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顧客を知るとビジネスは超面白くなる。

  • リピート顧客はどうやったら増やせますか?

  • LTVはどのように上げたらいいですか?

  • 顧客数を増やすためにはどうしたらいいですか?

今までマーケティング支援をしているなかで、何十回・何百回と質問を受けてきました。

そして、支援を通して「リピート育成」や「LTV向上」という文脈で上手くいっている事業者と、逆に上手くいっていない事業者を何十社と観察してきました。

すると、私の中で徐々にマーケティング活動で上手くいくための法則が見えてきました。

早速答えを話すと、それは

『顧客理解の深さ』

だと考えています。

とはいえ「顧客理解」という言葉は非常に曖昧なものです。そこで「顧客理解とはそもそも何か」と「顧客理解を上げるために具体的に何をするべきか」について書きたいと思います。


以下では、分かりやすく説明するために「フルーツ屋さんEC」を例に出します。(僕がフルーツ好きなだけです)

顧客理解とは?

まず、繰り返しになりますが、リピート育成が上手く、LTVが高い事業者に共通するのは顧客理解の深さです。顧客に対する解像度の高さとも言い換えられます。

顧客に対する解像度が高いとはどういう状態でしょうか?例えば、顧客に対する解像度が高いとこのような発言がスラスラと出てきます。

うちは、8割がギフトとしてフルーツを購入してくれていて、2割は自分の地域では手に入らない高級フルーツを自分や家族と楽しみたいお客さんがが買ってくれています。

ギフトは大きく分けて、結婚祝いや誕生日などの記念日のものと、母の日や敬老感謝の日などのイベントに分けられます。ちゃんとしたものをあげたいけれど、モノだと選べない。でもフルーツなら好き嫌いが少ないし、みんなで食べてもらったら嬉しいと思ってもらえています。

家族で食べる人は、やはりイチゴが大好きなお子さんが家にいたり、うちは季節限定でメロンを出すのですが、そのファンが一定いますね。

逆に、上手くいっていない事業者はこれがありません。売上がいくらで、広告のROIがどれくらいか、などという数字のみの説明に終始する傾向にあります。

顧客理解の深い状態を定義すると、

「あなたの事業は、どんなお客さんがいて、誰が何に価値を感じているんですか?」と聞かれたとして、スラスラと淀みなく説明ができるかどうか。

と言えます。

顧客理解が深い事業者のお話を聞いていると、そのお客さんのことは全く知らないのに、容易に顧客像や行動が想像できてしまう、そんな不思議な感覚になります。

次に、顧客理解を上げるために具体的にするべき事について考えてみます。

Aさんという顧客の心理

ここに、Aさんという顧客がいるとします。

まず、多くの人が考えるのが、ペルソナ的なものです。

Aさんは20代で、女性で、東京都在住の一人暮らし、都内でデザイナーをしている。

これだけ分かっても「だから何?」という感じがします。現代の価値が多様化した世界では、属性情報では何も判断できないことが多いです。

結局知りたいのは「Aさんって何でうちの商品を買ってくれたの?」「どんな課題を抱えていて、どこで知って、どこに価値を感じてくれているの?」という心理的な情報ではないでしょうか?

心理的な情報をキャッチするために、アンケートやヒアリングなどの手段があります。しかし、ここで注意してほしいことは、基本的に顧客が深い心理的な答えを教えてくれることは稀だということです。

これに関しては、こちらの記事で解説しているのでご覧ください。

では、どうすればいいか。唯一信用してできる情報は『行動』です。

  • イチゴを購入したことがある。

  • 母の日のギフトを3年以上に渡って購入している。

  • 「高級メロンを家族で食べよう」という訴求の広告から流入した。

顧客は心理を言語化することはできません。しかも、事業者として顧客の心理をヒアリングやアンケートを通じて知りにいくというのは大変です。一方で(顧客の心理が反映された)行動は嘘偽りのない真実ですし、事業者としても顧客の行動情報を取ることはそこまで難しくありません。

Aさんの行動から心理仮説を立てる

というわけで、次のステップは、行動情報から顧客心理の仮説を立てることです。

  • イチゴを購入したことがある
    イチゴが好きなのかな?

  • 母の日のギフトを3年以上に渡って購入している
    お母さんと離れて暮らしている人なのかな?

  • 「高級メロンを家族で食べよう」という訴求の広告から流入した
    家族でフルーツが好きなのかな?

とはいえ、これはAさんの情報です。
Aさんが、イチゴが好きそうで、お母さんと離れて暮らしていて、家族でフルーツが好きかもしれないというのは、1人の例でしかありません。

ラベルを貼る

次のステップはラベルを貼っていくことです。イチゴを購入した人は他にもいます。母の日ギフトを買ってくれた人も他にもいます。「高級メロンを家族で食べよう」という訴求の広告から流入した人も同様です。

ラベルを貼ることで、同様の顧客をグルーピングをします。

すると、このようになります。

  • イチゴを購入したことがある人たち
    → 300人 / LTV: 5,000円

  • 母の日のギフトを3年以上に渡って購入している人たち
    → 20人 / LTV: 20,000円

  • 「高級メロンを家族で食べよう」という訴求の広告から流入した人たち
    → 100人 / LTV: 7,500円

このようなグルーピングを『セグメント』と呼びます。

ユーザーをラベルでまとめていくと「特定のインスタ広告から流入した人って多いな」であったり「ギフト目的の人はLTVが高いな」などと、ラベルからインサイトを得ることができます。

コミュニケーションを通じて仮説を検証する

次に、これらセグメントにアプローチしてみましょう。メルマガやLINEでコミュニケーションを取ってみます。

  • イチゴを購入したことがある人たち
     違う種類のイチゴが出たから教えてあげよう。

  • 母の日のギフトを3年以上に渡って購入している人たち
    父の日にもギフトを提案してあげよう。

  • 「高級メロンを家族で食べよう」という訴求の広告から流入した人たち
    家族で食べてほしい「桃」が入ったから教えてあげよう。

そして、その結果を見てみましょう。

例えば、イチゴを購入した人たちに違う種類のイチゴを紹介しても反応がイマイチだったとします。

また、この情報を元に仮説を立てます。

  • イチゴは買ったことがあるが、もう既に興味がないのでは?

  • イチゴが好きで買ったのではなく、イチゴが好きな人にギフトで送った人が多かったのでは?

  • 同じフルーツではなく、違うフルーツを試したいのでは?

仮説であれば色々出てきますね。これらに対して、さらにラベルを貼って、別のセグメントを作ってみます。

  • イチゴは買ったことがあるが、もう既に興味がないのでは?
    直近3ヶ月以内にイチゴを買った人たちに絞ってみる。

  • イチゴが好きで買ったのではなく、イチゴが好きな人にギフトで送った人が多かったのでは?
    イチゴをギフトで贈った人と、自分用に買った人で分けてみる。

  • 同じフルーツではなく、違うフルーツを試したいのでは?
    色々な種類のフルーツを買っている人で絞ってみる。

そして、再度新しいラベルのついた人たちにコミュニケーションをしていきます。

このように、仮説を持って、ラベルをつけて、ユーザーをグルーピングして、検証する。この作業を繰り返すことで、『誰がいて、何が好きなのか』の解像度がどんどん高まっていきます。

この作業を繰り返すことで、最初にあげたような「深い顧客理解が持てている状態」を作り出せます。

うちは、8割がギフトとしてフルーツを購入してくれていて、2割は自分の地域では手に入らない高級フルーツを自分や家族と楽しみたいお客さんがが買ってくれています。

ギフトは大きく分けて、結婚祝いや誕生日などの記念日のものと、母の日や敬老感謝の日などのイベントに分けられます。ちゃんとしたものをあげたいけれど、モノだと選べない。でもフルーツなら好き嫌いが少ないし、みんなで食べてもらったら嬉しいと思ってもらえています。

家族で食べる人は、やはりイチゴが大好きなお子さんが家にいたり、うちは季節限定でメロンを出すのですが、そのファンが一定いますね。

「価値ポイント」を増やして、価値を感じてもらう「顧客」を増やすこと。

この活動自体が、顧客理解を深める行動です。そして、事業が成長する限り、顧客も価値も変化するため、顧客理解という作業には終わりはありません。

これを大変だと思いますか?
それとも、楽しいと思いますか?

本来、顧客理解という行動自体はすごく楽しい作業だと思います。しかし「ROIを検証するために色々な訴求で広告を打つ」「毎日メルマガを微調整しながら打つ」などHOWに寄りすぎると一気につまらないものになってしまいます。

顧客理解を楽しむ

ぜひ、ここから始めてみて下さい。


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