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【Day14】スタートアップキャリア私論①ー裁量権についてー

皆様こんばんは。
今日はお二人の方とご面談させていただいたのですが、こうやってお時間をとってくださるだけで本当に嬉しくて、ありがたいなとしみじみ感じております。

この仕事は本当に人に支えられてこそできる仕事で、人とのご縁で成り立っている仕事だとつくづく思います。

さて、今日はスタートアップで裁量権が得られるってほんとなの?裁量権ってそもそもなんだっけ?というテーマについて考えてみます。

さらっと書けるようなテーマではなく、じっくりと記事にしたいところなのですが、明日の朝が早くこの後も仕事があるので、ひとまず書き進めます。言い訳がましくてすいません。。このテーマについては断続的に記事にしていきます。

◆この記事はこんな方にお勧め

スタートアップで働くことに興味がある方
スタートアップへの転職を検討中の方
今大企業にいてスタートアップの生々しい実態を知りたい方

◆スタートアップと裁量権についての省察

結論からお伝えすると、スタートアップに転職すれば確かに「裁量権」は得られます。しかし、スタートアップにもいくつかのフェーズがあり、また裁量権もかなり曖昧な言葉なので、実際に意思決定する際にはもう少し掘り下げて、具体化する必要があります。

スタートアップに転職を希望される方はよく「裁量権が欲しいのでスタートアップに興味を持っています」といった趣旨のことを仰ります。私も前職に転職する際には同じようなことを言ってました。

「自由に働きたい」
「フットワーク軽く動きたい」
「スピード感持って仕事がしたい」

そんな思いとともに「裁量権が欲しい」という思いは語られることがほとんどです。

裁量権という言葉は実は辞書にはない言葉のようです。かろうじてgoo国語辞典に記載があったのですが、そこには「裁量処分を行う行政庁の権限」と記載されていました。求めていたものと違う。。。

そこでひとまず「自分の考えや意思に基づいて意思決定できる権利」と仮置きしてみます。もしこの定義に従うのであれば、間違いなくスタートアップには裁量権はあります。もう少し細かく分解すると、そして、「創業からの期間」が浅いほど裁量権はあり、「組織規模」が小さいほど裁量権はあり、「役職」が高いほど裁量権はあります。

例えば、スタートアップとはいっても、上場直前の企業に一メンバーとして入った場合、おそらく想像されているような裁量権は得られないでしょう。(それでも大企業にいるよりは得られるのかもしれませんが。。)なので、本稿においては比較をしやすいように、アーリーフェーズのスタートアップを想定して「スタートアップ」という言葉を使います。

それでは、本題に入っていきます。スタートアップではなぜ裁量権が持ちやすいのでしょうか。結構これは大切なポイントになるので、しっかりお伝えしたいところです。それは単純で、スタートアップは整っていないことが多く、決まりごとが少なく、良くも悪くも余白だらけだから、ということに尽きます。そして裁量権を求めて我武者羅に働こうとする人がいるから、裁量権が得られるという構造があります。

このことは二つのことを意味しています。

裁量権があるというのは、余白が多く自由であることと同義であり、それはつまり大きな責任と負荷を伴う
スタートアップには裁量権がある(=与えられる)わけではなく、裁量権は自ら取りに行くものである

①については、よくいう自由は責任を伴うというやつです。受け身でいることは許されない環境がスタートアップだと思っていただき、どれだけ覚悟できるかはとても重要です。他責にしたところで何も物事は変わらないので、基本は自責思考で動いていくことになります。他責にしてもうまく組織が回るのは、その組織の厚みといますか、しなやかさ故のことであって、それは一種の組織の強さだと思います。残念ながらスタートアップにそんなものはありません。そういう意味では、スタートアップは人に優しくない組織なのかもしれません。

②についてですが、リクルートの創業者である江副氏の格言である「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉が全てをいい表しています。スタートアップだから裁量権を得られる訳ではないのです。スタートアップは余白だらけだから裁量権を得やすいだけなのです。つまりはすべては自分次第ということになります。大企業だって競争に勝ち抜いた結果、裁量権を得られる人はいます。見方によっては大企業では裁量権を得ることができなかった人が、スタートアップに流れ着いてきただけという考え方も可能です。私はそっちの類かもしれません。

ここまでのことをまとめると、スタートアップというのは、自己責任原則で成り立っており、自責思考を持つべき場所で、主体的であることが強制される過酷な環境です。人によってはそれを聞いて地獄のような環境だと思われるかもしれません。おそらくそういう方はスタートアップには向いていないと思われます。しかし一方で、そういう環境を天国に感じる人もいるでしょう。直感的でもそういう在り方にアンテナが反応したのであれば、スタートアップでのキャリアを検討されてみてもいいかもしれません。

そして、裁量権を考える際には、その裁量権を持ってして動かせるものの大きさや量についての視点も持つ必要があります。裁量権を持てることが大切なのか、動かせるこコト・モノの大きさが大事なのか。これは一度立ち止まって考えるべき大切な問いだと思います。

・裁量権の大きさ
・動かせるコト・モノの大きさ

裁量権について考える際はこの二つの観点からより詳細に理解を進めると後悔のないキャリア選択を行えるはずです。

このことに考えるきっかけになったのは、「大企業もしくはスタートアップ」という安易な二元論に違和感を覚えたからでした。大学時代からお世話になっている先輩はよく「やるやつはどこでもやるし、やらないやつはどこでもやらない」と仰っているのですが、これは真理だと思います。とにかく、スタートアップだから裁量権を得られる、というのは危うい考え方なので、一旦立ち止まって冷静に検討いただくことをお勧めします。

本日は以上になります。最後まで読んでくださりありがとうございました。

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