『いじめっ子になりたい』2019.9.11


心に細かな穴が開いて、その中に落っこちていくとしたら、嫌な気持ちだけが取り残されてしまう。幸せはいつも流動的で、するりするりと指の間をすり抜けて、色んな人に笑う。だから、嫌な気持ちが嫉妬するのだと思う。スチール製の網目模様を通り抜けたら、その先には街並みがあって、幸せと嫉妬と嫌な気持ちと、私を構成する沢山の感情たちが同居しているのだ。喧嘩して、温かい料理を食べて、仲直りする頃には、また私はちゃんと、私の形になって目を覚ます。嫌な気持ちとか嫉妬とか恥ずかしい気持ち全部、幸せにいじめられて、酷い虐待を受けて、引きこもってしまえば良い。そうやって思えないから、いつも偽善的に仕切り線の上を綱渡りして、イエスとノーの中間の深い谷に落っこちて、一人になってしまう。戦争がどうして起きるのか、私は知らない。




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