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恐怖の術後体験記 ー円錐切除術・術後レポー

子宮頸ガンと向き合うアラサー独身女の独白はまだ続きます。よかったら読んでください。

術前は手術への不安で心折れそうだったんですが、術後はこれからの不安と体力の回復でこれまた大変。手術後の体の違和感、痛み、体力の回復の遅さ、長く続く出血、日常生活に戻れない苛立ち、崩れる精神バランス、これまでと違う生理痛への恐怖、これからの生活のあり方…。

学んだことはたくさんあるけど、正直もう経験したくない辛い1ヶ月でした。

▼術後の日々

術後1日目
 とにかくしんどい。ベッドにはりつけの刑にあったかの如く、何もできない。動いてないのに、無駄に食欲だけはある。人体の不思議を感じる。術後はじめてのシャワーを浴びるのは怖かったけど、なんともなかった。ほぼ出血もなし。平熱。

術後2〜3日目
2日目に出歩けるのかなと思って歩いて数分のコンビニに行ってみた。帰っては来れたけど、そのあとの疲れが尋常じゃなくてしばらく家から絶対出ないと決める。血圧が90台以下/60台以下で、ちょっとした家事するだけでクラクラ。その状態がずっと続く。Amazonプライムビデオだけが友だち。ご飯つくる体力なくてウーバーイーツ頼もうかと思ったけど、画面上で油っぽいものを見ると気持ち悪くなる現象多発で断念。雑炊とうどんでほぼ乗り切る。

術後4日目
親が尋常じゃない量の食料持ってきてくれたおかげで外出しなくて済んだ。頼れる人がいるってありがたい。謎の頭痛がひどくて頭痛薬を恐る恐る飲む(薬は病院では何も処方されなかったので)。その後、寝る前に傷口がチクチク痛み出す。もう一度薬飲むのが怖くなり、全然寝れない地獄のような夜。

術後5〜6日目
一汁三菜をひーひー言いながらつくれる余裕が生まれるように(それまではワンディッシュが精一杯)。血圧も時間によっては100超えるようになる。夜だけじゃなく昼間も傷口が痛む。そのせいか精神状態の乱高下が凄まじい。急に涙出てくる情緒不安定モードに突入。

術後7〜8日目
体力がだいぶ戻ってきた感じあり。20分くらいの散歩はできるようになる。血ではなく体液が傷口から出てくる。黒っぽい体液とその匂い(生理中の鉄っぽいのとは全然違う嗅いだことのない匂い)のせいで、自分の身体じゃないような感覚を持ってしまい精神状態がまた乱れる。こういうことってあるのかなと思って調べている間に子宮全摘出された方の記事を見つけてしまい、読んでひたすら泣く。多分このあたりが情緒の乱れのピーク。

術後9〜10日目
お散歩中、信号点滅した時に小走りできるくらいには体力回復。しかし外の匂い(マクドナルドとかの油っぽいの)で気持ち悪くなる。得体の知れない体液はほぼなくなる。血圧はだいたい100/70は超えるように。乳腺が驚くほど張る。生理時の比でないくらい痛い、圧倒的絶望感。9日目あたりでかなり鮮血が出るようになり、手術部分のかさぶたが取れたんだなと思った(7日~14日くらいで大体はがれ出血します)。

術後11〜20日目
11日目ごろから職場復帰。職場までの通勤が結構しんどい。座っているだけのデスクワークは問題なくできる(階段の上り下りは体力的に怖いから極力控えました)。どんどん血の量は増える。鮮血とわたしの終わりなき戦い。ナプキンは何枚あっても足りない。人間の血の赤さに引く。乳腺は変わらず張ってる。PMSだったんだろうけど、夕方になると異常に眠くなる傾向あり。そして容赦なく生理はやってきて、経血と鮮血のダブルパンチでノックアウト。生理痛は以前よりひどくなってしまったかも…?12時くらいにベッドに入ったのに朝7時まで寝れない日はさすがに辛かった。

術後21日目以降
検診で病院に行くも、「まだ自転車乗ったり、お風呂入ったりしたらダメです。もう1ヶ月我慢してください。」と言われショック(術後1ヶ月で日常生活に完全に戻れるもんだと思い込んでいた)。手術して1ヶ月で出血はほぼ止まる。術前より匂いに敏感になったのか、外でタバコなどの煙たい匂いを嗅ぐとちょっと気持ち悪くなってしまう。飲んじゃダメとは言われてなかったけど、3週間禁酒してから解禁したら、元は比較的強い方なのにびっっっくりするくらい弱くなっていた。(仕事で飲まないといけない人は、本当に気をつけてください…)

お医者さんは「術後の翌日から職場復帰できますよ」って軽く言っていたけど、とんでもない。どれだけ忙しい職場でも、術後1週間くらいは休んだ方がいいです。オススメですよってテンションではなくて、これはガチの警告です。

▼術後、家にあって本気でよかったもの6選

fire TV stick
意識はしっかりあるし熱もないから、何かしたいけど何もできない。本を読むのもしんどい。そんな時の救世主。音声認識もありがたい。おかげで見るつもりなかったのに、バチェラーを1〜3まで全部見てしまった。

乾燥機付き洗濯機
洗濯から乾燥まで全部やってくれるから、本当に家事が楽。洗濯物干すのは意外と体力使うので。(食洗機もあればより良いと思うけど、一人暮らしの家にはなかなか置けない…)

血圧計・体温計・体重計
自分の体の状況を知っておくためにはあったほうがベター。わたしは、自分の中でこれ以上血圧低いと動かないとかルール決めていた。円錐切除後は38度以上の熱が出る場合があるそうなので、体温はしばらく毎日計るほうがいいかなと。

作り置きのおかず
一人暮らしなら術前に作り置きしておくか、冷凍食品系買い込んでおいた方が絶対良い。術後すぐには動けないので、体に優しいものがオススメ。(わたしは肉じゃが作りおいていたんだけど、病院でも肉じゃが出てちょっとショックだった。笑)経口補水液のたぐいも買い置きしておくとベター。

前開きのパジャマ
服の脱ぎ着がしんどいのでルームウェアじゃなくて前開きパジャマがおすすめ。個人的にはオーガニックコットン推奨。

カップ付きのキャミソール
ホルモンバランスが崩れたのか、乳腺がむっちゃ痛い。そんなこと一言も先生言ってなかったから予想外。PMSの時より俄然痛い。ユニクロでもGUでもなんでもいいから、とりあえず大量に締め付けの少ないのを買っておいた方が良い。

▼大事になってくるこれからの暮らし

そして、大事なこれからの話も。わたしが思ったことをつらつらと書いておきます。どなたかの参考になればいいな。

パートナーがいる人の場合

日常の暮らしについてはもちろん、今後の性生活についてと出産の希望がある場合のことを、お相手としっかり話し合うことが大事だと思います。

パートナーの方は決して女性を追い込むようなことは言わないであげてほしいなと。子宮体部は温存されているとはいえ、大きなリスクと不安を術後の女性は感じています。その不安を溶かしてあげられるのはパートナーの方の思いやりのある一言、これに尽きます。一緒に住まわれているなら、どうか日常生活のサポートを率先して行ってあげてください。

あ、あと。これはパートナーに限った話ではないのですが!どうしても言いたい!!
わたしは手術前後に何人かの男性(パートナーではない人)に仕事などで連絡つきにくくなるなと思って、軽く円錐切除の話をしました。なぜか男性は子宮の病気だとわかると大体の人は話題から一歩引くんです。女性特有の病気は触れてはいけないタブーな話だと思っているんじゃないかなと。日本の「セクハラ」という言葉が作り上げてしまった文化の歪みみたいなものをすごく感じました。過干渉でもなく無視でもなく普通にどうか接してください(わたしはnote公開後は多くの人に理解をしてもらえてすごく助かりました)。

現時点でパートナーがいない人

ゆっくり安静に過ごしながら、経過観察することが大事だと思います。パートナーになられる方が現れた時には、手術をした話をどのタイミングでするかは関係性次第ですが、早い段階で伝えた方が後々の関係性を考えた時にいいのではないかなと個人的には思います。付き合ってから言うのはもはや遅いかも。

あくまでわたしの経験則ですが、多くの男性は結婚を考えた時に子どもが欲しいとおっしゃいます。(個人的な感覚では女性より男性のほうがその割合が高いような気がします。)
※出産の観点から書いているため、パートナーを男性とここでは定義しています

円錐切除術後も妊娠・出産は可能ですが、早産のリスクが高まります。事前に、お二人でしっかり合意形成されるとトラブルは起きにくいのではないかなと思います。直接言いにくい場合はふたり会議のようなサービスを使われるのもいいかもしれません。

なーんて、偉そうに書いてますが、かく言うわたしも今後はとっても怖いです。これまでの日常に戻っていくことの難しさを感じて、術後1ヶ月はひたすら毎日悩みました。

1ヶ月経てばおおよそのことはこれまでどおりにできるようになり、精神も安定的になりました。しかし5年間は経過観察が必要とのことで、病気とのお付き合いは続きます。それを思い出すたびに重苦しい気持ちになるけど、まあそれも含めてゆるやかに自分の人生を楽しんでいきたいな。

というわけで術前の感情変化、手術中のこと、退院後のこととnoteを3本書いてみました。同じような状況にいる方、そのパートナーやご家族の方にとって少しでも有益な情報や言葉があれば幸いです。


普段の自分ならしないことに、サポートの費用は使いたいと思います。新しい選択肢があると、人生に大きな余白が生まれる気がします。