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ロケットマンを観ました🚀(後編)

思った以上に長くなりそうだったので半分に分けました。
後編では作中に登場する様々な「愛情」について考えていこうと思っています。

家族愛、友愛、恋愛、自己愛、、、、
映画の中で様々な愛情が登場していました。
愛情というより愛憎混ざり合っているものもありました。

個人的に刺さったのは、母親とエルトンの間の愛情です。経済的や様々な理由があって仕方ないとはいえエルトン若干マザコンでは?と思いました。

家族愛というのはなかなか複雑ですよね。
日本は特に血の繋がりを重視しているようにも思うんですが家族、特に血の繋がりのある人というのはそうぽんぽんと出来上がるものではありません。

母親はエルトンがゲイであることを「とっくの昔から知っていたわ。」と優しく包み込んだかと思えば、
「お前のせいで私の人生はめちゃくちゃだ。産まなければ良かった。」とも言います。
あのシーンは、母親である前にひとりの人間である。ということを痛烈に感じました。

それから、友愛と恋愛と性愛。
この映画の中で最もすきなのはエルトンの親友のバーニーなんですが、彼の最上の愛は恋愛とは限らないというスタンスがとても好きです。
「君のことがすきなのは恋愛感情ではないけど、でもとても大切だよ。」というところ。

そう考えるとバーニーと対局にいるのがジョン・リード。「君のことは抱きたいけど、大切には思ってないよ。」というスタンス。
もちろんエルトンが破天荒かつ変わり者なので、仕事に対しては硬派な考えのジョンは大変だっただろうなぁととも思う。

もうひとつ大きなテーマが「自己愛」
スターになって、増してく孤独感に比例するような、派手な衣装。舞台裏では沈んだ顔で、舞台上では笑顔を見せるエルトンを見るのは心が痛んだ。

カウンセリングのシーンでは、物語が進むにつれて派手な衣装は最終的にプーマのジャージに。飾り立てなくても、ありのままの自分を周囲に見せられるようになっていった。

中盤ではバーニーに俺のことを分かってくれない!と怒鳴っていたのに、終盤では激高する母親に謝り、自分を伝え、「お互いに許し合うことが必要」とまで言えるようになる。
過去の自分をハグするシーンは、自分のことを愛せるようになったということが表現されていた。

ミュージカル映画、同性愛について、音楽家について、、、
この映画を説明するには様々な言い方があるけど、わたしは
「エルトンの、自分を愛するまでの成長物語」
だったなぁと思っている。

#映画 #洋画 #ロケットマン #自己愛
#映画の感想