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【中学受験#30】3つの成功要因(Season1)

今回で「中学受験Season1息子編」は最終回。

中学受験で幸せな結末を迎えるために、「やるべき」と言われる教育サービスが多々ある。
「あれもやった、これもやった」
と言われると、全部やらなきゃいけないような気になる。

でも、やればやるほど、何が成功要因だったかは見えにくくなるのが教育である。
というわけで、意図的にやらなかったことを紹介しつつ、何が大切かを考える。


知育においてやらなかったこと

とりあえず、列挙してみる。

幼児教育

七田式、ディズニー英語など英才教育系カリキュラム。

モンテッソーリ、シュタイナーなど、輸入系教育メソッド。

小学生

公文式、学研、そろばんなど全国チェーン系学習教室。

チャレンジ、スマイルゼミなどのタブレット学習。

理科実験教室、英会話教室など、その他学習教室。

Z会、進学くらぶなど通信教育。

小3の2月からの進学塾通い。

4大塾(SAPIX、早稲アカ、四谷大塚、日能研)通い。

X(旧Twitter)などのSNS、ブログ、YouTube、ママ友・パパ友からの情報収集。
(それぞれ見たこと、聞いたことはある)

その他、個別指導や家庭教師。

中学受験でハンデと言われていること

上記の利用は一切していない。
要するに、進学塾以外の教育サービスを一切利用していない。
市販の教材は買って家でやることはあったが、メルカリで大手進学塾のテキストを買ったりはしていない。

進学塾通いは小5の夏期講習から。
塾での個別の質問回数は3回くらい?
個別面談も3回くらい。

両親共に中学受験は未経験。
息子は、不利と言われる早生まれ。

受験勉強が山場に入って行く小6の9月に新生児誕生。
つまり、その前後から母はバタバタになる。
父も、パタパタくらいにはなる。

新生児に手がかかる分、息子のことだけに集中できなかった。妻曰く、「それが逆によかった」らしい。

結構、ビハインドを背負った状態だと思う。
でも、御三家に受かることはできる。

なぜ教育のアウトソーシングをしなかったのか

うちは生業が塾である。しかも、幼児・小学生が対象の塾である。なので、息子に何も学習させずに、小5の下期から進学塾へ入れたわけではない。

企業に在籍時から、「どうすれば子どもが賢くなるか」を考え、実践するのが仕事だった。
独立後も、我が子が0歳のときから自分たちでなんやかんやとやってきた。ほぼ自分たちで開発した教材で指導し、今はさらにブラッシュアップしてうちの教材になっている。

進学塾へ行くための下ごしらえのような学習もしてきた。
ちなみに親から子への「授業」は一切していない。

小6のときは、親がある意味で個別指導をしていたわけだから、何もなく合格した天才ですよ、と言いたいわけではない。
天才とも思っていない。
謙遜とかではなく息子を客観的に見ていてそう思う。これは、生徒として多くの子を見てきているから間違いない。

では、努力の量が半端ではなかったのか?
もちろん努力はゼロじゃない。
だけど、1日10時間勉強した日はほとんどない。
夜は塾のある日は10時半、ない日は10時には寝ていた(寝かせていた)。
つまり、かけた時間は人並みかそれ以下だろう。

最初から中学受験を見据えて子育てをしたきたわけではないが、子どもの成長に対する教育の変数を極力排除するために、アウトソーシングしなかったことが理由の1つ。

もう1つの理由は、いろいろな教室へ見学に行ったことはあるが、自分たちでやったほうが成果が上がるという結論に毎回至ったから。

自分たちが中学受験指導をしているので、最大限知見を得たいというねらいもあった。

前述のサービスは意味がないですよ、と言うつもりは毛頭ない。
でも、いろいろなことをしなくても、ここまではいける。
「あれもこれもやりましょう」ではなく、絞り込むことが大切。
プラスにならないだけではなく、マイナスになるリスクがあることも考えて導入することが大切だと思っている。

進学塾へ入れた理由

では、なぜ1年半だけ進学塾に入れたのか?
中学受験を研究する中で、目指す最難関校の受験対策はさすがに無理だと感じたから。

能力値をあげるだけではなく、各志望校の問題に対応させていくのは歴史と知識と技術が必要だろう、と。

「過去問は同じ年度であっても複数回こなす」
が昔の受験のセオリーだったが、それはすでに古い考え方であり、進学塾の志望校対策はそれ以上に進化しているという。
それを見てみたい、体感したいとも思ったことも理由の一つ。

一度、志望校対策をフルで受講すると、どのくらいのものかがわかるだろう、と。
体感してみると、もっと取捨選択してもいいと感じた。
つまり、驚くほど科学的だったわけではない。

そして、最終的には家で過去問をすることで、整えていったのも事実なので、どこまで志望校別対策講座が生きたのかはわからない。
家庭での過去問で整うのは志望校別対策講座の効果と言えるのかもしれないし。
これをはっきり検証することはできない。

「成功」とか言っちゃえるか微妙だが、我が家の場合、第一志望合格だけを「成功」とは置いてこなかった。
どんな気持ちで、子と親が受験を終えられているか。
受験をしなかった場合と比べて、子どもの成長曲線の角度は急だったか。

そのあたりが、成功か否かを振り返るには大切だと思って取り組んできた。

結果、大満足の結果だと言える。
息子の成長も、入試の結果も。
おそらく、この一年で生徒に対する指導力も上がっているはず。

中学受験成功に必要な3つの要因

具体的に何をしてきたかは、書ききれないので、過去記事などを参照してほしいし、これからも都度都度書いていくと思う。

長女、次女を通じて、再現するとともに、よりハッピーな中学受験を模索していく。

志望校に合格し、幸せな中学受験生活の幕を閉じるための成功要因を、これまで指導してきた子に加えて、我が子の伴走から得た知見を3つにまとめておく。

「要因」というか、「難所」でもあるが・・・

① 入塾前に学ぶ姿勢をつけておくこと

小3の2月に周りが塾に行きはじめて、急に焦って行こうとするとかなり厳しい戦いになる。

冬季講習あたりから参加している層は、かなり準備もしている。その層といきなり張り合うのは、学力よりも能力が相当に高い子でないと難しい。

では、進学塾に行く前の準備とは何か。
先取りでもあるが、先取りだけはないと考えている。
つまり、知識だけの先取りはだめ。やらないほうがいいくらい。

学力的な先取り以上に重要なのは、「学ぶ姿勢」。
「毎日学習するのを嫌がる」とかは問題外だが、単に与えられた課題をこなすだけでは「学ぶ姿勢」が低い状態と言える。

与えられた課題であっても、どうすれば効率よく習得できるか、原理はどうなっているかを考えながら学習する姿勢を身につけておきたい。
さらには、それを楽しめるような心もちになっていたら、最高だと思う。

つまり、学習に対して主体的な姿勢で、家庭学習で最大限学んで実力をつけていける状態。

その結果、入塾テストで志望校に最適なクラスに入る学力と、そのクラスでやっていける学習力をつけておく。
間違っても、お客さんになってはいけない。
その段階で、きつい中学受験になってしまうから。

もしも、希望のクラスに入る学力と学習力がないのであれば、入塾を遅らせてでもそれらをつけて準備したほうがよい。

② 子どもが自分ごと化している

子どもが主体の中学受験の状態を作ったほうがいい。

「親が塾に入れ、子どもが勉強させられる」
という構図だと苦しくなる。

受験する本人が、
「中学受験をして、あの学校に行きたい」
「苦しくてもがんばる」
と言っている状態。

つまり、子どもが行きたいと思える学校があること。
そのためには多少の苦労は耐えるという覚悟を持っていること。最初は行動が伴わず言葉だけでもいいと思う。

③ 親の適切なプロデュース

よく「中学受験は親の受験」と言われるが、「親が全部やる」ということではない。
受験するのは子どもだから。

でも、知識も経験も精神的にも未熟な小学生をプロデュースする必要はある。
②の「自分ごと化」に持っていくのも、親の手腕だと思う。

どの程度のレベルの学校を目指すのに、現状とどれだけの乖離があるのかをある程度把握して、家庭での学習はコーディネートしないといけない時期がある。

受験に向けて、今、何をすべきか、何を捨てるべきかを判断することが最初からできる子ばかりではない。
いわゆる「伴走」とは、ここに寄り添ってともに走ることで、「自走」へとつなげていくことだから。

模試での偏差値がいくつか、より、どんな問題はできてどんな問題ができていないのかを把握しておく。
それらはいつの段階で、できるようにするのか、しなくていいのか。
志望校は、どんな問題で、どれくらいの割合の得点率で合格するかを知っておくことも大切。

やることが多くてハードルが高いが、塾はこれらを個別にやってくれたりはしない。

場合によっては、コーチングしないといけないこともある。
だけど、「自分ごと」レベルが下がるような関わりはいけない。

やりすぎても、放任でもダメ。
親のプロデュースが難解なのはそういう理由だろう。


というわけで、今の生徒にもこれからの生徒にも息子から学んだことを生かしていきたいと思っている。
受験より前に相談にきてくれると打てる手は多い。
もちろん、あと数ヶ月で受験という段階であれば、必死に考える。

おわり

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