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とんぐ侍


〽︎とんぐ とんぐ とんぐざむらい
 つかみどころのないさむらい

〽︎とんぐ とんぐ とんぐざむらい
 今日は何をつかもうか

〽︎とんぐ とんぐ とんぐざむらい
 明日あしたはでっかい夢つかむ


【とんぐざむらい 秋を楽しむの巻】

いよいよ、とんぐざむらいの秋到来と言っても過言ではない。
とんぐざむらい肌寒はだざむい季節を迎えると、
湧き上がる情熱で、居ても立っても居られなくなるのだ。

「さあ始めまひょかっ」

とんぐざむらい、季節の手仕事のはじまりはじまりだ。
とんぐざむらいは毎年、この時期から春先までパウンドケーキを焼く。
試作を重ねたオリジナルレシピとこだわりの材料で焼き続けている。

そもそもなぜ、とんぐざむらいがパウンドケーキを焼くのか。


とんぐざむらいは還暦を前に、持病じびょうがもとで失明の危機に直面したことがあった。
手探りで歩いていた状態を心配した昔馴染みの友人から、一度受診してみてはと眼科を教えてもらった。

これが運命的な出会いだった。
とんぐざむらいにとって良き眼科医に出会え、手術も大成功し、失明の危機を脱したのだ。

退院後の自宅療養中、持て余す時間にお菓子作りに挑戦してみた。
経験など全く無かった。
ただ、建築業を営んできた職人気質かたぎが、お菓子作りであれ、レシピの枠を飛び出し研究を重ね、オリジナルレシピを作り上げるという情熱を燃え上がらせていた。

そうして誕生したとんぐざむらいのパウンドケーキは、
「しっとり」の絶妙バランスで、食べる者皆を笑顔にした。

コロナ前だったこともあり、療養中のとんぐざむらいを心配してくれた方々へ感謝を伝える挨拶回りにも持参。
とても喜ばれ、要望があれば焼き続けた。
家庭用の古くからあるオーブンがを上げた。
新しいオーブンを買い、気付けばトータルして1,000本超焼き上げ、とんぐざむらいの自信に繋がっていった。

とんぐの至高に辿り着いたパウンドケーキは、
「面倒な手間を省き、簡単で美味しくて、ひとくち食べたら笑顔になる味に」がモットーである。

プレーン味、チョコ味、抹茶味と、バラエティ豊かにそれぞれに合ったレシピに改良し、これからのような寒い季節限定で焼いているのだ。

この、簡単だけど美味しいパウンドケーキを、同世代の方やスイーツ初心者🔰の方々と一緒に作ることができるなら、どんなに楽しいだろう。
そんな夢さえ抱いている。

〽︎とんぐ とんぐ とんぐざむらい
 明日あしたはでっかい夢つかむ


とんぐざむらいの毎日は忙しい。
失明の危機を乗り越え、人を笑顔にする行動ができ、その様子を見ることができる悦びに震えているからだ。
コロナ禍を経験している今だからこそ、これまでと違ったパウンドケーキの届け方があると、少々Youtuber気味のとんぐざむらいは、パウンドケーキ研究家・多少の料理研究家として、動画配信ができたらなと新たな挑戦を検討中である。



【おまけのコーナー】

まぎれもない昭和生まれのとんぐざむらい
焚き火が許され七輪焼きがメジャーだった古き時代を思い出しながら、秋を楽しむとんぐソングの歌詞が生まれた。
皆さまどうぞお好きなメロディーを作曲されながら歌ってください。

♪とんぐざむらい 秋を楽しむとんぐソング


公園落ち葉を掃き掃除
その時とんぐがひらめいた
捨てる落ち葉を山積みすれば

焚き火の準備がオッケーや

芋を仕込んで
栗も仕込んで

火傷やけど防止にロングトング

しばし待とうか
ふむふむふむ

とんぐの焼き芋いかがかな?
とんぐの焼き栗いかがかな?


いわし雲見てお腹がぐー
その時とんぐがひらめいた
仕舞い込んでた七輪出せば

焼きの準備がオッケーや

メザシを乗せて
秋刀魚も焼こう

火傷やけど防止にロングトング

しばし待とうか
ふむふむふむ

とんぐのメザシいかがかな?
とんぐの秋刀魚いかがかな?


〽︎とんぐ とんぐ とんぐざむらい
 明日あしたはでっかい夢つかむ

七輪で焼く秋刀魚は最高に美味い。
しかし、その脂で燃え盛る炭火とにおいに、後片付けの面倒臭さが脳裏のうりをよぎる。
干物がベストチョイスだなと思いながらも、目の前の秋刀魚にうっとりするとんぐざむらいであった。


〽︎とんぐ とんぐ とんぐざむらい
 つかみどころのないさむらい

〽︎とんぐ とんぐ とんぐざむらい
 今日は何をつかもうか

〽︎とんぐ とんぐ とんぐざむらい
 明日あしたはでっかい夢つかむ

とんぐざむらいの日記のような旅は、まだまだ続く。
いつでもキミのとなりすわり、笑いとはげましをくれる。

〽︎とんぐ とんぐ とんぐざむらい
 ともに未来の夢つかもう


<写真・文 ©︎2023  いけだひろこ>


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