保育士養成校の最新データから読み解く新卒採用市場の未来(2)
みなさん、いつもご愛読いただき、ありがとうございます。
カタグルマの大嶽です。
先週寄稿したこちらのnote。
あっという間に今年のコラムで最多ビュー(現時点で1600件超)、さらに、たった1週間で過去3年間の全コラムの中で4番目のビュー数となり、大きな反響をいただきました。
それくらい厳しい現実であること、そして、危機感を抱かれている方々が多くおられるのだと思います。
さて、文中にも書きましたが、このnoteのサマリーを記載しますと、
・養成校学生の4年生大学志向が徐々に高まる
・養成校学生の母数は年々確実に減少する
・園児が減っても採用活動を継続する法人は多い
・新卒採用はこれからもっと売り手市場となる
・競争激化で採用のアップデートが求められる
・確率的、相対的に学生の質は年々下がる
ということになります。
これらの動向を踏まえて、今後保育事業者として新卒採用とどう向き合っていくべきなのでしょうか?
まずは新卒採用に限らず、保育業界の採用市場(マーケット)を俯瞰的に捉えて、セグメントします。
保育業界の採用市場は、
▪️新卒市場
▪️転職市場
▪️資格取得市場
▪️潜在化市場
この4つから構成されていることは周知の事実だと思います。
この市場規模(対象人口)は各種データより推察すると、概ね以下の通りです。
▪️新卒市場 3.5万人
▪️転職市場 70万人(現場従事者)×15%(離職率)=10.5万人-2万人(潜在化市場に移行)=8.5万人
▪️資格取得市場 1.5万人
▪️潜在化市場 110万人
市場でセグメントした場合、それぞれの、
・成長率
・市場規模
の2軸で捉える必要がありますが、簡単に整理するとこのようになります。
▪️新卒市場
規模:小 成長率:マイナス↓
▪️転職市場
規模:中 成長率:プラス↑
▪️資格取得市場
規模:小 成長率:現状維持→
▪️潜在化市場
規模:極大 成長率:プラス↑
ここに採用の競争環境も加味します。
▪️新卒市場
規模:小 成長率:マイナス↓ 競争:強
▪️転職市場
規模:中 成長率:プラス↑ 競争:強
▪️資格取得市場
規模:小 成長率:現状維持→ 競争:強
▪️潜在化市場
規模:極大 成長率:プラス↑ 競争:中
新卒、中途転職市場の競争が激しいのは言うまでもありません。
また、資格取得市場も結局は中途市場に流れ込んで来ますので、同様に競争は厳しいと捉えるべきです。
潜在化市場については、この後解説しますが、様々な事情から競争が起きにくい環境なので、中程度としています。
これだけを見ると、誰がどう見ても、
「市場規模が大きく、成長率もプラス、競争も比較的緩めの潜在化市場に集中して採用戦略を考えるべき」
と捉えるわけですが、もちろん簡単なことではありません。
今回はこの保育業界における潜在化市場について、今後の方針を考えてみたいと思います。
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