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映像演技について。

山崎大昇です。この記事をご覧いただきありがとうございます。

北海道札幌という地方都市に住みながら、俳優として映画やドラマ、CMに出演する事を20年以上続けさせていただいております。

ただ、俳優業だけの収入で食べれている訳ではありません。自分がこの業界に入ってから、俳優業だけでなく、それに付随して、映像監督、映像編集、撮影、キャスティング、映像演技指導などでお金をいただくようになりました。そこにWeb制作も加わり、一つの事だけでなく、「俳優」を志した事によって開けた道が沢山ありました。

そのように、ただ「演じる側」だった自分が、演出する側、編集する側、撮影する側、選ぶ側、教える側になった事で、色んな角度から「演じる事」を見るようになりました。

これらの色々な視点を持てた事は自分の財産だなと思います。

それでは、早速「映像演技」というものについて。

「映像演技」以外のものを「舞台演技」と呼ぶのであれば、その絶対的な差は2つあります。

1つ目は、「誰に向けて」演じるのか?

2つ目は、演じている「時間」について。

この2つの違いから「映像演技」という物の特質について考えてみましょう。

1つ目の「誰に向けて」演じるのか?

舞台であれば、当然、舞台上からお客さんに向かって演じます。舞台上から観客席に向かって、目の前のお客さんに伝わるように演じます。お客さんに伝わるように声を出します。その為、舞台俳優として必要な姿勢、仕草、立ち振る舞い、発声方法が必要になりますね。

これに対し、映像であれば、カメラに向かって演技をし、マイクに向けて声を出し、その映像が編集・整音され、テレビの前の視聴者・映画館の観客に伝わるように意識します。

カメラの位置やレンズの違いによって、自分の映り方は変わりますからカメラの映りを意識します。相手役が目の前に居ると想定して、カメラに向かって演技をする時もあります。例えば目のクローズアップを撮影する場合、瞬きの動きを意識して、カメラから外れないように身体や頭をほとんど動かしてはならない、など意識する部分がそのカットによって変わる訳です。逆にロングショット(引きの画)で身体全体が映る場合は、身体全部を使って演じます。

続いて、マイクに向かって演技をするので、マイクが拾いやすい発声を意識します。そして、環境によってはアフレコ(アフターレコーディング)をして、編集された映像に、録音スタジオで映像に合わせて台詞を言うこともあります。撮影時に「風が強くて、録音が厳しいからアフレコにしよう」とか「海で波打ち際の会話は録音しづらいからアフレコ」でとなったりします。その場合、役者はその時に現地で演じたシーンのどのカットがOKテイクになったか等、微妙な演技の違いを記憶しておいて、録音時に再現しなくてはなりません。

このように、根本的に演じる時に「意識」する相手が変わってくるのです。

続いて2つ目の「時間」について。

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