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言霊の幸(さき)わう国
今日のおすすめの一冊は、平野秀典(ひでのり)氏の『感動知性』(かざひの文庫)です。その中から「人も器も不完全だからこそ美しい」という題でブログを書きました。
本書の中に「言霊の幸(さき)わう国」という心に響く文章がありました。
敷島(しきしま)の大和の国は
言霊の幸(さき)わう国ぞ
ま幸くありこそ
柿本人麻呂が『万葉集』に書いたこの歌の現代語訳は、「日本は言葉の霊力が物事をよい方向へ動かしてくれる国です。どうかご無事で」という意味になります。遣唐使を送る際に、無事を祈るために送った歌だそうです。
日本語の音や形には、「言霊」という目に見えない力が秘められていると言われています。日本人ではなくても日本語の中で生活を続けていると、言霊の影響を受けて日本人らしくなり、「ジャパンセンス」が芽生えるという話もあります。
映画『アナと雪の女王』の世界プロモーションで、主題歌を世界の歌姫が自国語で歌うというイベントがあり、日本は、松たか子さんが美しい日本語で歌いました。世界中の言語で歌われた中で最も人気だったのは、どこの国だったでしょうか? 日本語バージョンの松たか子さんの歌唱だったのです。
意味がわからなくても、おそらく日本語の言霊パワーが伝わったのでしょう。
◆日本では、古来より言葉には不思議な霊力が宿るとされていたが、それを「言霊」という。結婚式などの、めでたい席では、「忌(い)み言葉」を使ってはいけないとされている。
忌み言葉とは、別れる、終わる、割れる、破れる、壊れる、滅びる、帰る、切れる、離れる、捨てる等々だ。
忌み言葉の反対が、寿(ことほ)ぐという祝いの言葉。神道で言えば、「祝詞(のりと)」。窮地に陥(おちい)ったり、切羽詰ったときほど、言霊の力が必要だ。言霊が、善き現実を引き寄せてくれる。
日本は「言霊の幸(さき)わう国」。
どんなときも、ネガティブな言葉を使わず、力みなぎる言葉を使う人でありたい。
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