【教育】小学校と中学校の教員の子どもとの関わりの違い
今回は私がスクールロイヤーをやってきて最近改めて実感したことを取り上げたいと思います。
それは,小学校の教員と中学校の教員とで児童・生徒(以下「子ども」で統一します。)との関わりが違うことです。
例えば担任の教員が自分が担任しているクラスの子どもからいじめ等について聴取する場面があったとします。
当たり前かもしれませんが,まず動くのは担任の教員になります。
音楽の教員でも職員でもありません。
事実を聴取する担任の教員がその子どもから信頼されていなかったらどうでしょうか。
その子どもは事実だったり本人の気持ちだったりを正直に打ち解けて話してくれるでしょうか。
やはりそのようなことはありません。
この時,小学校の教員と中学校の教員とではそれをフォローすることができる教員が見つけやすいか否かで違いがあることがわかりました。
それは,小学校の教員は基本的に担任の教員が基本的な科目全てを担当していますが,中学校の教員は自己が教育する科目は一定のものに決まっています。国語の教員は教育するのは国語の科目だけです。
そうすると,中学校では担任の教員が仮に事実を聴取しようとしている子どもから信頼されておらず話を聞きにくい場合があったとしても,他の科目の教員もそのクラスの教育を担っているのでどんな子どもなのかということもある程度共通の認識があります。
しかし小学校の担任の教員の場合,ほとんどの科目を担任の教員が教育しますので,自分のクラスの子どもを知っている教員を中学校と比べると見つけにくいのです。
もちろん見つけにくいというだけで見つからないわけではありません。
ただ,それにはひと工夫を要すると思います。
第四章 いじめの防止等に関する措置
(学校におけるいじめの防止等の対策のための組織)
第二十二条 学校は、当該学校におけるいじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、当該学校の複数の教職員、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者その他の関係者により構成されるいじめの防止等の対策のための組織を置くものとする。
上記の条文の通りいじめの防止等対策組織はいわばチームです。
必ずしも小学校においてその子どもを知らない他のクラスの教員であったり,職員であったり,スクールカウンセラーであったり,スクールソーシャルワーカーであったりでも、知恵を出し合って対応することはできるはずです。
できないと思ったらそれで終わりです。
小学校においても担任の教員だけで抱え込まず,チームで課題に当たってもらいたいと思います。
今回はここまでとします。読んでいただきありがとうございました。
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