新たな資本主義時代に必要な「能力開発戦略」と「キャリア戦略」とは

多摩大学大学院名誉教授 田坂広志先生講演「『新しい資本主義』とは何か ― 21世紀の社会を動かす「目に見えない資本と経済」の特別公開セミナーに参加しました。

田坂先生の

すべては導かれている

という言葉は、何かが起こったときに、意味があって起こったことと理解し受け入れて、次へのアクションにつなげられる、私の元気の源です。

同講演では、外部環境が大きく変わる中、テクノロジーの進化だけでなく、「経済原理」や「資本の意味」の変化が起こっていて、その結果、「企業内で人材が育たない」 「イノベーションが起こらない」といった課題がある一方、思想と価値観が注目され復活していく、という話がありました。

こうした中、「新たな資本主義」の時代に、どのような「能力開発戦略」と「キャリア戦略」を採るべきか。田坂先生からは三つの提言がありました。

■自分が身につけた「目に見えない資本」の棚卸しをする

見えない資本とは、
・知識資本:言葉にはできない暗黙知
・関係資本:知恵を借りれる真柄、人的ネットワーク
・信頼資本:信頼され、知恵を貸してくださる方がどれだけいるか
・評判資本:世間の評価
・文化資本:恥を知る
です。

これらの資本は、個人によって大きく異なります。そして、意識して活動していかないとなかなか増やすことができません。田坂先生がよく仰せになる「一期一会」を大事にするとともに、アンテナを張り巡らしておく必要があります。

一方、志や使命感がなければ、情報や人に接しても引き寄せることができません。両輪を回していく意識が大事とあらためて感じました。

■仕事において明確な「志」と「使命感」を持つ

「本当に心の底から成し遂げたいことは何か。高い目標を掲げるほど苦労はするが、成長する」

世の中の役に立つことを成せば、見えない資本が自ずと集まってくる、というのは、「旗を立てる」に通ずると思いました。

ミドル世代がイキイキと過ごせる社会について、掘り下げて考えていきたいと思いました。

■「AI革命」の時代に求められる 「高度な三つの能力」を磨いていく


・ホスピタリティ:高度な対人的能力
・マネジメント: 高度な組織的能力
・クリエイティビティ:

「人間にしかできないこと」の1つに論理的思考と言われていましたが、専門知識と論理思考だけでは生き残れない時代になりました。人間にしかできない「心」に注目して、心配りや心のマネジメント・ケアこそが求められる時代です。

こういった背景と課題意識があって、昨年から「傾聴」に興味を持ち、「LISTEN ~知性豊かで創造力がある人になれる~」(ケイト・マーフィ著、篠田真貴子監訳)や、コーチングの本を意識的に読み始めました。人に寄り添うことや、利他の心などがつながってくるのかもしれません。

これら3つの提言を振り返ると、高度な能力はまさに人間力ですね。個性、感性こそが人間の能力で、引き寄せてこそ発揮できるものだと感じました。

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