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学び続けている人は前向き

今日のおすすめの一冊は、齋藤孝氏の『齋藤孝式 “学ぶ”ための教科書』(辰巳出版)です。その中から「学ぶことを中心に人生を作り上げる」という題でブログを書きました。

本書の中に「学び続けている人は前向き」という心に響く一節がありました。

人は歳を取ると気持ちが沈みがちになりますが、学び続けている人は前向きです。何を学ぶかは関係なく、何かを学んでいるという状態であることが大切だと思います。 小さいころに学ぶ訓練をしていた人は、とくに、歳を取っても学びたくなるでしょう。 

いまの80代・90代にそういう方が多いのは、戦前の教育を受けたために基本的に真面目で、 読書も好きだからだと思います。私が『声に出して読みたい日本語』(草思社文庫)を上 梓したときも、90代の方がずいぶんたくさん読んでくださいました。それは、とても嬉しいことです。 

ある読者の娘さんは、こんな手紙をくれました。「私が一行目を読んであげると、母は、その後ろの部分を暗誦してみせてくれるのです。昨日食べたものも思い出せないことがあるのに、子ども時代に覚えた名文はいえるものなのですね」 

その他にも、「楽しかったです」「昔のことを思い出しました」「これから勉強します」 などといった感想が多く寄せられ、学ぶことが好きな人はみなさん歳を取っても、明るい気持ちでいらっしゃるのを感じました。

最近では、「人生百年」とよくいいますが、80代、90代でも学ぶことができるのなら、その人の人生は豊かです。そして、学ぶ習慣は、子どもや孫に伝わっていくでしょう。そのように、学ぶ姿勢というものは、文化的な遺伝として受け継がれていくものだと思います。 

ですから、「なぜ勉強すべきか」というと、自分が勉強している姿勢が他の人に影響を与えるからという理由も挙げることができます。

たとえば、福沢諭吉は『学問のすゝめ」 のなかで、次のようなことをいっています。「贅沢してお金をたくさん使ってもいいでは ないか、それは個人の自由だ、と考えるかも知れないが、そうすることで他の人に対して悪影響を与えるとしたら、それは必ずしも自由とばかり言えない」と。

自分のお金なら何したっていいと思うかもしれないけれど、それは他の人に悪影響を与えることもあるということです。勉強も同じことで、たしかに、「本なんか読まなくていい。勉強なんかしなくていい」などという生き方をしている人がいると、次の世代を担う子どもたちに悪影響 を与えます。 

学ぶ姿勢は、リチャード・ドーキンスがいう「ミーム」(文化的遺伝子)として日本人が大切に受け継いで来たものです。「日本人は勉強好きで、向上心がある」と、幕末や明治初期に日本を訪れた外国人はみんなそういいました。

本がたくさん入っている本棚のある家に住んでいる子どもは、読書好きになると言う。一ヵ所ではなく、色々なところに本を置いてあることもいい影響を与えるという。いつも目に触れるところに、置いてあるものに、子どもは興味を持つからだ。

また、子どもが小さいとき、親が子どもに本を読んであげ、寝かせつけるという習慣も本好きにさせるコツだという。本好きは、本に囲まれている生活が、最高に居心地のいい場所。

これは、本だけでなく何かを学び続ける姿勢も同じで、親やリーダーが、どんな姿を子供に見せ続けるか、ということ。

子どもにいい影響を与える大人でありたい。

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