ゆれて、立ち止まって
いま、わたしは立ち止まっている。
気がついたら、立ち止まっていた。
歩を進めたいのに進められないことは、それはそれはしんどい。だけどいま、この立ち止まりこそ要所だと感じられている。
つぎの一歩の前に、この状況と思いをそのまま言葉にしてみたい。
揺りもどし
10代のときから、「何がしたい?」がわからず、「見つけなきゃ」に囚われていた。
10年ほどのさまよいを経て、コーチングに出会う。問いを「どう在りたい?」に変えて、あらゆる体験を通じて探究した結果、気がついたら日常の延長線上で、戸惑うほどに満ち足りる体感を経験していた。
それは、自分の純粋なエネルギーが帯電していることの実感。そしてそのエネルギーをそのまま放出した結果、他者との間に化学反応が生まれ、エネルギーが価値として広がり、届く体験。
その体験を経たわたしは、改めて「何がしたい?」と自分に問うた。兼ねてより仕事を変えたいと思っていたから、満ち足りた体験をした今なら「見つかる」のではないかと期待した。だけど、わたしの捉えている現実で具体的に探そうと思うとすぐに思考が停止してしまう。
気づけばまた、「見つけなきゃ」に囚われていた。そうして気がついたら、立ち止まっていた。
そのうち、「立ち止まっていること」そのものに焦点がずれ、「どうすれば解決するのか」「なにが原因なのか」という思考ループをぐるぐるしていた。
満ち足りた体験は、だれかとの関係性の間で生まれていたにもかかわらず、無意識に自分の内側に潜ってばかりいた。
そうして、心身ともに疲れてしまった。
パターンの懸念
しんどいことはどうしようもないと、思考を放り出していたある時、ふと思った。
もしもいま、ビビっと何かが見つかってご縁があったとしても、気づけばまた違う何かを「みつけなきゃ」のパターンに戻りそう、と。
これは直感だけど、とても大切な気がしている。
「みつけなきゃ」の思考にいるとき、「今ここ」の現実を直視できなくなる感覚がある。見ているようで、ありのまま見れていない。すると、「未来」も「現在」もぼやけてしまい動けなくなる。とはいえ日々は過ぎるので、納得していないままに、わたしの人生の物語がつくられていってしまうのだ。
こうして立ち止まってみると、望む状態へ突然近づいたからこそ発生した、極端な揺りもどしの体験なのかもしれない。
自身の体験としても、コーチとしても、本質的な変容の体験を期待し、急いでしまっていたことも大きく影響しているだろう。
今は立ち止まっていることに納得し、つぎの一歩につなげようとしている。
立ち返る
改めて問いを持ってみる。
わたしは「どういう自分で何を体験したいのか」
もしくは「何を創り出したいのか」
あの満ち足りた体験、言い換えるならば、
外から受け取った何かを、自分という身体を用いて表現し、外に還したとき、自分と他との輪郭がなくなるような体験を創りたい。
できることなら、安定して繰り返し体験したい。
そこで生まれた価値が、わたしの「はたらく」に繋がるとうれしい。
いまはまだ抽象度が高いが、創り出すための実験に取り組もうと思っている。
インテグレーションジャーニー
このnoteは、THE COACH Academyの仲間とともにリレー形式で繋ぐマガジン企画の24日目。
テーマは「わたしのインテグレーションジャーニー」
今ここのわたしが思う「コーチングを通じて、自分の現在地をインテグレーションジャーニーとして捉えるとはどういうことか。」
それは、コーチとクライアントがともに、クライアントの「現実」をありのまま観るという共同作業ではなかろうか。自分ひとりで向き合おうにも、固定観念に気づけず、なかなか「ありのまま」観ることは難しいと感じている。だからこそ、他者であるコーチの存在はありがたい。
それはただ、現実を思い知るためだけのものではない。大切な前提は、「納得がいっていない、変えたい何か」を理想に近づけるために必要な要素のひとつだということ。
マガジンで受け取ったバトンを見てみると、どのプロセスにおいても地に足を付けて、葛藤とともに歩く仲間の様子に勇気をもらえる。そして、多様な物語は本人の「その気」さえあれば、いつからだって納得して歩み始められることを教えてくれる。
常に行動で背中を見せてくれる方々の温度を感じながら関われるということは、なんて幸せなんだろう。
今回もすてきな企画をありがとうございます。
おわりに
立ち止まっているいま、改めて、創り出したいこと・現在・揺りもどす存在を眺めている。
これまでの過程を通して、「満ち足りた体験をしたコーチングの関わる世界」と「現実」が分離しているように感じていた。だけどこれを書いてみて、コーチングこそ現実と地続きであることに気がつき直している。これもまた大切な気づきな気がする。
さてさて、どんな実験をしていこうか。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?