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【第21話】筑波大26年ぶり箱根駅伝へ

どうも、川瀬宙夢です。
今回はついに26年ぶりの箱根駅伝出場を決めた箱根駅伝予選会の話です。
自分も走る選手のうちの1人だったので、あくまで個人的な目線です。
なぜ筑波大が箱根に行けたかが気になる人は前々回記事、前回記事を見てください!
前回記事はこちら↓


さて、前回の記事にも書いたとおり当時の筑波大は自分から見ると
63'30〜64'00:金丸、猿橋、西
64'00〜64'30:相馬、川瀬
64'30〜65'00:残り7人
くらいの手応えを練習で感じていました。当時のチーム目標が
最低10人平均64'30で、そこからどれだけ縮められるかで箱根に行けるかどうかが決まるという認識でした。(例年通りのコンディションであれば笑)(大体64'30あたりがこの年の箱根へのボーダーラインになると予想していました)
すなわち上5人が64’30切り、後ろ5人が64'30〜65'00で走ろうという目標でした。当時ハーフマラソンの成功経験が少ない筑波には十分すぎる目標でした。

予選会当日。自分は90%くらいの仕上がり、周りもかなり良い感じに仕上がっているように見え、目標タイム、そしていよいよ箱根が見えてくるところに来ていると感じました。

前日練習、そして当日の朝練は例年通りの涼しさでしたがアップに移るとかなり暑いコンディションでした。スタート直前、頭から水を被っておいたのを覚えています。そしてアップ後チームで集まった際に「設定タイムよりも第○集団に付いていくことを優先しよう」と話し合いました。(過去のビデオから設定タイムが第○集団になるかを何年分も確認しておいて良かった。。。)

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いよいよ、予選会のスタート。(ここからは個人のレースの振り返りです笑)
自分は相馬と一緒に走る予定でしたが相馬は見るからに好調でした。相馬について走りましたがかなりハイペースに入ったので、3km手前で相馬には前に行かせ、自分は後ろに下がりました。
設定の集団よりも前に来てしまい今のままの順位でゴールする必要はないこと、そして駐屯地の路面が前日の雨で濡れて滑り今のままのペースでは自分は後半キツくなると判断したからです。
5kmまでの2kmを使って徐々にペースを落としながら後ろにいた当初狙っていた集団と合流しました。集団の先頭に吸い込まれたため給水は楽にたくさんゲットすることができました。そこからは集団の力を使って上手く走りました。

約11キロ地点でチームの10kmの通過順位、
約16キロ地点で15キロの通過順位、
約18.5km地点で17.5キロの通過の順位を、でかいボードに書いて教えてくれるチームメイトが立っています。
例年ラスト7キロの公園内が勝負の分かれ目になるとは言え10〜12位で途中を通過し、最後の公園内で勝負をかけたいと考えていました。

集団の力を借りながら11キロ地点、、、
「筑波大12位」と書かれたボードを見ました。
予定通りの順位に驚くと共に、狙った集団の中で走っていたとはいえ予定より通過タイムが遅かった僕は「自分以外はちゃんと走れているのだ」と焦りました。
(後からチームメイトに聞けばみんな設定ペースから遅れており同じことを思っていたそう笑)

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しかしキツさゆえにペースは上がらず集団のまま公園内に入りました。
ただ公園内が勝負だと思って、設定ペースから遅れていたものの設定の集団の中で出来るだけ省エネで走って公園まで来ました。すると本当にきつかったはずなのに公園に入ってすぐの長い直線で僕は自然とペースを上げました。公園内が日陰だとはいえ、相当暑く消耗していました。余力が残っていたとは思えないのですが、意識の問題なのか自然にペースを上げられたことを覚えています。

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15kmの通過。いよいよラスト6'0975km。
キツくなっていたランニングフォームに今一度喝を入れ、ペースを上げます。そして迎えた16km地点、
山口が「筑波大8位」のボードを持っていました。
正直ビックリして2度見してしまいました。箱根に絶対行くと思ってペースを上げていたはずなのに実際に行けそうであることを観てビックリしてしまうのだから、行けると信じ切れていなかったのかなと思います(笑)。
そして本当にキツかったですが「絶対箱根に行くんだ」ともう一度スパートをかけ直しました。

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あまり覚えていないほどキツかったですが、時折涙声で筑波を応援する人がいるのを感じ、本当に力をもらいました。声援を貰うたびに止まり始めていた足に対して、腕を振ってスパートをかけてなんとかペースを無理やり戻していました。
最後本当にキツく、ラスト1kmを過ぎてからはキツさよりも足がもつれそうになるのを必死に堪えながら走り、そしてなんとかゴールに飛び込みました。

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結果、65'01(15’15-30’36-46’18-61’41)。タイムはそこまで良くありませんでしたがかなりの暑さに相対的に良かったことや、自分より前に筑波の選手が4人もゴールしていること、後続でゴールしてくる選手も満足そうな顔をしており、僕は泣いてしまいました。

この時、箱根に行けたと思ったわけではありません。
過去4年間、一度も筑波がハマったという年を作れなかった厳しい予選会という舞台でしたが、ようやくチームとしてやり切ったと感じられました。

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そして結果は6位。
蓋を開けてみれば杉山がやらかしたり、大貴がラスト5kmめちゃくちゃペースダウンしてたりと完璧なレースではありませんでしたが、みんなが自分と同じように仲間の持つボードを見て最後振り絞って勝ち取った箱根でした。

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個人としては入学時、箱根駅伝に全てを懸けるつもりはなかったのに、大学に入学後、箱根に魅せられそこからの生活の全てを懸けさせられました。人生で1番苦しめ、そして人生で1番の成功体験をさせてくれたのがこの箱根駅伝予選会でした。

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いよいよ明日、今年の箱根駅伝予選会です。残念ながら僕は出場回数制限で予選会は走れません。今年は去年とは打って変わって雨でかなり寒い予報です。
コロナウイルスのため、駐屯地の中だけで給水も特殊な形でのレースになります。昨年以上に力を出し切る難しさを感じるレースになりそうですが筑波大らしくクレバーにそれぞれがしっかりと力を出し切ってほしいです。
入場制限のため、直接応援にすら行けませんが今年もしっかりと戦えるチームが出来上がっています。あの舞台にリベンジするために。まずは予選会。後輩たち、力の限り頑張ってくれ!!!!!テレビの前で応援してます!!
そしてこのnoteを読んでくださっている方々、当日は筑波大の応援をよろしくお願いします!!!!

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