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意味が分かると怖い話 part①

○沈黙する彼            ★☆☆
 私の彼は無口。日頃常に黙っていて、物事を話す事なんて無い。私のお父さんは彼との交際を認めてくれない。挙げ句の果てに打とうとまでして乱雑に扱うの!私は思わず、「健太にそんな事しないで!」と言ってしまった。お父さんはびっくりしてたなぁ。「健太って誰のことだ?」とか言って。もう、そんな悪い冗談はやめて欲しいもんだよ。


(解説)
「健太」というのは人形か何か。だから無口で話す事がない。そして女の人は『扱う』と発言しているから気が狂っているわけでもなく、人形だと分かっててこう言っている…。


○罪人               ★☆☆
 ある国にある刑務所に一人の罪人が居た。彼は一家を殺害したものの、情状酌量が認められて仮出所していた。
 家に帰ってから彼は一家の残った遺族に反省と慰謝料の手紙を書いた。

私は許されぬ事をしでかしました。私の事を憎む気持ちは大いに理解できます。指定された慰謝料も、これから払っていきます。すみませんでした。

 やがて一家の生き残りの父親から手紙が送られてきた。

貴方のした事は許される事ではありません。様々な思いがあることでしょうが、まずは
自分を立ち直らせてあげて下さい。私の家族を
殺した事を思い出して辛いのです。
しんだ人は帰りません。それは明確です。
ろく歳だった娘も。妻も。

 罪人はその後自殺してしまった。罪の重さに耐えかねたのか、それとも他の何かがあったのかは誰も知らない。


(解説)
一家の生き残りである父親からの手紙の一番端の行を読んでみよう。家族を殺されておいて、やすやすと許せる人なんていない。ろく歳など、不自然な点があるからこれは簡単だったかも?


○駅でのこと            ★★☆
 駅で電車を待っていた。目の前に人が飛び降りた。二人死んだ。


(解説)
飛び降りた人の肉片が別の人にぶつかった為に、二人死んだということ。


○西瓜泥棒             ★★☆
 俺の昔の話をするぜ。
 俺の地元はかなりの田舎でな、西瓜の栽培が有名だったんだよ。でもかなり高価でなかなか買えなかったわけ。
 で、俺は小学校の頃、クラスの悪友達と共に西瓜を盗む事にしたんだよ。電車の線路沿いにある七十を過ぎた老人の畑で。どうせバレないだろとか言って調子に乗って、真夜中に忍び込んで数人で西瓜を抱えて走った。
 そしたら、向こうから懐中電灯を持った警官が歩いてきたわけだ。俺達は西瓜泥棒の件がバレたかもしれないと思って、その西瓜を放り出して逃げたんだ。
 次の日、学校の帰り道にあの線路沿いの畑へ行くと、パトカーと警察官が居たから俺は気になって「何があったんですか?」と聞いた。西瓜泥棒の件がバレたのか知りたかったのだ。
 すると警察官が「昨日、そこの線路に人が入って電車に轢かれる事故があったんだ」と言った。俺は安心した。
 しかし数日後、俺は人づてに轢かれた死体は破損して首だけが無くなっていて、畑の中でその首が見つかった事を知った。
 俺はその時気持ち悪くなって吐いた。何でだと思う?


(解説)
主人公と悪友が盗もうとしたのは…。

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