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年収1,000万を捨てた理由

こんにちは。この頃無性に焼肉が食べたい@hirokonishimuraです。皆さんは年始年末にお金の事考えたりしますか?区切りがいいので、次の年の事を考えたり一年を振り返るのにいい機会ですよね。

私は半年前に退職して独立し、フリーランサーとして活動する事になりました。独立と一緒にとっても小さな会社も作りました。

2019年の収入を計算していて気が付いたのですが、私が2019年に退職せずにフルタイムの仕事を続けて、フリーランスの仕事も一緒にやっていたら、2019年の収入は1,000万円超えだったようです。

私の初の1,000万円越えになるはずの年だった訳です。憧れの「年収1,000万」。5年前、時給1500円で始めたキャリアからは想像も付かない収入です。

でも、それは辞める前から解っていました。それでも辞めた。その理由が今回のブログのテーマです。

ニューヨークとお金

私は会社で社員として働いていた全ての時間をニューヨークで過ごしました。ニューヨークと言えば、「世界の首都」とも言われるぐらいの大都市。なんでもスケールが違う。物価も家賃も給料も。映画にもよく取り上げられるし、大金持ちが多くて有名な街。沢山の方の憧れの地です。

反対に、私はあまりニューヨークというものに憧れを抱いたことはありませんでした。引っ越すまでまさかこの田舎っ子の自分が大都市に住む事になるなんて一ミリも考えたことがありませんでした。

色々な事が重なりに重なって、私は大学院卒業後、リュックとダッフルとスーツケースと枕を抱えてニューヨーク行きのバスに乗り込みました。$15の切符。新しい人生の始まりでした。

ニューヨークは私が見たこともないぐらいの貧困のさが激しい街でした。着ている服以外何も持っていないホームレスのおじさんの前をファーのコートを纏ってバーキンを片手にハイヒールでスタスタと歩いていく女性。

かく言う私も当時はベビーシッターとして月収13万で生活していました。素敵なおねーさんよりはホームレスのおじさんに近い存在でした。

引っ越して半年して、やっとフルタイムのお仕事が貰えました。バリバリ文系の私がテック業界に足を踏み入れた瞬間でした。

そこでのお給料が時給1500円。ニューヨークで生活していくにはとても困難なお給料でした。8万ちょっとの家賃を払うのに精一杯。食べ物も買い物も極端に控えて、1¢単位で生活していました。派遣なので有休も無く、年収に変えると270万ほどでした。

そこから4年かけて、転職2回、昇給1回。お給料も850万に。正に3倍。

生活標準はあまり変えなかったので、貯金が弾みました。自分には持って余る額だな。と思いました。リタイアメント口座に入れれるだけ突っ込んで、その上で手取りの半分を貯金に回していました。

でも、私の友達たちの多くはニューヨークで新卒エンジニアとして1200万以上儲けていました。ボーナスも出るし、毎年10%とかお給料が上がっていました。

世界が違いました。住んでいる場所やアパートの質から違う。私の8万ちょいのアパートとは比べ物にならない素敵なアパートに月30万近くかけて1Rに住んでいる人もいました。食べる物も、乗り物までも違いました(電車とか極限乗らずタクシー呼ぶ人も)。旅行にも沢山行っていて、生活標準って同じ年でもこうも変わるもんだな。と思い知らせてくれる5年間でした。

でも、その友達たちが私より幸せであったか?私にはそうとは見えませんでした。皆問題を抱えていて、問題の質は違うものでしたが、何かしら生活に支障をきたす問題を抱えていました。

自分の生活標準に慣れてしまっているので、それ以下のお給料では生活が出来ない。でもその生活標準があるからといって幸せな訳ではない。では、もっと給料が上がれば幸せになれるのだろうか?たくさんの友達が転職していました。

でも、1200万で幸せじゃなかった人は1600万でも幸せにはならないと思います。

私は270万から660万ぐらいまでの間では物凄く生活水準の違いを感じました。毎月毎月の家賃が怖くない。週3で2、3年続けていた家庭教師が辞められる。色々変わりました。でも660万から850万は、貯金が増えただけで、生活自体にあまり代わりが見えませんでした。

お金と幸せ

一定の収入を越すと、それ以上上がっても「もっと幸せ」にはならなかった。

私は「1,000万円」がその魔法の額だと思っていました。でも、個人的にはなんだかそれよりずっと低い額だったようです。

高い収入と個人資産(貯金など)の数は高ければ高いほどいいです。勿論。

病気になって医療費が払えず自己破綻。首になって家賃が払えず追い出される。食べるものが無い。貯金が無い、収入が無いと明日にでも起こりうる現象です。

一定の資産が出来上がると、気分が随分楽になりました。大抵のことは乗り越えれるという自信も出てきました。

そこで気が付いたのが、生活水準があまり高くなかったので固定出費が少なく、パート収入でも生活費が賄える。ということでした。

健康は買えない

たくさんの持病持ちの私は、実は障害者です。脳の障害、体の障害。色々抱えて生きています。その私にとって一番大事なものってなんでしょう?

時間と健康です。お金では買えないものです。それに気が付いたのが、難病と戦いながら仕事を続け、疲れ切って、体調を崩した時でした。

お金はある。大金持ちでは無いけど、苦労しない分ある。

収入もある。そりゃ、年収1000万とまではいかないけど、独り身の私には十分なくらいある。

だったらなんでこんなに辛いんだろう?なんで体はこうも痛いのだろう。なんでこんなにしんどいのだろう。

大金を叩いて医者に行っている。同じクレジットカードを手に握り、薬も貰っている。

なのに一向によくならない。金があるのに。世界でも指折りの医師に診てもらっているのに。

健康は金で買えない。そんなこと、綺麗事だと思っていました。でも違った。本当でした。生活を変えないといけない。ストレスを控えて、運動して、食生活を整えて。

どれだけお金を貯めても、どれだけ給料が上がっても、動く体がなければ意味が無い。体が痛くて何も出来ないようでは意味がない。

キモセラピーを初めて2年経った時に退職を決意しました。

半年経った

思い切って仕事を辞めて、勿論収入はガタ落ちしました。フリーランスと言っても、そこまで仕事をしている訳ではないので、そこまで収入が発生しません。

体調を整える事に専念しているので、パートとかにも応募していません。

でも、運動を初めて1ヶ月で人生が変わりました。毎朝痛みと共に起きていたのが夢のよう。運動のしすぎで筋肉痛になって初めて気がつきました。

「あれ?私ってこういう痛み、毎日じゃなかったっけ?いつから痛くなくなったんだろう?」

毎日飲んでいた痛みどめも辞めれました。今ではもう何ヶ月も飲んでいません。

ストレスを減らし、食べる物も調節しています。体も心も元気になってきているのが感じ取れます。不眠症に悩まされていたのもすぐに解消しました。

1000万円を犠牲に

私は「年収1000万円」という代価を払って健康を手に入れる事にしました。

後悔していません。お金が必要になれば、また元気になってから儲ければいい。

今のうちに体調を整えておかないと「またいつか」は無くなる。そう確信しました。「後で」がない人生。そうなる前に退職しました。

これから数年、どこでどう転がるか、全然解りません。

でも、絶対に退職したことを後悔しないと思います。

心の病でも、体の病でも、忙しい時は「後で、後で」と軽視しがちです。私も何年も「別に働けているから大丈夫。」と自分に言い聞かせていました。

でも大丈夫じゃなかった。

今整えないと、未来は無いかもしれない。

未来が無い人生が待っているぐらいなら、今を変えていくしかない。

私は「高収入」という肩書きを手放して、敷かれたレールから自ら脱線して「人生」を手に入れました。

これから子猫と一緒に歩んでいく「未定」の「未来」を楽しみにしています。




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