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【Day45(22/2/17】友人A「HR領域のDXはなぜ進まないのだろう?」

先日友人と話したときに唐突にこの質問を投げられました。DXが進むというのがどのような状態なのか、私も描き切れているわけではないので、今が進んでいるのか進んでいないのか適切に評価することはできないのですが、確かにまだまだいくらでもテクノロジーによって解決できる問題は転がっているように思います。

私は採用・転職領域の経験が一番長いのでこの領域を念頭に置いて少し考えをまとめてみます。

「これは人間にしかできない仕事なのだ」「人間がやるべき仕事なのだ」という思い込みや先入観、プライドの存在がテクノロジー活用が遅々としている一番の大きな原因であると思います。

例えば転職エージェントの仕事をしていると、この仕事は人間らしさが発揮できて面白い仕事だなと思うこともありますし、人間にしかできないことがあるよなあとしばしば思います。だからこそこの仕事は面白いし、この仕事をやっていてよかったと思うわけです。

そんな中で「テクノロジーの力を使ってオートメーション化しよう」なんて話が持ち込まれると咄嗟に心理的な抵抗を感じてしまうように思います。それは人に関する仕事は人がやるべきだという誇りに基づくものかもしれません。

しかし一方で、この仕事をしていて属人的になってしまってよくないなと思うことも多々あるはずです。転職エージェントの経験がある方はわかっていただけると思うのですが、この仕事はとにかく時間がかかります。特に両面型の場合、企業様とのMTG、求職者様とのMTGにまず時間を使うことになりますし、その他にもデータの登録やレジュメの添削、推薦文を考えたり、ご提案する求人を考えたりと細かいやらねばならないことが点在しています。このような状況に嫌気がさして転職エージェントの仕事を辞める方も多くいらっしゃるのが現状です。

つまり、一つ一つの仕事(Job)ベースで考えていくと、実は結構テクノロジーに頼って解消できることはあるのですが、それを大枠で捉えてしまうと、「いやいや人間がやるべきだ」という気持ちが前面に出てしまってテクノロジーの導入がうまく進まなくなるわけです。

では必要なことは何なのか。それは、テクノロジー活用の基本中の基本にはなりますが、JOBをできる限り細かく分けて、人間がやるべきことと、テクノロジーに任せることを徹底的に議論し、組織としての納得いく棲み分けを作り上げていくことになると思われます。業務プロセスを分解した結果、テクノロジーを活用すればよいとなったJOBに関しては外部のシステムを導入して効率化や省力化を図り、それ以外の部分に人間の力を投入し、検証を行っていくということを思い切って進められるか、そして愚直に検証ができるかが肝になるのではないでしょうか。

例えばエージェントの仕事であれば、キャリア面談はもちろん人間がやるべきだと思いますが、求人のマッチング自体はオートメーション化できるのであればその方が恣意性がなく精度の高いマッチングができるのかもしれません。しかし、直感や感覚に基づいて思いつくマッチング先もあるはずだという意見もあるでしょう。それではどうやったら、そういった直感や感覚というものをテクノロジーの力を活用して再現できるだろうかという議論を次に行っていく必要があります。

このようにしてあるべき理想の状態をゴールにして、あーでもない、こーでもないとどれだけ根気強く試行錯誤できるかが肝要なように思います。またJOBを細かく切り出していくためにも、その仕事のことを理解した人間がプロダクト創りに深くかかわることの重要性も感じております。

それは本当に人間にしかできないことなのだろうか」「人間が本来やるべきことは何なのだろうか」「どんな状態になっているとよりみんなが幸せになれるのか」こういった言葉を合言葉として、私もプロダクト創りを進めて参ります。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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