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Day34(22/2/6】心理的安全性について②(実体験から考える三要素)

前回に続いて心理的安全性について考えていきます。スタートアップでは率直に意見を述べることが美徳としている企業が多いと思います。現職でもよくそのような話になります。しかし、「率直に意見を言え」と伝えるだけでは、時に相手を追いつめるだけになってしまうこともあるということを念頭に置いておく必要があります。

個人の気質や在り方に原因を求めるのではなく、いかに率直に意見を言い合える環境や状況を作り出すか、ということを考える上で心理的安全性という概念は有用です。

この記事では、どのような時に心理的安全性は生まれるのか、実体験を踏まえて考察してみます。過去を振り返っているうちに信頼関係があれば無条件で心理的安全性が生まれるわけではないのではないか?ということに気づきました。

前回の記事はこちら。

●三つの実体験

これまでの人生を振り返ってみて、思いの丈を率直に言い合えた時について思い返してみます。

例えば家族会議。かつて弟の進路を巡ってみんなで話し合ったことがありました。あの時は遠慮することなく、お互いがお互いを(多少傷つけあったかもしれないけれど)尊重して話し合いをすることができ、状況を前進させることができました。

その次に思い出されるのは、大学生の時の国際協力団体でのmtgです。こと学生が行う国際協力というのは個人の感情や価値観が色濃く考えに反映されやすいため、意見の対立はよく起こります。活動に意味があるのか、やりたいかやりたくないか、そもそも人の役に立つとはどういうことなのか、などなど様々なことを連日議論しました。

あの時は最初は遠慮しがちだったものの徐々に率直に話すのが当たり前という空気を感じるようになり、率直に意見を述べ、考えを伝えられるようになっていきました。ただ、あの時は意見を言いづらかった人もいたとは思います。その差分は、議論のテーマに興味が持てないとか、ファシリテーションが機能していなかったとかいくつかの要因が考えられそうです。

そして前職での経験。前職は入社時から完全フルリモートでした。私以外の方々は以前はオフィスで働いていたことがあったのですが、私はいきなりフルリモートだったので正直なところとても戸惑いましたし、最初のうちは議論する時に抵抗がありました。議論をして何かを創り上げていくような仕事ではないので、フルリモートでも差し支えはなかったものの、議論が深まらないというか、手応えがないというか、もやもやする機会が増えました。半年くらい経過して漸く少しずつフルリモートでの議論に慣れることができましたが、最後までこの違和感が消えることはなかったです。

●心理的安全性創出の三要素

このように過去を振り返ってみたところ、心理的安全性がある状態には以下のような条件が揃っていることに気がつきました。

信頼関係がある。お互いのことをよく知っている
目的や目指していることに納得できている
動因がある(内的動機付けができている)

これらが揃うことによって、初めて心理的安全性が保たれ、また対象に対して率直に意見を伝えようという行動をとることができるのではないでしょうか。率直に意見を言うことはそれなりにエネルギーが必要な行為であるため、自分に負荷をかけてでも行動しようと思わせるだけの何かが必要であるはずです。それが目的への納得であり、内発的動機になるのかなと思います。

また外部からの働きかけという観点では、効果的な問いを投げかけることも有効であると考えられます。

●反応と受容の重要性

もう一つ大切な観点があります。それは率直な意見を伝えた後に周囲がそれに反応し、受容することです。率直な意見を伝えたとしてもそれが受け流されたり、無視されるようであればその人はおそらく二度と率直な発言はしなくなるはずです。率直な発言を求める割には、受容しない(もしくは受容の仕方が下手)ということはよくあるように思うので、注意が必要です。特にリモート会議だと意識的に反応をしなければ、相手に不安を与えてしまうことが多いはずなので特に注意が必要だと考えます。

次回はリモート環境だからこその難しさおよび配慮の必要性について書く予定です。最後まで読んでくださりありがとうございました。

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