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【Day42(22/2/14】転職活動小技集①掘り下げ、具体化ー実は危険な「スタートアップで働きたい」!?ー

日々様々な方とお話しさせていただく中で、「スタートアップに行きたいと思っています」「外資企業を志望しています」「大手に行きたいです」といったご要望や展望をお持ちの方によく出会います。

そのような場合私は必ず「なぜスタートアップにご興味を持たれているのですか?」「外資に行って得たいものは何になりますか?」「大手に行くことで何を変えられそうでしょうか?」といった問いかけをさせていただいております。

面倒だなあと思われる方もいると思うので、申し訳ない気持ちもあるのですが、とても大事なことだと考えており必ず質問しております。

なぜ大事だと考えているのかについてですが、一言で言えば、抽象的すぎる意志決定を行うのは危険だからということになります。後悔しない転職を行うためには、一見すると耳心地のよい抽象的な意思決定軸を具体化していくこと、そして言葉に付与されている先入観に自覚的になることが肝要です。

例えば、「スタートアップで働きたい」というとき、スタートアップという言葉に対して抱いているイメージ(場合によっては先入観)のようなものがあるはずです。そのほかにも、

●スタートアップ→自由、成長できる、進んでる、イケてる、かっこいい、過酷、ワードワーク、給料が低い
●外資→自由、多様性がある、フラット、オープン、洗練されている、結果にシビア、
●大手→安定している、給料がいい、WLBが保てる、遅れている、スピード感がない

といった感じで、社会的・個人的に形成されている一定のイメージがあります。

先入観やステレオタイプは日常を円滑にする上でとても便利なもので、全てをなくす必要もないですし、消し去ることはできないと思います。無くなってしまったら私たちの毎日は相当に面倒で不便なのになりますし、いつもいつも頭を使いすぎて、とても疲れてしまうでしょう。

しかし、転職のような人生で数回しか行われないような重要な意思決定の際は、その先入観や曖昧性に意識的に注意を向ける必要があります。それは失敗してしまった時に人生に与える影響が大きいからです。

ですので、そういった先入観を持ってしまっている前提で、それを掘り下げたり、分解して具体化していく必要があります。

例えば、問いかけの流れとしては以下のような感じです。

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自分A「大きなプロジェクトに関われているのは楽しいが、自分で動かせている感がなくてつまらん。スタートアップに行くか」

自分B「その悩みはスタートアップに行くと解決するのだろうか?」

自分A「スタートアップは裁量権が持てるから解決する」

自分B「裁量権が持てるというのは、何でもかんでも自分が責任をもってやり切らなければならないということの裏返しではないのか?」

自分A「まあ確かにそうかもしれないけれど、それはたぶん大丈夫」

自分B「あと、裁量権が持てるかもしれないが、スタートアップだと動かせるものやリソースが小さくなるけどそれはいいの?」

自分A「確かにそれは良くない。大きな規模のPJTに関われる経験はやはり貴重だし、裁量が得られればいいってわけではないのかもしれない。いったん保留にしよう」

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例えばこのような形で掘り下げを行うことで、抽象的な思考を具体化することができ、本当に求めていることがクリアにできたり、自分の意志の本気度合いを確かめることができます。

とにかくこの具体化を妥協せずに行っていくこと、そして発散した具体を、昇華させていき再度抽象化していくこと、この繰り返しをめんどくさがらずやることで、思考が洗練されていき、後悔しない意思決定に近づいていくことができます。

尚、自分自身に問いかけを行うことで一人でやることもできますが、質問の仕方については一定の慣れが必要になってくるので、キャリアに関しては転職エージェントやキャリアコーチ、キャリアカウンセラーといった人たちの力を借りてもいいと思います。(というより是非借りてください!笑。壁打ちのお相手になることには自信があるので、いつでもお気軽にご連絡くださいませ。Linkedinはこちら。)

一方で抽象的な思考が悪であると断罪しているわけではないことは一応触れておきます。抽象的思考はもちろん大切です。むしろ抽象的思考を制するものが思考を制するといった議論を展開されている本もあります。

詳細はこちらの本に譲るとして、時と場合によっては抽象的な思考が大切になることもあるし、抽象の質にもよる。目指すべきは抽象と具体の反復思考を積み重ねていき、思考を昇華させていくことである、というのが私の解釈です。

今回の記事では、それっぽいけれど実は抽象的かつ先入観に囚われているかもしれない意思決定軸に自覚的になり、掘り下げて具体化をしてくことの重要性について持論を述べさせていただきました。

皆さまの転職活動の参考になりましたら幸いです。最後まで読んでくださりありがとうございます。

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