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少し損すると、言葉が優しくなる

今日のおすすめの一冊は、齋藤孝さんの『齋藤孝が読む カーネギー「人を動かす」』(創元社)です。「議論は絶対に避けること」というテーマで書いてみました。

アメリカというとディベートの授業があり、バンバン議論をしているイメージがあります。その中で、100年前に書かれた本とはいえ、鉄鋼王であり、多くの人々に影響を与え続けたカーネギーが、「議論はしないほうがいい」と言っているのですからびっくりです。

もちろん、会社の会議などでたくさんの意見を出さなければならないような時は別で、議論が必要なことはいうまでもありません。しかし、酒を飲んだ時などに熱くなった議論は、いい結末になったためしがありません。たいてい、「相手をやっつける」とか「どっちが正しい」という、自分の優位性を認めてさせるケンカのような感じになってしまいます。いわゆる、「マウンティング」ですね。

「過去と他人は変えられない」という心理学の言葉がありますが、「好き嫌い」というような感情も容易には変わりません。それは、他人は自分が思った通りには動いてはくれないということですし、「どうしてもこれを好きになってほしい」と言っても「はい、わかりました」と言って好きになるような人もいないからです。

どんなに正論をふりかざし、理論で論破したとしても、「嫌いなものは嫌い!」ですから相手の行動が変わることはありません。なぜなら、人は感じて動くからで、理屈では動かないということです。感じて動くことを「感動」といいます。

そして、議論について、欽ちゃん(萩本欽一)の「運」からのアプローチも非常に面白いです。欽ちゃんは、「少し損して生きよう」と言います。自分が少し損すると、言葉が優しくなるから、だそうです。議論もそうですよね。「オレが正しい」と「オレがオレが」の生き方をすると、どうしても言葉がきつくなります。

少し損するとは、「ごめんね、オレが悪かった」と謝ること。そうすると言葉も優しくなりますし、議論にもなりません。それが、欽ちゃの言う「運がたまるコツ」、です。


今日のブログ(3分動画も)はこちら☟
https://ameblo.jp/hiroo117/entry-12603947973.html

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