に計画を断念させようとした。
「製造工場を建てなあかん。莫大な資金がいりまっせ」「ウィスキーは最低6.7年間寝かすそうや。金利が間尺(ましゃく)にあいまへん」反対の声が強ければ強いほど、信治郎のベンチャー・スピリットは燃え上がった。「資金?赤玉の儲け使ったらよろし」。「赤玉ポートワイン」の販売で得た利益をつぎ込みたいという信冶郎に、全役員が反対した。
このとき、信冶郎が言った有名な言葉が残っている。「開拓魂や。壽屋(ことぶきや)の創業以来の精神やで。そやなかったら、英国だけにしかないスコッチタイプのウィスキーをつくろうなんて考えてへん。やってみなはれ、やらなわからしまへんで」1924年の秋、京都の山崎でウィスキーの仕込みが始まった。(仕事で一番大切にしたい31の言葉/大和書房)より

また、こんなことも言っています。

上司といいますか、管理職が、部下に対して「やってみなはれ」と、こう言うわけですね。それと同時に、その「やってみなはれ」だけではいかんので、やったあとの結果については、「おれがその骨を拾ってやるぞ」「失敗してもいいじゃないか」と、それはおまえの責任ではないという意味で…。(出典 「やってみなはれ」の佐治敬三が考えたこと)

何かに挑戦し、失敗をする、それを何回も繰り返すと、不思議に、失敗することがそれほど苦でもなくなってきます。つまり、「失敗耐性」ができるわけです。しかし、真綿でくるまれたような順調にきた過保護のエリートは、少しの失敗で挫折したり、それを苦にしてひどいときには命を絶ってしまったりもします。

今、VUCA(ブーカ)の時代だと言われています。不安定で、不確実、複雑で、あいまいさの時代だということですが、今後もますますこの傾向は加速するはずです。それはつまり、どんなに高名な経済学者であろうが、経営者であろうが、未来を確実に見通せる人はいないということになります。

現に、この今回のコロナ禍を予想した人はいませんでした。ということは、鳥井信治郎氏のいう、「やってみなはれ。やらなわからしまへんで」という行動が、ますます必要になってくるということです。「トライ・アンド・エラー」を繰り返すことこそが、前に進む唯一の方法だ、と。失敗を恐れず、チャレンジし続ける人でありたいと思います。

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