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僕がインサイドセールスを"絶対に"組織における育成機関にしない理由(インサイドセールス関連)

こういったタイトルは誤解を生みやすいので最初に補足ですが、色々なところでインサイドセールスをキャリア教育の最初のステップに設定し、インサイドセールスで成果を出すと(≒ 一定の教育プログラムを終えたとみなして)次はフィールドセールスにプロモーションする。というようなことを聞く機会が増えています。
・採用とは異なるので必要なタイミングで営業人員を確保しやすい(インサイドセールスがプロモーションにかかる日数から逆算するとnヶ月後にはn人の営業が必要という判断に対応しやすい
・インサイドセールスで一定時間の教育を施すことで未経験者採用の枠が増えるため幅広い層の採用が実現できる
などの良いことが盛りだくさんなことは理解したうえで、スマートドライブではそのような組織体制にはしないぞと(笑)考えているので、その背景をご説明していきます。
そして、これを見て共感いただいたインサイドセールスの方は是非ともご連絡ください!2019年中にあと2-3名採用します!笑
 https://smartdrive.co.jp/career/

僕がインサイドセールス=プロフェッショナルに期待していること

まず、大前提としてインサイドセールスという仕事は非常に高いスキルが必要な職種です。
Newリードに対してx分以内に架電してクオリフィケーションしてHotリードを生み出す、マーケティングとセールスのハブとして〜というのは当然として、それだけではなくプロフェッショナルとして他にもたくさん期待していることがあります。

①インサイドセールスと会話する時間=お客様の学びの時間を創出する

これからご検討いただくお客様にとってはその企業の姿勢を示すブランドそのものを体験する一番最初のタイミング。
ブランドは"人"が作ると強く感じていて、どんなに口コミや評判がよくても対応する社員が高圧的だったりお客様に興味を持っていないと100%ブランドは毀損されますし、ブランディングはうまくいきません。
ここでインサイドセールスがSQL創出だけではなくて、お問い合わせいただいたお客様が「この人と会話をすることが自分にとってプラスになる」と感じていただくためにヒアリングを通した課題の整理(SPIN的なものとか)、その会社のビジネスモデルを理解したうえでの問いかけ、問い合わせていただいた方が「それは知らなかった、そういうことなんですね」となる学びの時間を提供することがインサイドセールスにとって何よりも重要なことだと考えています。

②チャネルごとの受注率差異を減らす

マーケティング部門では受注貢献率の最も高いチャネルを特定してそこに集中的に資金や人を投下します。
これは数字を出さなくてもオンラインで簡単にDLできる資料よりはわざわざ足を運んで時間を作るセミナーといったオフラインの方が受注率は高くなるし、経営層が欲しい情報・チャネルの方が良いし、概念のようなフワっとした内容ではなくて具体的な各論のほうが良いとなってくるかと思います。

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上記のようなイメージで、この赤い矢印のアクションをインサイドセールスが行うことによってチャネルごとでの受注率をそこまで意識する必要がなくなってきます。
受注率を意識しないという表現よりはリードソース内における指標を
「企業の業界やビジネスモデル」×「人の役職や権限」=ターゲット
というシンプルな指標で、そのリードソース内の獲得リードのうちの上記ターゲット割合を追っていけば良いようになります。
この赤矢印の活動をインサイドセールスができていないと、獲得リードからの受注率という"それっぽい数字"で判断をしなくてはいけなくなります。
意思決定をシンプルに行うために、プロセスを徹底してどのリードソースからでもインサイドセールスが関与することで、それぞれのリードに対応する期間は変われど営業に渡す際には受注率にはリードソースに関わらずほぼ一定になっている。というのがインサイドセールスに期待していることです。

③電話やメール以外のテクノロジーも徹底的に駆使する

これも当たり前のことですが、インサイドセールスからのアプローチは電話やメールに限ることはありません。お客様のパーセプションは短いスパンで様々に変化していきます。

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こちらはイメージ図ですが、お客様は自社とだけ話している訳ではないので自社についての理解も検討の重要/緊急度も絶えず変化しています。
多くのお客様のこのようなタイムリーな変化を察知して1to1でのアプローチを実施するにはメールや電話だけではなくMarketing AutomationツールやWebトラッキング(MAに含まれていることが多いが)、企業データベースツール、Web会議システム、チャットボット、手紙、FAXなどあらゆるシステムを用いてお客様の小さな変化を機微に読み取り即座にアプローチをする必要があります。
お客様との接点を継続して取り続ける仕組みを構築し、その仕組みを回し続けることが重要となります。

インサイドセールスのキャリアについて考える

インサイドセールスのキャリア(インサイドセールスだけではないですが)に関してはどんどんとステップアップしていくキャリアではなく、どんどんと職務領域の幅を広げていくキャリアをどうしたら実現できるかを考えています。
下の図のように右上にスライドしていくというよりは左右にどんどんと広がっていく。このようなキャリアを実現するにはどうしたらいいかを常に考えています。

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どうしてもキャリア(役職)と切っても切れないものが報酬体系です。
上のようにインサイド→フィールド→・・・となっているとインサイドセールスが給与を上げるためにはフィールドセールスにプロモーションするしかなくなってしまい、上記に記載したようなハイレベルな仕組みを回し続けることが難しくなります。そうではなくて、リード獲得からSQLまでの日数を短くすることで評価をすることもできるし、日数を縮めるためにはコンテンツからナーチャリングのシナリオまでマーケティング領域に関与することもセールス領域に関与することも必要になります。このように職務領域をどんどんと広げることでインサイド→フィールド・・・という流れではなく、インサイドセールスに在籍した状態のままで給与をアップさせていくことが出きるのではないかと考えています。
また、この時に必ず「では、どのようなKPIを設定すべきか」「どうやって評価すべきか」という話があるが、それは次回にしっかりとした内容で記載したいと思います。
確実に言えるのが、数値という数値をマネージャー自身で把握しておき「収益目標を達成するためのActivity目安を理解したうえで確実に数字をHITさせるマネジメントをしていく」「数値目標と数値を達成させるためのロジックを把握しておく」「組織を柔軟に動かしても数値変化がないように全ての部門の行動を仕組化しておく」ということです。
これは、僕自身もまだまだ全然できてないなと思っているのが多い部分なので是非色々と勉強させてほしいです。
インサイドセールスのキャリア=職務領域の可変性*給与/評価モデル*全体収益のバランスで考えていくと、インサイドセールスが組織の育成機関ではなくプロフェッショナル人材の集合体となります。
(今回は、よくインサイドセールスが育成機関と言われやすいというのを発端にこの記事を書いているのでインサイドセールス=プロフェッショナルの集合体としていますが、他部門と比較して優劣があるということではありません。部門の持っている"機能"が異なるだけです。)

非連続の成長シナリオなき事業モデルではインサイドセールスはキャリアの初期ステップになりやすい

昨今「SaaS」という言葉が市場を賑やかにし、市場成長を大きく牽引しています。
これは素晴らしいことなのですが、自分自身が気をつけていることとして、ユニットエコノミクスを最適な状態に維持する(ポールグラハムが言うところのデフォルトで生きているか、死んでいるかの健康診断)ことに固執してしまい大局を見誤らないようにするということです。
この思考に陥ると成長させるために永遠に組織を大きくし続けなくてはいけなく、
・組織を大きくしなくてはいけない→採用しなくてはいけない
・即戦力だけだと市場に人がいなくなる→採用の門戸を広げないといけない
という循環を生み出し、
・インサイドセールスでトレーニングをしてフィールドセールスへ送り出すことで質と量を担保しようとする(インサイドセールスがキャリアの初期ステップになりやすい)ことに繋がりやすいと考えています。
※たまにインサイドセールス経験者からプロモーションされたフィールドセールスとフィールドセールスに直接採用された方での立ち上がり期間の"差"のような資料を見ますが、一般的にインサイドだろうがフィールドだろうが、その会社に長く在籍している方のほうが製品や事例に関して詳しくなり、社内情報の取得容易性を考えると、立ち上がりが早いのは当然なので、そこまで意識する指標ではないかと思っています。
一方で冒頭に記載したようにヘッドカウントを調整しやすいという観点では非常に優れていると感じているので一定程度の成長まで描き切った仕組み化のフェーズでは是非導入すると良いと思っています。

また、非連続の成長シナリオがないというのはどういった状態かというと、
1)ユニットエコノミクスにとらわれてしまい勝負するところで勝負できていない状態
2)売上曲線の角度を決める要因で大きな割合を占めるのがマーケティング費用という状態が(=売上を費用で買っている状態)
3)顧客のライフタイム(≒バリューチェーン)における"瞬間"の課題しか解決できていない状態などを指しています。
それぞれを解決するのに、スマートドライブで重要になるのは、

1)ユニットエコノミクスにとらわれてしまい勝負するところで勝負できていない状態

に対しては、目先のユニットエコノミクスにこだわりずぎずJカーブを掘るためのBusiness Developmentチームを強い意志で継続すること。
「インテル入ってる」が有名な言葉ですが、いかにして自分たちが表に出ないところでも企業(社会)インフラになれるかどうかというところを短期的な目線ではユニットエコノミクスが合わずとも数年先を見越して、そこにBETして結果を出していくということです。
最強のBusiness Developmentチームができている自信はあります(笑)
単月や四半期単位では目に見える成果はないかもしれませんが、そこのプロセスを1つずつ丁寧に見ていって数年後の市場が今の活動によってどう変わるかを見極めないといけないところです。
作りたい事業の成長曲線は下記で、スマートドライブなら確実に実現できると感じています。

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2)売上曲線の角度を決める要因で大きな割合を占めるのがマーケティング費用という状態が(=売上を費用で買っている状態)

に対しては1)も関連するのですが、並行して顧客ミックスを初期の立ち上げフェーズ(ほとんど新規)の状態から徐々に既存ユーザーからの収益比率をあげていくというのが必要になります。
継続率を高めて安定収益を得ることも重要ですがT2D3もしくはそれ以上の成長を目指すのであればプライシング変更やクロスセル、アップセルを含んだ既存顧客からの収益増加のシナリオを作っていくことも並行して考えないといけません。
サブスクリプションの部分を増やすのか、コンサルサービスのようなものを提供するのか、成果報酬型のサービスを導入するか、方法は色々あれど、お客様にとってのWINと自社のWINが繋がるところにピンをたてにいき、そこに3rd Partyの企業を交えることで新たな収益を生み出すことができるかというのを考えていきます。
3rd Partyを交えることで短期的に見た収益改善だけではなく、サステナビリティのある収益改善(≒エコシステムの拡大)を実現することに近づくのでこの視点を維持しながら短期的な収益を上げることも重要な要素です。

3)顧客のライフタイム(≒バリューチェーン)における"瞬間"の課題しか解決できていない状態

に対しては、プロダクトとオペレーション双方に課題があると思うのですが、オペレーションとしてその会社の業務フローに組み込むことで、その企業にとってのインフラになります。
そのためには隣接するサービスとの連携性と業務オペレーションの理解が鍵になります。
ビジネスは情報というバトンを使ったリレーだというのを聞いたことがあるのですが、まさに連携性(API)がバトンの受け渡しのスムーズさを生み出します。
日本が得意なバトンパス(API)を柔軟にしておくことで業務オペレーションに組み込んだシステムとなりやすいため"瞬間の課題解決"から業務オペレーション全てにつながる課題解決ができるようになります。

色々書きましたがスマートドライブのインサイドセールスはこれまでにないキャリアと経験を積める場所です!

色々と書きましたが、重要なことは弊社でインサイドセールスを急募しているということw
ではなく、キャリアと事業は密接に関連しておりキャリア論だけ考えても実態が伴わず、キャリアと事業の双方を理解したうえで「その会社の事業」のポテンシャルに比例する形でキャリアのポテンシャルも高まっていくことになると考えています。
そういった意味では、スマートドライブの事業ポテンシャルとこれから作ろうとしている新しい組織の形、制度に共感いただいた方は是非とも下記から詳細を確認してください。
 https://www.wantedly.com/companies/smartdrive/post_articles/178302

※2019/10/25(金)に日比谷公園の前にあるNTT日比谷ビルに移転します。
かなり広いオフィスになりますのでご興味のある方は遊びに来てください!

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