見出し画像

高齢化社会と分断してる場合じゃない私たち。


我が師、川田十夢。今後もnoteを更新して行くらしい。ありがたいことだ。

今回は『高齢化社会という名の無理ゲーを攻略する』と題し、前回に引き続き祭典と現代日本を地続きにしながら筆跡は軽やかに、内容は誰もが目を逸らしようがない現実を拡張現実的に解決しようとアイデアを並べている。惜しげもなく、実直に誠実に。

わりと川田十夢のウリは実直とか誠実さにあると思っている。今回もけして老害という蔑視した言葉を使わずに、高齢化社会の開始が最大に可視化された祭典のグダグダを取り上げてくれた。

オリンピックの開会式。あのすったもんだの、てんやわんやに隠されたことは予想がついていた人は多いと思う。
文春の記事がどこまで真実かは別にしても、つぎはぎでテーマも絞りきれていない、川田十夢が書くように"はい、テクノロジー"と言わんばかりのドローン、唐突なイマジンの登場含めてなんだこりゃと失望しつつ呆然と眺めた。
だからよくわかる、長渕キックで目を覚まさせて欲しいと思ったし誰のためかわからないイマジンを流すくらいならギター一本、長渕剛が歌った方がよいと。(川田十夢は長渕剛とコラボレーションをして大成功させている。)

勿論パフォーマー含めボランティア含めなによりアスリートたちの健闘する姿が素晴らしいことに変わりはないが、開会式に限って言えば確実に既得権益層の高齢者たちのもたらす弊害が可視化されていたし、そして政治家は民衆を舐めてるんだな、誰も責任を取らないってすごいことだなと思わせる開会式だった。

モンスターのような既得権益層の高齢者たちが作り上げた砂上の楼閣よりタチの悪い夢のような開会式。
川田十夢が言うように、高齢化社会は先進国の宿命のようなもの。ちなみに先進国とは技術が発達し経済が発達している国のことで内閣府によると、『OECD加盟国。ただし、一人当たりGDP(2010年。市場レートベース。)が1万米ドル以下の国(チリ、トルコ、メキシコ)を除く。』と定義してある。

そして令和二年度の年次経済財政報告書の副題は〜コロナ危機: 日本経済変革のラストチャンス〜だったのだがラストチャンス、なるほど。
川田十夢のアイデアはそのラストチャンスをチャンスたらしめ高齢化社会に変革をもたらすかもしれないのだから、しっかりと読んでいこうと思う。まず、高齢化がどんなものか。

詳細を川田十夢が示す。"9年後の2030年には3人に1人が65歳以上となる。団塊の世代がもれなく後期高齢者(75歳以上)に該当。人口の2割に値する。社会保障制度の担い手となる現役世代1.8人に1人の割り合いで、老人を支えなくてはいけない。ずっと言われ続けたものの現実味のなかった問題が、開会式によって前倒しで明るみになったのである。"

 今私は実際に後期高齢者で少し認知の入った老父と持病が悪化して入院中の老母の世話をしている。介護と呼ぶにはまだまだ序の口。しかし、今後社会保障制度を利用しながら面倒を見て行くことになるだろう。如実に高齢化社会に直面しているのだ。
そして遠くない将来、私も高齢者になる。一応川田十夢と同世代という括りに入るとしてそんなに遠い話ではない。そのせいもあり「老害』と切り棄てる言葉を受け入れらないでいるのだ。

だが。既得権益層の老人たち、政治家の横暴はどうだ。川田十夢が指摘するようにオリンピックの政治利用、国債という国民に背負わせる借金、使い途のわからぬ税金。

あらゆる予算は国民が支払った血税が元本となっている。国債で特別に調達した資金だって、要するに国民が背負わされる借金だ。コロナで大変なときにオリンピックを強行開催するのも、開会式で口利き優先しちゃうのも、組織委員会の幹部に政治与党の元スポーツ選手議員を送り込むのも、五輪で得た何かしらのフィードバックを次の選挙で期待するのも、全部オカしい。と川田十夢が列挙するまでもなく私たちは事実を知る度に怒りを感じてきた。

せめてオリンピックで。という思いも醜聞続きで結局は期待を裏切られた形になった。誰も国民に夢と希望を与えることはできなかった。だが、川田十夢がnoteに文章を書くことで伝えたいことは政治の腐敗を糾弾することではない。伝えてゆきたいのは政治の腐敗ではなく、未来を象ってゆくための具体的なアイデアである、開発者の使命であるし、宿命であるだろう。あるいは責任か。

そんな川田十夢がまず提案するのは選挙。本域であるARを使って公示ポスターに印刷していない政治家にとっての不都合を、もれなく可視化するというもの。使い込んだ税金もどこかの団体≒票田へのエコ贔屓もすべて可視化。夢のようなシステムである。

ついでに高級クラブのお姐さんあたりも、…おっとそれはプライバシーに関わるかもしれないがポケットマネーであるかどうかは明らかにしておいて欲しい。女のひとりも自力で喜ばせることができないなんて国政を任せる器なんてない、なんて書いたらポリコレにぶん殴られるだろうがわりとそう思っている。

話を元に戻す。インターネット投票になれば若年層が投票しやすくなる。我がど田舎では投票所に両脇を抱えられたお年寄りが息子だかなんだかに連れられて「〇〇さんて書いて」と囁かれながら投票している。多分、候補者のことなんて何にも知らない。
こんな一票と、自らこの人だと思って入れる一票の違い。政治に無関心ではいられなくなる。技術的にはブロックチェーン技術を使えば透明性のあるインターネット投票ができるだろう、とふんわり書いておく。そういうのは開発者である川田十夢がしっかり考えてくれるだろうから。

2030年に本格化する高齢化社会下の人口推移を川田十夢が示す。ここから読み取れることは高齢者の比率が益々増えて、社会保障を支える世代、肉体労働者も頭脳労働者も減るHell。悲観的になりそうなところを開発者目線でみるならば、テクノロジーの出番ということになる。高齢者も、現役世代も、若年層も全てにイノベーションが必要であるのだと川田十夢。

その土台となるのは人工知能と言えるだろう。専門の勉強と並行するような努力をAI開発に払えば商機はある、と川田十夢。特に予防医学の分野は決定打がない。熟達した人間の経験を宿したAIは、やがてロボティクス化。更なる商機が見込めるという。ただし鍵となるのはお金。どんな優れたサービスも続いてくれなくては広がりようがない。

そして現役世代から拡張をはじめ、高齢者のプライドを名作漫画や映画から学び大事にしつつ拡張するといいというのは本当。それまでの職能を経験として宿しているから拡張次第で現役の時よりも能力を発揮する可能性大。

能力を発揮するのは人間だけではない。ARそのものもセンシング技術と組み合わせることによって高度な成長を遂げる、とARのど専門家が言うのだから間違いないだろう。ミラーワールドの活用も今より具体的になり"新しい現実"へ私たちを誘って行くのは間違いない。鏡像世界がまもなく生み出す経済圏によって、ツーリズムやファッションにも大きな変革をもたらすのである。

テクノロジーが果す人間の拡張とミラーワールドが組み合わさったサービスが構築されたなら、それをそのまま輸出できるようになる。
果たしてこのアイデアを政治に取り込めるセンスを持った政治家が誕生するのか。いわば政治家も拡張されないとならない。

川田十夢は広告と政治が全部終わってしまったわけではないと、気遣いをみせる。いや、本心からそう思っているだろう広告の切実を訴えている。それは広告の世界の人への応援だし、信頼だ。私は広告の世界のことはよくわからないので愛読本である昭和3年、広告黎明期に書かれた『街頭広告の新研究』/水田健之輔著の一文を貼っておく。

『吾々にとつては廣告の概念と云ふものは詐欺と云ふものと同じ意味ではない。吾々は廣告と云ふものから事實性と云ふものを望む、文藝と云ふものを望む、廣告は仰せだけであつてもいけない、又餘り確信し過ぎてもいけない、又叫び過ぎてもいけない、唯情緒と理解とを要求すれば足る。』

この一文の後、著者はゲーテの言葉を引用している。
『ただ全人間の生命と云ふものの中に入って把握せよ。而して汝が手にせる處、其處に面白味と云ふものが湧いてくる。』
広告も政治も同じじゃないですかね?

超アクティブシニアも我々ナイスミドルも、Z世代も分断してる場合じゃない。それぞれの良いところを享受して、自浄作用を仲間内にもち、互いを尊重しながら絶望を捨てましょう。面白味を感じながら、誰かを引き摺り下ろすことにエネルギーを費やすのではなく、生命の輝きを未来に向けませんか。

と、前向きになれる川田十夢の地に足のついたアイデアだった。なんというかSDGsには胡散臭えと思っても川田十夢のアイデアは軽やかで主体としてやってゆきたいと思わせられる、自分自身の小さな枠組みから。
もし仮に川田十夢に対して意見があるなら節度を持った言葉で話しかけてみるといい。可能な限り答えてくれるだろう。

あと最後になりますがファミコンウォーズ、知らないんだよねぇ。横井軍平のプロデュース作品なんだけどやったことない。ので、キービジュアルがファミコンウォーズである、戦術をそこからサンプリングしているとしても、ああ、横井軍平プロデュースの。という感じだったことだけはこっそり告白しておく。

感想文なのにこんなに長文。ノイローゼなのかもしれない。こんなんだから川田十夢特化型blog「十夢の文字列のつらなり」も怖がられているのかもしれない。特に誰からもなんのリアクションもなく褒められることもなく書き続ける偏執狂なのは認めるが、そんなに怖くはないですよ。え、そういう怖さじゃない怖さがあるんですかね?しょんぼり。

川田十夢が褒められたら伸びるタイプなのは多分大いにそうだと思われる。

(太字は川田十夢/高齢化社会という無理ゲーを攻略する からの引用です。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?