【Day55(22/2/27】株主構成から考えるCxOキャリア分析②- 株式会社ネットプロテクションズホールディングス-
CxOを目指されている方への転職支援の仕事をしていると、CxOになるためのキャリアステップや、どのくらいの待遇になるのかについて質問をいただくことが良くあります。
これらのトピックスは確かに情報の非対称性が生まれやすく、またあまり情報が出回らないので調べられる限りで調べてみようと思うに至りました。
上場した企業であれば情報は公開されていますし、そこからある程度の情報は集めることができるかなとの考えに基づき、直近上場した企業の中から自分が興味を持てた会社に絞って調べて情報をまとめて参ります。今回は株式会社ネットプロテクションズホールディングスについて調べてみます。
●会社概要
まずはHPを参照して概要についてまとめます。同社は、BNPL(Buy Now Pay Later)ビジネス手掛けている企業です。
つぎのアタリマエをつくる
をミッションに掲げています。2021年12月15日に東証一部に上場されました。
●株主構成
※所有株式情報はJPXの新規上場会社情報に記載されている各種データを引用したものになります。リンクは記事の終わりに貼っております。URLを貼っていない情報については、すべて会社HPからの引用になります。
所有株式が1%以上の方について調べていきます。
柴田 紳氏(現代表取締役):1998年に一橋大学卒業後、日商岩井株式会社(現・双日株式会社)に入社。 2001年にIT系投資会社であるITX株式会社に転職し、株式会社ネットプロテクションズの買収に従事。
鈴木 史朗氏(現取締役CTO) :東京工業大学大学院 情報理工学研究科 修了後、株式会社構造計画研究所に入社。その後テクマトリックス株式会社にて
コンピュータ・シミュレーションや金融計算など、数理技術を活用した研究開発やコンサルティングに従事。2002年に株式会社ネットプロテクションズに入社し、CEO柴田氏と二人三脚でNP後払いの立ち上げをリード。
1%以上の方がお二人だけでしたので他の方についても調べてみます。
木下 孝之氏(現執行役員):現・株式会社JFLAホールディングス、現・株式会社フライトホールディングスにて株式公開を2度経験。経理部門の責任者を経て、2005年株式会社ネットプロテクションズに入社。財務経理グループを統括し、2017年に執行役員に就任。現在は管理部門を統括し、ファイナンスの観点から新規事業創出や海外拠点進出の推進をしている。
秋山 瞬氏(現執行役員):慶應義塾大学卒業後、設立2年目の人材系スタートアップ企業に新卒1期生として入社、新規事業の立上げや関西支社設立にも携わった後、「次世代を担うリーダー創出」を志し、2009年に 株式会社ネットプロテクションズの人事として参画。2017年に執行役員に就任し、翌年、マネージャー職を廃止した人事評価制度『Natura』をリリース。現在は人事総務グループと企業アライアンスを行うビジネスディベロップメントグループを兼務。
小松 哲哉氏:新卒で大手SIerへエンジニアとして入社。その後2009年にネットプロテクションズへ入社。現在は(?)カスタマーサクセスの統括の役を担われているようです。
尚、現取締役CFOの渡邉 一治氏の所有株式割合は0.05%でした。ご経歴は、
朝日監査法人(現有限責任あずさ監査法人)に入社、上場会社の監査やIPO支援に従事。監査部門従事の後、朝日監査法人の提携先であるアーサーアンダーセン・ニューヨーク事務所コンサルティング部門を経て、日本にてコンサルティング会社㈱朝日アーサーアンダーセンのスタートアップに関わり600名超の体制に。JSOXにより監査部門とコンサルティング部門の分離が求められることを契機に、事業会社に転出。半導体製造装置メーカーの㈱ディスコで経営戦略グループリーダー、家庭用ゲームメーカーのスクウェア・エニックス・ホールディングスのCFO(最高財務責任者)を歴任後、2020年7月に株式会社ネットプロテクションズに入社。
●まとめ
同社の場合、投資家の所有割合が多いのがそもそも特徴の一つですが、やはり参画したタイミングが所有割合に大きく影響しています。改めて設立者以外で1%所有できるのは稀なことなのだろうなと思いました。
SOを狙った転職をするのであれば、目利きをしたうえで、やはり早い時期に参画することが重要になりそうです。
●新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/nlsgeu000005zood-att/12NetProtectionsHoldings-1s.pdf
●上場時決算短信
https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/nlsgeu000005zood-att/12NetProtectionsHoldings.pdf
個人的には、上場時にどんな役割をになっているかも大切だと思いつつ、長年の功労者の方が評価されるような仕組みが望ましいと思っています。さらに言えば、上場時には在籍していなかったけれど、それまで支えてきた方がも報われるような仕組みがより浸透していくとより望ましいのだろうなと考えています。
本稿は以上になります。最後まで読んでくださりありがとうございます。