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会社に振りまわされているときに読む本『常識のない喫茶店』(僕のマリ)

「違う」と思うことに自分を曲げ続けていると、気づかないうちに尊厳を失うことになる。かつてのわたしがそうだった。納得できないことに頭を下げて、モヤモヤとした気持ちえを抱えながら働いていたら、心が壊れてしまった。自分を殺しながら働くことが社会ならば、そんなところで息をしていたくない。

柏書房『常識のない喫茶店』プロローグより

逃げたいと思っている自分。
逃げたと思われるのがこわい自分。
迷惑はかけたくない、でも…の狭間で悶々と自問自答を繰り返している人に読んでほしいのが『常識のない喫茶店』とい小説だ。

喫茶店で働く物書きのウェイトレスが主人公なのだが、小説というより著者のお仕事エッセイなのだが、プロローグの言葉で一気に引き込まれた。

著者の言う「違う」には2種類あると思う。
1つ目は、理不尽なことを我慢している状況の「違う」。
2つ目は、自分の本心とは「違う」だ。

社会に出ると多少の理不尽は当たり前が常識になる。
自分の本心とは違うことをやらなければいけなくても、その環境を選んだのは自分だ。自分で結果を出して環境を変えろと言われる。
だが自分の努力だけではどうにもならない側面も、往々にしてあるのが社会の仕組みというものだ。

社会人となっ15年以上、私自身いつも自分に問いかけ続けていることなのだが、自分の本心とは「違う」ことを続けなければいけない社会は、いい社会と言えるのだろうか。
仕事だから、責任があるから、で耐えることは努力と言えるのだろうか。


遺言として伝いたいこと

理不尽なことを我慢している状況の「違う」も、自分の本心とは違う場合の「違う」も、どちらも人生において大問題だ。
周りを考えすぎて精神が壊れてしまう前に「違う」状況から抜け出そう。


文学サイト「たおやぎ」で、この本をテーマにしたコラムを書いています。


このnoteはマガジン「遺言として残したい本棚 」に収録されています。大切な人へ遺言として残したい本たちを集めました。本のどんな所でどんな風に救われたかの記録エッセイです。


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