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ウチのカメラさんたち 2

1回目と同じジャンルのフィルムコンパクトカメラ。

35㎜F3.5搭載の高品位単焦点コンパクトカメラ。

OLYMPUS μ(オリンパス ミュー)です。

前回のビッグミニシリーズに対して、
曲線を多用したエルゴノミクスフォルム。

たぶんというか、かなりビッグミニを意識して
作ったようで、同様のレンズでも写りがよくなるように、AFを高性能にしてきた。

というのは、ビッグミニは初代、BM-201と
オートフォーカスは23ステップといううもの
だったが、
ミューは100ステップにしてきた。

このオートフォーカスのステップ数というのは、
無限遠(最遠距離)から最短撮影距離までの
オートフォーカスの刻みで、
細かいほど精度が良いわけで。
一眼レフのオートフォーカスは刻みがなく
シームレスであることはピントリングを回せばわかる。

大げさな例を出すと、オートフォーカスではないカメラで、ゾーンフォーカスというピント合わせを採用したカメラがある。例えばこの場合だと、
同じオリンパスのXA2を例に出そう(XA3もフォーカシングに関しては同じである)ゾーンフォーカスで遠景、中景、近景の三か所をスライドレバーで選べる。実のところこのレバー、スライド途中でも使えるので、ある意味シームレスで距離目測で何となくな設定が可能である。
ちなみにレンズバリアを閉じると中景にリセットされる構造である。
このXA2のゾーンフォーカスを自動化させるとすると3ステップとなる。
遠く、人物をとるような中間距離、近く、
の3か所、
これでも広角レンズで絞り込まれればまあ、
見られる写真になる。

ビッグミニ初代は23ステップ中の12ステップが
クローズフォーカス(近距離)に使われて、
残りを無限遠からクローズフォーカス手前、
普通にスナップをとるくらいの範囲をカバーしている。
ビッグミニBM-201はシームレスで
クローズフォーカス(マクロ撮影)
ができるだけで、
ステップ数の振り分けは同じだろう。

レンズは近距離ほどピントがシビアになる。
近寄るとボケが大きくなるのである。

ミューでは4倍ちょっとの100ステップを
搭載してきた。
これはピントの精度を上げるためであり、
ひいてはレンズの性能をより引き出す
かたちとなる。
このミューはビッグミニBM-201あたりが
ライバルなのだが、
ビッグミニは次世代機BM-301で198ステップにしてきている。
これは明らかにミューを意識している。
このあと、AFコンパクトカメラのスペックにAFステップ数がしばらく追加されるが、
いつの間にか消えた。

レンズバリアを開ければほぼ待たずに撮影が
できるので、ミューは多用した。

といっても、このクラスのライバルたち含め、
ノーフラッシュで撮影するのを主としてきた
わたしは、いちいち自動発光にリセットされる
フラッシュモードをOFFモードに切り替えるので
面倒ではあったし、さっと取り出してさっと撮るのには不向きだったかもしれない。
本来、撮影目的ではない外出のお供にカバンに
入れていたのがメインだったように思う。
それでもこのカメラにはかなりのフィルムを
通した。

500万台以上を生産したとされるこのカメラ、
今現在生存数がかなり少ないというが、
うちにあるこのカメラはじめ、
今すぐに出てこないがもう何台かある。
このマイナーチェンジのμパノラマもあるが、
故障知らずである。

一般家庭でのフィルムの消費量はどのくらいだろうか?(当時で)年数本がいいところか?
わたしはこのカメラの現役時には一日に十本以上通したことがあるし、
フィルムを次の日に持ち越すことはほとんどなかった。
その割に壊れないというのは、
消耗よりも使わないことに起因する故障なのだろうか。

そういえばモノクロフィルムをコスパよく使うために、
長巻を自分でパトローネに詰めていたが、
カメラがDXコードを詰めた中身のフィルムとは
違う、
フィルムのパトローネの感度で読まないように、アルミ箔とテープでISO400になるように
接点に張り付けていた。
ちなみにDXコードがないパトローネを入れるとISO100になるのでISO100のフィルムの時は
接点を絶縁するテープに張り替えていた。

リバーサルフィルムも使ったが、
露出もなかなか良かった。
いいカメラだ。

レンズバリア内にフラッシュまで隠れる構造
操作系は上面に集中 シャッターボタンが大きい
裏ブタはシンプル 
親指がかかるグリップ状になっているデザイン


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