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2022パルセイロアウォーズ。ベストゲームは元指揮官との対決

11月7日、Jリーグの年間表彰式「Jリーグアウォーズ」が行われた。同イベントは毎年、シーズン終了後に開催され、年の瀬を告げる風物詩とも言える。

最優秀選手賞に選ばれたのは、横浜FMの岩田智輝。J3(しかも長野戦)でJデビューを飾った男が、着々と階段を登り上げ、大きな夢を見せてくれた。

またメディアへの露出が少ないJ3において、今季はJ3リーグアウォーズが新設された。我らが長野は8位に終わったが、受賞者は現れるのだろうか。

その発表を前に、今季の振り返りと備忘録として、(勝手に)パルセイロアウォーズを開催。番記者としての知見を生かし、全5部門を独断で選出した。ストーブリーグ(契約更改や移籍の話題が飛び交う時期)のお供として、ぜひお楽しみいただきたい。

ベストヤングプレーヤー

MF 24 山中麗央

対象選手は本家Jリーグアウォーズと同様、2022年12月31日時点で満年齢21歳以下としたかったが、該当するのは小西陽向のみだった(昨季は4名)。そこで満年齢23歳以下に広げ、大卒ルーキーまでを対象とし、山中麗央を選出した。

山中は今季、拓殖大学から加入。中学〜高校1年まで長野のアカデミーに在籍しており、小西に続く2人目のアカデミー出身選手となった。第5節・いわき戦で先発デビューを飾るも、ハーフタイムに無念の途中交代。その後は途中出場やメンバー外が続いた。

それでも第13節・八戸戦で再び先発をつかむと、指揮官の期待に応えて初ゴールを奪った。デビュー戦はウイングの位置で辛酸をなめたが、この試合ではトップ下に入って躍動。以降もトップ下での起用が続くと、持ち前のシュートテクニックとボールワークを生かし、6得点1アシストを記録した。

最も印象に残った選手(MIP)

DF 19 杉井颯

昨季は柏から鳥取に期限付き移籍したが、シーズン終了後に両クラブとの契約が満了。今季はトライアウトを経て長野に加入し、第7節・鹿児島戦で初先発を果たす。左サイドバックを主戦場とする選手だが、右サイドバックで遜色ない働きをこなした。

リーグ後半戦から左サイドバックに定着すると、果敢なオーバーラップと正確なクロスでアシストを連発。デューク・カルロスと並び、チーム最多タイの5アシストを記録した。ピッチ上での活躍だけでなく、持ち前の明るいキャラクターを生かし、ムードメーカーとしての存在感も絶大だった。

最優秀選手(MVP)

サッカーダイジェストの2022年Jリーグ総集編をご覧ください(11/26発売予定)。

ベストゴール

第18節 vs宮崎 佐藤祐太(47分)

2点ビハインドで迎えた後半開始早々。左サイドで杉井のフィードを宮本拓弥が収め、オーバーラップした杉井にスルーパスを送る。フリーで抜け出した杉井が高速クロスを送ると、右サイドを駆け上がった佐藤祐太がダイビングヘッドで押し込んだ。

杉井の正確なキックとオーバーラップ、宮本の類まれなるキープ力、佐藤の圧倒的な運動量…。個の特徴を存分に生かしたダイナミックな一発だった。このゴールがきっかけとなり、チームは後半だけで3発逆転。怒涛の4連勝へと繋げていった。

ベストゲーム

第29節 vs相模原 ○3-1 

1,043日ぶりにホームで声出し応援が解禁された試合。サポーターの声援に呼応するかのように、終始勢いを止めることなく相模原を圧倒した。攻撃に厚みをもたせるがゆえにピンチも少なくなかったが、今季最多となる18本のシュートを記録。“質より量”と言わんばかりに多くの決定機を生み出し、かつての指揮官・薩川了洋監督(相模原)を唸らせた。

試合後の薩川監督のコメントが“長野愛”に溢れていたので、一部抜粋してご紹介。

「すごく良いスタジアムが立って、こういう応援の中でやれるのは選手も幸せだと思う。長野は今季厳しいところにいるが、このスタジアムとサポーター、スポンサーのためにも、J2を目指して残りのシーズンも来年も頑張ってほしい」

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