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小説紹介 「最後の証人」



お久しぶりです!今回はちょっと思いつきで小説の紹介をしようと思います〜。今回紹介するのは、柚月裕子さんの作品「最後の証人」です。 柚月裕子さんといえば、みんな大好き「孤狼の血」を書いた人でもありますね!「孤狼の血」では、警察とヤクザを中心に、昭和日本の生々しい人間関係や裏の部分を描かれていました。今回紹介する「最後の証人」では、主人公佐方が、弁護士として複雑な事件の真相を暴いていく物語となっています。

あらすじ

 ある日、弁護士佐方貞人の元に一つの事件が舞い込んでくる。一見すると、男女関係の縺れによる殺人事件の様に見える。しかし、そこには深い過去の因縁、壮大なドラマが絡んでいた-

見どころ
 この小説は佐方シリーズの序章であり、元検察官の佐方がどういう経緯で弁護士になったのか、また、佐方がどのような人物像をしているかが描かれる。生えかけの髭にヨレたネクタイ、シワシワのスーツ。そして自分が受け持つ裁判の当日まで二日酔いするという適当な男、この男がどのように事件と向き合うのかというのが、まず見どころだ。
 この物語には、交錯する二つの事件が重要な鍵を握る。佐方が今回弁護する男女関係のもつれから生じた殺人事件。そして、7年前に起こった交通事故の事件。
 また、柚月裕子さんの特徴として僕が思うのは、キャラクター作りの上手さ、ストーリーの綿密さである。まず、主要な登場人物の描写がものすごく上手いと感じる。何というか、こういう人物はこういう行動をするだろうなというのをピッタリ嵌めてくる感じだ。また、人間の深層心理の描写も細かくされていて、物語により奥深さを与えている。

 この小説は、そんなに長くないが読み応えがあり、もちろんストーリー自体もよく出来ていて面白いので、気になったら是非読んでみて下さい。

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